インシュリンの女

下假 貴子

第一話…インシュリンの女(脚本)

インシュリンの女

下假 貴子

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インシュリンの女
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〇幻想2
西園寺 優「約束。君が二十歳になったら迎えに来るから」
山中 夏海「約束だよ・・・」
音無 春「──」

〇たこ焼き屋の店内
  あれから数十年。
       事件は起きた

〇SHIBUYA109
中浜アナウンサー「こちら現場です。 大事件です。病院から何者かがインシュリンを持ち出した模様。今、警察が必死に犯人を探しております」
中浜アナウンサー「以上。現場でした」

〇たこ焼き屋の店内
八百屋のおじちゃん「いやぁ、大変な事になったね。インシュリンってあれだろ 何だっけ。ほらっ」
ハル「糖尿病で血糖を下げる役割をするものですよ。死ぬ場合もありますからね」
八百屋のおじちゃん「そりゃ大変だよ。近くだろ」
ハル「本当にインシュリンだけかな。実に怪しい」
八百屋のおじちゃん「はっ、さすが看護師見習いだね。何か臭うんだな。実に面白い。 はっはっはっ、ガリレオだなまるで」

〇黒背景
山中 夏美「ここまでくれば大丈夫」
西園寺 優「はあはあ。 独川さん何したいんだ」
山中 夏美「私達が何したって言うの」
西園寺 優「ここも危ない。逃げるしかない」
魔女「そうはさせない」
山中 夏美「魔女じゃなかった。 独川」
西園寺 優「何する気だ」
魔女「ちょっとあんたらには恨みがあってね」
魔女「ふっっっふ」
魔女「──」

〇教室
中宮 薫「ねぇ、早く帰ろうよ」
山中 夏海「待って。 よいしょ」
山中 夏海「ねぇ、薫。 私が先に死んだらどうする?」
中宮 薫「何言ってるの?? 悲しいに決まってるじゃん」
山中 夏海「うん」
中宮 薫「小説書いて自分の世界広げるんでしょう? せかいへいわ──でしょう?」
中宮 薫「・・・」
山中 夏海「──」

〇テクスチャ3
魔女「覚悟しな」
山中 夏美「いたっ。 ぐうっ」
西園寺 優「大丈夫?」
音無 春「覚悟しろ」
西園寺 優「急に何を」
音無 春「・・・」

〇広い公園
山中 夏海「あはは。 遅くなっちゃったね」
中宮 薫「普通さ、こういう公園じゃなくて、もっとお洒落な公園行くよね」
山中 夏海「あはは」
中宮 薫「まあいいけど。 いっとくけど私、我儘でいってるんじゃないからね」
中宮 薫「まあいいけど」
山中 夏海「まあいいけどって言い過ぎ」
中宮 薫「早く小説書いて見せてよね」
中宮 薫「そしたらウチ、夏海を超える作品作るから」
山中 夏海「あはは、私を超える作品。初心者には無理だよ。私を超える何て・・・」
中宮 薫「言っとくけど小説じゃないから」
山中 夏海「分かった。待ってる」
中宮 薫「ウチが先だから── ウチのすること見てて」
山中 夏海「はいはい。 どうせ私と違って叶わぬ夢でしょう?」
中宮 薫「てんぐ、てんぐ、てんぐ〜。 見てろ。超えてやるから」
山中 夏海「うっ・・・」

〇公園のベンチ
  ・・・
人「ざわざわ。 何だこれ」
人「身体が動かない」
人「赤い」
人「あははは。笑う」
人「熱い」
山中 夏美「苦しいなに?」
西園寺 優「くるしい」
西園寺 優「皆も巻き込まれてる・・・」
山中 夏美「ううっ──」

〇一人部屋
  ──次の日──
西園寺 優「大丈夫?」
山中 夏美「昨日の今日だけど大丈夫。でも、周りも巻き込まれて」
西園寺 優「まさか伝染するなんてな」
山中 夏美「私と優君、みんなはそこにいただけだったのに」
西園寺 優「こんな大事になるなんてな」

