エピソード43(脚本)
〇牢屋の扉(鍵無し)
広川久怜愛「うう・・・」
ケイト「姉・・・さん?」
ニーナ「あれがケイトのお姉さん?」
クリス「・・・何が起きている」
広川久怜愛「ううう・・・」
ケイト「・・・なんで? ハンスが・・・久怜愛姉さんに?」
広川久怜愛「継・・・人・・・」
ケイト「!!」
ケイト「そうだよ! 僕は継人だよ!」
広川久怜愛「あああ・・・」
頭を抱える久怜愛。
ケイト「姉さん! 本当に・・・姉さんなんだね?」
広川久怜愛「・・・久怜愛・・・落ち着け」
ケイト「僕、この世界まで姉さんを迎えに来たんだよ! 一緒に帰ろう!」
広川久怜愛「ああああああ」
ケイト「姉さん!」
ローレン「おいおい。どうなってんだ?」
ハンス「弟の出現によって、奴の中の広川久怜愛の人格が急に呼び起こされたのだろう」
ローレン「広川久怜愛の人格?」
ハンス「ラルフ。説明している暇はない。 今のうちに」
ローレン「あ、ああ」
ローレンは皆の元へ行き、鎖を銃で外す。
ローレン「逃げるぞ。お前たち」
ニーナ「あいつ、どうなってるの?」
ハンス「奴の中には大勢の人格が入っている。 その人格たちが混乱をきたしているんだ」
ニーナ「?」
クリスがぐったりとしたケイトを背負う。
ケイト「なっ。何するんだよクリス」
クリス「この場所は分が悪い。出直そう」
ケイト「何言ってるんだよ。 やっと姉さんに会えたんじゃないか」
広川久怜愛「黙れ! 久怜愛!」
ハンス「はぁ・・・はぁ・・・」
ハンス「久怜愛を封じ込めたか」
ケイト「またあいつに!」
ローレン「行くぞ」
部屋を出る一同。
ケイトもクリスに背負われて部屋を出る。
ケイト「止めて! 放してよ!」
ハンス「逃がすか」
ローレンが手榴弾を投げ込む。
ハンス「!」
〇薄暗い廊下
ニーナ「危なかった」
ケイト「! 何やってんだよローレン!」
ローレン「何って時間稼ぎに決まってるだろ」
ケイト「姉さんに何てことを!」
ローレン「大丈夫。 あのくらいじゃあいつは死にはしないって」
ケイト「あいつじゃない。姉さんだ!」
ローレン「最後はまたあいつの姿に戻ってただろう?」
ケイト「そういう問題じゃない!」
ケイト「姉さんはきっとあいつに捕らえられてるんだ! 一刻も早く助けてあげないと」
ローレン「ここは危ない。 ここでやり合えばみんなを危険にさらすことになる」
ケイト「僕だけでいい。降ろして」
クリス「駄目だ。この地下を抜ける」
ケイト「なんでみんな僕の邪魔ばっかりするんだよ。力が。力さえ入れば・・・」
ハンス「君は継人君で間違いないな?」
ケイト「・・・だったら何だよ」
ハンス「奴は久怜愛であり、久怜愛ではない。 広川久怜愛の形をした化物だ」
ケイト「今まで散々悪いことしてきたくせに。 今更お前の言うことなんて信じられるか!」
ハンス「?」
ローレン「ケイト。ここにいるのは俺の親父だ。 今までのハンスとは別人だ」
ケイト「そんなの知らないよ! さっきのは間違いなく姉さんだった。 適当なこと言うな!」
ハンス「・・・・・・」
降りてきた穴が見える。
ハンス「さあ、早くあの穴から上に」
〇穴の開いた部屋
ニーナ「いいよみんな」
〇薄暗い廊下
クリスはローレンに肩車されており、その横ではハンスがぐったりしたケイトを手に抱えている。
ハンス「さあ、彼を」
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