第6章第2節 『唸れ俺のチェーンソー』(脚本)
〇病院の待合室
レギオンの群れが、只野と玖珠絵に迫っ
ている。
狩場玖珠絵「彼がデュランダルだ! 討ち取って名をあげろ!」
レギオン「デュランダァァ~~ル」
只野男志「く、玖珠絵様っ。 なにしてくれちゃってんですか!」
狩場玖珠絵「あんた、時間稼ぎしなさい。 10分でいいわ」
只野男志「10分も!? 無理です!」
狩場玖珠絵「その間にギプスを外すのよ。 聖なるギプスはあたしの力も封じてるの」
只野男志「でも・・・」
狩場玖珠絵「力が戻ればこんな奴ら瞬殺よ。 いいから行きなさい!」
玖珠絵が只野を蹴っ飛ばす。
狩場玖珠絵「バックレたら、マジ殺すからね!」
只野男志「・・・うぅ。 そのかわり、絶対なんとかしてくださいね!?」
レギオン「デュランダァァ~~ル」
レギオンたちが只野ににじり寄る。
只野男志「ギャーッ。く、来るな~~!」
〇病院の廊下
只野男志「はぁはぁ・・・」
走ってきた只野が後ろを振り返る。
レギオンの姿はない。
只野男志「ふ、振り切った?」
レギオン「・・・・・・」
只野の背後に、レギオンが近づく。
しかし只野は気がつかない。
只野男志「でも待てよ。 あいつらノロいんだし、このまま逃げられるんじゃね?」
レギオン「・・・・・・」
只野男志「そうだよ。囮なんてやる必要ないじゃん!」
只野男志「せっかくだから俺は逃げるぜ! あばよ、女王様!」
レギオン「我々ハ、レギオン・・・」
只野男志「ぎょえええええぇ~~っ!?」
腰が抜けてその場に尻餅をつく。
只野男志「そ、そそ、そうだチェーンソー」
震えながら、チェーンソーを構える。
レギオン「我々ハ、レギオン」
只野男志「ひ、ひぃっ! 来るな、来るなぁ!」
レギオン「我々ハ、レギオ──」
只野男志「あ」
只野が振り回したチェーンソーが偶然レギオンの首に当たり、首がポロリと落ちる。
只野男志「・・・ひっ。く、首が、首がぁあああ! ・・・お、俺まさか人を──」
首無をなくしたレギオンから黒いオーラ
が発散し女性の姿が現れた。
五体満足ではあるが気絶している。
只野男志「・・・あぁ。生きてる。よかった・・・」
レギオン「デュランダァァ~ル」
只野男志「ぎゃっ。追ってきた! 出口、出口は・・・あれか!」
廊下の突き当たりに「非常口」の緑色の ランプと扉が見える。
立ち上がり、非常口まで必死に走る。
只野男志「ハァハァ、これでこんな場所からおさらばだ!」
只野男志「エクソダース!」
勢いよく非常口を開く。
〇中庭
「我々ハ、レギオォオン」
只野男志「ひ・・・っ!?」
只野に群がるレギオンたち。
先頭のレギオンが只野の右腕に噛みつく。
ガブリッ
只野男志「痛ったぁああああ~~っ!!」
〇手術室
玖珠絵が部屋の中で何か探している。
室内はレギオンに荒らされ、壊れた器具や機材が床に転がっている。
狩場玖珠絵「チッ。ギプスカッター、壊れてるじゃない」
只野の声「玖珠絵さまーーーっ!」
レギオン「デュランダァァル!」
狩場玖珠絵「あのクソザコ! まだ3分も経ってないってのに」
〇病院の廊下
只野男志「ぐずえざまぁーーっ!」
右腕には血が滲み、その後ろにはレギオンの群れを引き連れている。
狩場玖珠絵「時間稼ぎもロクにできないの!? まだギプス外せてないわよ!」
只野男志「か、かか、噛まれましたぁあ! 助けてくださいぃいいっ」
玖珠絵の足にすがりつく。
狩場玖珠絵「本当、使えない奴!」
レギオン「デュランダァァル!」
狩場玖珠絵「・・・我に宿りし、神聖なる湖水 (セイクリッド・パワー )よ!」
狩場玖珠絵「ホーリー・ブラストッ!」
剣から純白の極太ビームが迸るとレギオンたちに直撃する。
レギオン「我々ハ・・・」
レギオンたちから黒いオーラが発散し、人の姿に戻っていく。
只野男志「玖珠絵様、おたすけぇ! レギオンになっちゃいますぅ。 なんとかしてぇ~~」
狩場玖珠絵「噛まれたのは右腕だけ? なら、まだなんとかなるわ」
只野男志「さすがは玖珠絵様です!」
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