エピソード3(脚本)
〇図書館
絵瑠譜恵留(エルフエル)「遊垣さんも本を読むのですね」
遊垣悠斗「うん。 図書室だと色々な視線が気にならないか?」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「そうでした 姿を隠さなければ」
シュワアアア。
独特な効果音を残して
恵留はシルエットに変身した
絵瑠譜恵留「遊垣くんのおかげで不特定多数の人に姿を見られないで済みました ありがとうございます」
遊垣悠斗「そんなに姿を現したくないのは何で?」
絵瑠譜恵留「エルフと知ったら、みんなが どう反応するのか わからなすぎて怖いというか・・・」
遊垣悠斗「みんな気にしないんじゃないかな」
絵瑠譜恵留「そういうモノですかね・・・・・・」
遊垣悠斗「恵留さんの姿見てみたいって言ってくれてる クラスメイト何人かいるよ」
絵瑠譜恵留「そんな恐縮な・・・」
菊一文字隆介「仲良く話してんな、2人共」
遊垣悠斗「隆介か、何の用だ」
菊一文字隆介「俺も会話に混ぜてくれよ〜」
遊垣悠斗「まあいいけど」
菊一文字隆介「そういえば恵留ちゃんさぁ、 LINEで好きなタイプ言ってたよな」
何だよそれ、めちゃくちゃ気になるじゃないか
絵瑠譜恵留「ええ。優しくて包容力がある人ですね」
遊垣悠斗「そ、そうなんだ。へぇ」
全く僕に当てはまらない、どうしよう
菊一文字隆介「他にも言ってたっけ。 読書家が好きだとか」
絵瑠譜恵留「秘密にするって言ってたじゃないですか」
菊一文字隆介「悪い悪い、でも悠斗に教えてもかまわんだろ」
絵瑠譜恵留「はい、悠斗さんになら」
遊垣悠斗「あれ、LINEの通知が来てる」
えりちゃんからLINEが2通届いてた
今すぐ会いたいとのこと。
どうしたらいいんだ
菊一文字隆介「何だ?女の子からか?」
遊垣悠斗「いや、最近知り合った男の後輩からだよ」
菊一文字隆介「なんか声が上ずってるの怪しいけどまあいいか」
えりちゃんに会うために図書室を出た
〇商店街の飲食店
幸田えり「突然呼び出してすいません 一郎が全然ご飯食べなくて・・・・・・」
遊垣悠斗「それは一大事だね どうしたんだろうね」
幸田えり「獣医に連れてってみたんですけれど、 特に異常はないって」
遊垣悠斗「それなら尚更一郎くんがエサ食べないの不思議だね」
幸田えり「学校まだ授業あった気がするけれど、抜け出してきて大丈夫でしたか?」
遊垣悠斗「ああ、サボりたい授業だったから助かったよ」
幸田えり「それならよかったです」
遊垣悠斗「一郎くんの様子を見に行ってもいいかな」
幸田えり「私の学校、女子校なんですけど問題ないですかね」
遊垣悠斗「そっか、どうしようかね」
幸田えり「名案浮かんできました」
彼女が提案したそのアイデアに心から驚愕を覚えつつ、乗ることにしたのだった
〇お嬢様学校
幸田えり「なかなか似合ってますよ、コスプレ用のウイッグがこんな所で役に立つとは」
遊垣悠斗(女装)「は、恥ずかしいよ 幸田さんってどういう趣味してるんだ」
幸田えり「男の子を女装させたのは初めてですが、これなら誰にもバレませんね」
遊垣悠斗(女装)「なんか変な性癖に目覚めそうで怖い」
幸田えり「ふふふ、女装した悠斗くんもカッコかわいいよ」
遊垣悠斗(女装)「ところでどこに一郎くんは?」
幸田えり「階段を登りきったところに専用の居場所があってそこでまったりしてるの」
一郎「ニャー」
本当にエサを食べてないのかわからないくらい一郎は元気な様子で──
遊垣悠斗(女装)「それにしても猫は可愛いな」
幸田えり「でしょでしょ〜」
一郎「ンギャアアア!」
茶色い毛玉を吐いた一郎であった。茶色いのはエサの影響か
幸田えり「一郎、大丈夫?」
遊垣悠斗(女装)「毛玉を吐いただけだろう。しかし普通は午前3時とか4時に吐いたりするものだけど」
幸田えり「猫に詳しいんですね。もしや前飼ってたとか?」
遊垣悠斗(女装)「野良猫を3年くらいね。早く亡くなっちゃったのは残念だけど」
幸田えり「猫博士がこんな所にいたとは」
遊垣悠斗(女装)「博士ってほどでもないよ。何で一郎くんが不調なのかもわからないしね」
幸田えり「また一郎に何かあったら連絡しますね」
遊垣悠斗(女装)「わかった。借りた服は洗って返せばいいかな?」