地球戦士マモルンダー

町村英雄

エピソード13(脚本)

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〇古い倉庫の中
高島守「さすがにこれなら抜けられないでしょう」
田中正義「本当に生かしておくつもりですか?」
  入り口に目をやる高島。
  そこには家族が待っている。
高島守「嫌でしょう? 父親が人殺しなんて」
田中正義「私がとどめを刺しておきますよ」
  首を横に振る高島。
高島守「音無にも、妻と息子がいます。 家族を失うのは、例えサイレントでも辛いでしょう」
田中正義「高島さん。今、なんて言いました?」
高島守「え、いや、家族を失うのは辛いって」
田中正義「その前です。奴に、妻と息子がいると!」
高島守「ええ。私も結婚式には出ていますよ」
田中正義「大変です。 サイレントは、異種族とは性交しません」
高島守「それって、どういう——」
田中正義「奴の妻と息子もサイレントです!」
高島守「え! サイレントって、音無だけじゃないんですか!?」
田中正義「誰がそんなこと言いました!」
田中正義「私は、この3年間で百体を超える数のサイレントを始末してきました」
高島守「そんなに沢山」
田中正義「まだまだいますよ」
田中正義「そうだ! 高島さん。 私が回復するまで、私の代理を務めてくれませんか?」
高島守「私には手が余りますよこんな大役。 もっと適任者がいるはずです」
高島守「手負いの音無でさえ、家族の力を借りて何とか倒せたんですから」
田中正義「私にも仲間がいます。 今は訳あって散り散りですが・・・」
高島守「私は家族さえ守れれば充分ですよ」
田中正義「何を言ってるんですか!」
田中正義「そのためには、地球上からすべてのサイレントを排除しなければなりません!」

〇綺麗な一戸建て

〇おしゃれなリビングダイニング
高島守「・・・・・・」
高島愛菜「パパ。見て」
高島守「本当にいいのか? 新しいの買ってあげたのに」
高島愛菜「これが気に入ってるの!」
高島良子「あなた。愛菜の出番は14時だからね」
高島守「ああ。面接が終わり次第すぐに向かうよ」
高島弘美「じゃーん」
高島愛菜「わぁ。可愛い。これ、私?」
高島弘美「そう。これ、あげる。 本番前のイメトレに使って」
高島愛菜「いいの? 嬉しい!」
高島良子「いいなー。私も描いて欲しい」
高島弘美「ママはこないだ描いたでしょ。次はパパ」
高島守「お、楽しみにしてるよ」
高島良子「あ、そうだ!」
高島良子「秘密を発表します」
高島弘美「なに?」
高島良子「あなたたちに、妹ができまーす」
高島守「本当か!!」
高島良子「ええ」
高島弘美「やるねー」
高島愛菜「愛菜、お姉ちゃんになるんだ」
高島守「これから忙しくなるな。 パパも頑張ってお仕事探すよ」

〇超高層ビル

〇面接会場

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