転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた

セーイチ

第二話(脚本)

転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた

セーイチ

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〇湖畔
優「はは、ははははははっ!!」
優「これで・・・これで俺は・・・」

〇病室
八千流「う・・・」
京華「八千流!!」
優「八千流、大丈夫か!?」
八千流「あ・・・おと」

〇水中

〇病室
八千流「!?」
優「や、八千流?」
八千流「さ、わる、な!!」
優「!?」
八千流「あ、ごめ」
八千流「ぐぅううう!!」
京華「八千流!!」
八千流「あ、あたま・・・が・・・」
優「せ、先生!!」
医師「どうしました?」
京華「頭が痛いって苦しみだして!」
医師「ふむ・・・」
医師「八千流ちゃん、少しチクッとするよ」
  お医者さんが私の腕を掴む
八千流「う・・・」
  痛みが徐々に治まって行く・・・
八千流「・・・」
医師「もう大丈夫そうだね」
京華「ありがとうございます」
医師「暫く様子を見て下さい」
医師「頭痛に関しては、明日もう一度精密検査をしてみましょう」
優「ありがとうございました」
京華「八千流、大丈夫?」
八千流「あ・・・ぅ・・・」
優「喋り辛いかい?」
優「どうも喉が炎症を起こしてるらしい」
優「その上、食道に傷があるんだって」
優「だから治るまでは無理に声を出さないようにね」
  私は無言で頷いた
  そう言えば気を失う前に何か叫んでた気がする
  吐血は激しく嘔吐したせいかな・・・
京華「学校からの連絡で早退したら、八千流が倒れてるんだもの」
京華「心臓が止まるかと思ったわ」
優「本当、目が覚めてホッとしたよ」
京華「とにかく治るまでは声を出さずに安静にする事」
京華「退屈だと思うけど、ガマンできる?」
  (コクリ)
  今の私にとっては正直有難い
  二人に対して笑顔で話しかけられる自信が無いからだ
  だって私の蘇った記憶が真実ならば

〇モヤモヤ
  母は前世の夫、優の不倫相手であり
  優は、前世の私を保険金目当てで殺しているのだ
  ひょっとしたら、二人は共謀してた可能性だって有る
  それが事実なら、私は・・・
  私は二人を・・・
  絶対許さない!!

〇病室
八千流「・・・」
  とは言え、全ては断片的な記憶でしかない
  一度は愛した元夫と、信頼した今の母だ
  復讐するにも確証が欲しい
  その為にも、今はまだ良好な親子関係が必要だろう
京華「幸い喉の傷は深くないって」
京華「精密検査の結果次第では数日で退院出来るみたい」
京華「治るまで頑張りましょうね」
  (コクリ)
優「治ったら美味しいもの食べような」

〇病室
  【美琴】
  それでね、快斗くんが課金しちゃってお母さんに怒られたんだって
  【快斗】
  父さんには小遣い内なら良いって言われたんだよ・・・
  【八千流】
  何やってんだか・・・
  入院中、私は毎日決まった時間に美琴達とLINEをしていた
  美琴はお見舞いに来たいと言ったのだが、来ても喋れないからと言ったら・・・
美琴「じゃあLINEなら良いよね!」
  と言う事で、学校が終わってから纏めてLINE出来る時間を作った
  【美琴】
  退院したら
  また遊ぼうね
  【八千流】
  うん!
  【快斗】
  入院中くらい、大人しくしてろよ
  【八千流】
  わかってるって
  そんな感じで1時間以上、スマホに付きっ切りになっていた
  そして二人とのLINEを終えると・・・
  私は急いでベットの中に潜り込む
京華「八千流~」
京華「あら?また寝てるの?」
八千流「・・・」
京華「良く寝るわね」
  私は退院まで、極力両親とコミュニケーションを取らないようにした
  気持ちのを整理したかったから
  まだ暫く、円満な家庭を演じる為に

〇総合病院
  結局、精密検査は問題無く、私は予定通りに退院
  しかし頭痛の原因がハッキリしない為、帰宅後も数日の自宅療養を命じられた

〇飾りの多い玄関
京華「お昼にはお祖母ちゃんが見に来てくれるからね」
八千流「うん」
京華「お薬もちゃんと飲む事」
八千流「は~い」
京華「じゃ、行ってきます」
八千流「さて、始めよう」
  私は真実を知りたい、瑠衣の身に何が起こったのか
  瑠衣が死に至った動機・経緯、そして優以外の関与があるのか・・・
  まずは家宅捜索だ
  今日は平日、私は自宅療養中
  昼までは家に私だけ、今こそチャンス

