第6章第1節 『レギオン・オブ・ザ・デッド』(脚本)
〇大学病院
アヴァロン記念病院
ピシャーン
雷が閃く。
〇中庭
マルス「復活の時はきた。俺様の忠実なる下僕。 古に語られし悪霊“レギオン”よ!」
マルスは空中に、禍々しく光る魔法陣を
浮き上がらせる。
マルス「貴様を倒した運命の戦士(ドゥーム・チャンピオン)、エクスカリバーに復讐を遂げるがいい!」
マルス「げ~はははは~~!」
土の下からゾンビの手が突き出る。
〇大学病院
翌朝
〇病院の入口
只野男志「はぁはぁ。よし、時間ギリギリ。 間に合った──」
狩場玖珠絵「おそい!」
只野男志「え・・・ご命令の時間には、一応」
狩場玖珠絵「あたしはアンタのご主人様よ。 待たせた時点でアウトに決まってるじゃない」
只野男志(この女、マジで理不尽だな・・・)
只野男志「それで玖珠絵様。 病院に付き合えって・・・風邪とか、ひかなそうなのに」
ボコッ
玖珠絵がギプスで蹴る。
只野男志「うぐほぉぅっ!?」
狩場玖珠絵「バカにしてんの? 殺すわよ。 クソザコパンピー!」
只野男志「その脚・・・怪我、痛くないんすか?」
狩場玖珠絵「治ったのよ。やっとね」
只野男志「お、おめでとうございます」
狩場玖珠絵「だからギプス外しにきたってわけ。 で、アンタは雑用係」
只野男志「でも怪我なら、ミストルティンの能力で治せばよかったんじゃ」
狩場玖珠絵「強力な呪いを受けてたのよ。 前に闇の勢力の幹部をぶっ殺した時にね」
狩場玖珠絵「それを浄化していたの。 この聖なるギプスで」
只野男志「聖なるギプス・・・?」
〇手術室
看護師「狩場さ~~ん、少しこちらでお待ちを。 すぐに先生がいらっしゃいますので」
狩場玖珠絵「ええ。ありがとうございます」
看護師「彼氏さん? お似合いですね」
只野男志「いいえ。脅されて──」
只野男志「ごふぅっ!?」
ギプスで脚を踏みつけられる。
狩場玖珠絵「友人です♪」
看護師「お大事に」
狩場玖珠絵「余計な口きくな。クソザコ」
医者「お待たせしました。狩場さん」
医者の腕にはなぜか血がにじんでいる。
狩場玖珠絵「よろしくお願いします」
只野男志「って、先生、腕! 平気なんですか」
医者「あぁ。患者さんに噛まれちゃって」
只野男志「噛まれたって・・・」
医者「でも大丈夫大丈夫。ゴホゴホッ」
狩場玖珠絵「本当に平気ですか?」
医者「大丈夫だよ。 ではギプスを切断する前に固定しますね。動くと危険なので」
〇手術室
玖珠絵が診察台の上で、全身にバンドを
巻かれている。
狩場玖珠絵「・・・あの、先生?」
只野男志「ギプスを固定するどころか、全身ギッチギチですけど」
医者「動くと危険だからね」
狩場玖珠絵「はぁ」
医者「じゃあいくよ」
ギュイイイ~~ン
者がチェーンソーを取り出す。
只野男志「なぜチェーンソーッ!?」
医者「大丈夫大丈夫。すぐ終わるよ」
医者「じゃあさっそく・・・ゴホゴホ! ・・・ガハァ!」
咳こんで医者の手元が狂う。
チェーンソーが勢いよく、玖珠絵の頭に振り下ろされる。
狩場玖珠絵「きゃあぁあっ!」
チェーンソーが爆音を轟かせ、あたりに鮮血が飛び散る。
只野男志「ギャーッ! 玖珠絵様が死んだ!」
狩場玖珠絵「誰が死んだって!? 殺すわよっ」
只野男志「あれ。じゃあ、この血・・・」
医者「ごはぁっ」
医者が派手に吐血している。
只野男志「お前かよ!」
医者「ゴハッ、ガハァ! ・・・ハァハァ。ごめんごめん。 もうダイジョウブ」
狩場玖珠絵「全然大丈夫じゃないわよ。 このクソヤブ医者! 殺す気!?」
医者「ダ、ダイジョウブ。ダ、ダダダァ!」
医者はガタガタと痙攣しはじめ、再びチェーンソーを玖珠絵めがけて振り下ろす。
只野男志「あ、危なあぁああいっ!」
只野がとっさに診察台を蹴倒す。
玖珠絵は診察台ごとひっくり返る。
チェーンソーは玖珠絵を掠めて空を切る。
狩場玖珠絵「痛っ。なにすんのよクソザコ!」
只野男志「助けたんでしょ!」
医者「ダダダジョジョジョブブブゥ~~!」
医者が黒いオーラに包まれはじめる。
只野男志「って、あの黒いオーラ・・・」
狩場玖珠絵「闇の勢力(ダークパワーズ)!」
医者レギオン「我々ハ・・・レギオォン!」
狩場玖珠絵「レギオン!? 嘘。なんで復活してるのよ!」
只野男志「知っているんですか、玖珠絵様!」
狩場玖珠絵「あたしが前にぶっ殺した闇の勢力の幹部よ・・・って、ぼさっとするな。 この拘束はずしなさい!」
只野男志「こんなガッチガチなの、すぐはムリですって!」
医者レギオンがチェーンソーを構える。
医者レギオン「死ネ! 我々ノ怨敵、エクスカリバァアァ~~ッ!」
狩場玖珠絵「チッ・・・我に宿りし神聖なる湖水 (セイクリッド・パワー )よ!」
狩場玖珠絵「アンタが戦いなさい、この剣で!」
只野男志「む、無理です! だって俺、クソザコパンピーですよ!?」
医者レギオン「我々ハ、レギオォン!」
医者レギオンが只野に突進する。
只野男志「ぎゃああああっ!」
只野はとっさに青い剣を掴み、チェーン
ソーを防御。
剣とチェーンソーが交差し火花を散らす。
只野男志「ぎゃあーっ! ぎゃっ!?」
医者レギオンに押されて、地面に尻餅を
つく。
医者レギオン「我々ハ、レギオン!」
医者レギオンがチェーンソーを振りかぶり、只野に迫る。
只野男志「た、たた、たすけ・・・」
医者レギオン「我々ハ、レギオォ・・・アッ」
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