〇おしゃれなリビングダイニング
八千流「まずは確認」
八千流「二人の2ショットは事故の1年前から」
八千流「つまり、少なくとも1年は不倫してた可能性がある」
八千流「次は・・・」
  私は家族共有のPCを立ち上げ、某銀行のWebページを開いた
  確か入出金記録は、過去10年まで保存される
  瑠衣の事故直前まで残ってる筈だ
八千流「優のパスワード、変わってなければ良いけど・・・」
八千流「・・・良し」
  ログインした優の個人口座
  過去の履歴を遡ると、保険会社から8桁の入金がされていた
  時期は瑠衣の死後
  更に暫くして、不動産会社に多額の振り込み
八千流「やっぱりマイホーム資金は私の保険金かぁ」
  予想通りだけど、現実を知るとまた辛い
八千流「・・・」
八千流「凹んでる暇はない」
  まだわかった事は婚姻中の不貞
  そして私の保険金がマイホーム購入資金になっていた事
  それだけだ
  事故の真相を知るには、もっと本質的な事を調べなければ
  本当に優が瑠衣を殺したのか?とか
八千流「やっぱり事故死だったんじゃないか?とか」
八千流「・・・」
八千流「えぇい!情けない!」
八千流「目を逸らすな!アノ時、優が私を見殺しにした事は間違いないんだ!」
八千流「知りたいのはその先だ!真相だ!」
八千流「真相を・・・げほっ!ごほっ!」
八千流「はぁ・・・はぁ・・・」
八千流「・・・落ち着け・・・落ち着け」
八千流「・・・」
八千流「ふぅ」
八千流「しかし、当時の事なんてどうやって調べれば良いだろう?」
八千流「事故のWeb記事は見付からないし、図書館に行けば過去の地方紙でも見付かるだろうか?」
八千流「警察や保険会社に当時の話を聞いてみる?」
八千流「現状を見れば、瑠衣の死は事故と判断されてる」
八千流「しかし事件性を疑うくらいはすると思う」
八千流「でも今の私じゃ門前払いだろうなぁ・・・」
八千流「幼い自分が恨めしい」
八千流「「身体は子供、頭脳は大人」なんて、実際は不便な事の方が多い」
八千流「興信所も当然無理だし・・・」
八千流「むむむ・・・」
  途方に暮れた私は、何となく優の口座をスクロールしていた
八千流「アレ?」
  何だろう、何か違和感がある
八千流「・・・」
八千流「そうだ」
  家を買ってから、入出金が規則的過ぎる
  給料の振り込みと光熱費等の定期的な引き落とし、それだけだ
  優は現金主義だから、カード利用も極僅か
  そして私が知る限り夫婦共有の口座は無いし、定期はお母さんが管理してる
  なら優が趣味の釣りやワインに使ってるお金は、何所から出てる?
八千流「・・・」
八千流「・・・・・・気になる」
  瑠衣の事故に関係しているかは分からない
  わからないけど気になる
八千流「・・・」
八千流「探ってみるか」

〇おしゃれなリビングダイニング
八千流「ねぇ、お父さん」
優「何だい?」
八千流「お父さんのお小遣いっていくら?」
優「な、何だい藪から棒に・・・」
八千流「ネットで近頃のサラリーマンはお小遣いが厳しくて、色んなトコからお金借りてるって記事を見たの」
八千流「お父さんは大丈夫かなぁって」
優「ネットの話を鵜呑みにしちゃダメだよ」
優「お父さんは、ちゃんと会社から貰ったお給料で間に合ってます」
八千流「ホント?」
優「勿論」
優「家も余裕がある訳じゃないけど、多少の趣味に使うくらいのお小遣いはあるよ」
八千流「この前も新しい釣り竿買ってたモンね」
優「そうそう、それもちゃんとお給料から・・・」
優「って、何で知ってるの!?」
八千流「この前、コッソリ物置にしまってるトコ見たから」
優「や、八千流・・・その話は内緒に・・・」
京華「アナタ・・・」
優「き、京華・・・」
京華「決まった支払いと貯蓄さえして貰えれば、アナタのお金にどうこう言うつもりはないけど・・・」
京華「あまり散財する姿を子供に見せるのは、どうなのかしら?」
優「ご、ごめんなさい・・・」

〇女の子の一人部屋
八千流「あの竿は中古でも5万を下らない・・・」
八千流「その為に現金を引き出したり、カードを使った形跡はなかった・・・」
八千流「と言う事は、やっぱり個人口座以外にお金を持っている」
八千流「おそらく、お母さんも知らない場所に」
八千流「・・・」
八千流「それが分かった所で、だよなぁ」
八千流「妻にまで隠している物を、そう簡単に見付けられるとは思えない」
八千流「内緒で投資でもやってる?」
八千流「いや、瑠衣だった頃も優が投資に興味を持ってたなんて話は聞いた事ない」
八千流「やっぱり、気になる・・・」
八千流「う~ん・・・」
  何とか優を動向を知る事は出来ないだろうか
八千流「家庭の中じゃない、外に居る時の優を・・・」
  でも尾行なんて無理だし、他人に話を聞こうにも今の私は優の知人と殆ど接点がない
八千流「・・・」

〇工房の倉庫

〇女の子の一人部屋
八千流「痛っ!!」
八千流「また頭が・・・」
八千流「薬を・・・」
八千流「はぁ・・・はぁ・・・」
八千流「ふぅ」
八千流「て、今の人は・・・」
八千流「・・・」
八千流「そうだ、彼なら連絡先も居場所もわかる」
八千流「そして今の優と接点がある」
八千流「何より、私の様な子供の話も真剣に聞いてくれる」
八千流「そう、彼なら・・・」
八千流「瑠衣の弟、道哉(みちや)なら・・・」

次のエピソード:第三話

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