〇公園のベンチ
中浜アナウンサー「こちら現場です。 ここで昨日、事件がおきました。 女ふたりが突然、乱入してきて、男女ふたりを攻撃した模様」
中浜アナウンサー「目撃した人がいます。 話しを聞きましょう」
中浜アナウンサー「・・・」
人「凄いびっくりしました。いきなり、。僕自身にも痛みが走りました」
人「普通に歩いてたらいきなり動けなくなりました」
中浜アナウンサー「なるほど。以上。現場でした」

〇たこ焼き屋の店内
八百屋のおじちゃん「いやぁ。大変だね。インシュリンだけじゃなく、筋肉注射も持っていたなんて」
ハル「筋肉注射も危ない。最悪な事件ですね」
八百屋のおじちゃん「犯人の顔知られてるのに捕まらないってどういう事だろうな」
八百屋のおじちゃん「かわいそうだね」

〇警察署の入口
前田警察官「どういう事です。犯人捕まえられないなんて」
中村警部「犯人はわかってる──」
しのはら警察官「じゃあどうして」
原警察官「捕まえられない。 たちがわるい」
中村警部「もうしばらくの辛抱だ」
前田警察官「そういう事ですか 分かりました」

〇黒背景
魔女「ウケるぜ 絶対、俺等捕まらないぞ 自信あるよ。あたし」
音無 春「煩い。 ごちゃごちゃ言ってんじゃないよ こっちの計画がバレていくだろ」
魔女「うふふ。 そうだな。おいででてくるんだよ」
女子高生「は──い。 みんなもでておいで」
女子高生2「ちょっと大丈夫かな? 今度は模倣犯するんでしょ」
女子高生「ほら、あんたも」
エセ女子高生3「ウチぃね~。 犯罪」
エセ女子高生3「し・た・い・の・お」
女子高生「うふふ。 決まり。ワタシラガ頭いい所せてやろう」
女子高生「うっ」
女「うざい」
女「しゃしゃりでてくるんじゃないよ わたしの言う通りにしてればいいんだよ ったく、どいつもこいつも」
女「じゃあ、よろしくね」
女子高生「あれ、何。リーダーだからってムカつく。先輩、何かいって下さいよぉ」
音無 春「最期に片付ければいいさ」
魔女「ウチが〆る」
女子高生「あははははははは あはは みてて、セカイかえるのは私達だから」
  アハハハハハハハハハハハハハハハハハ

〇警察署の入口
しのはら警察官「きた・・・」
原警察官「おやおやこれは・・」
前田警察官「ザコどもが──」
女子高生「ザコかどうか見せてあげる」
魔女「ウチの好み」
前田警察官「き、キモいです・・・」
音無 春「ってかさんにんじゃないんだな」
女子高生「でておいで・・・」
偽警官「ふふ、まだいますよ」
しのはら警察官「あなた、なにしてるの」
偽警官「うぜぇんだよ」
偽警官「ぐさり──」
しのはら警察官「っつ──」
原警察官「なっ!!」
警官2「お前の相手はコッチだよ」
原警察官「うっ!?」
原警察官「さっ──」
警官2「くそっ」
警察官「けいかんになったのは、お前達をゆだんさせるためだよ」
しのはら警察官「あれは、あの話しは本当だったのね」
警察官「いうな!!」
原警察官「俺が言う。 おんなたちができそこないだから、あっちのほうの。こっちの女は美味しいのにってね」
女子高生2「エッチが下手なだけでさ・・・ぷん。怒っちゃうから」
しのはら警察官「ただ言われただけでしょう!?」
警察官「いわれた方の身にもなれって事よ」
原警察官「それだけでな。かわいい女だ」
魔女「かくご──」
原警察官「はっ── ブスは嫌い何でね」
魔女「あ──」
音無 春「さいごのしまつだよ」
しのはら警察官「やるわね」
  バンッ。ドン!
前田警察官「とぅ。やあ」
前田警察官「ばん、たあ」
女子高生「あははっ。 わたしヘマしちゃった」
女子高生「じゃあね」
女「シネ」
女子高生「うっ」
女「いいざま」
女「タッタッタッ」
しのはら警察官「犯人確保」
前田警察官「し、しんでる」

〇警察署の入口
中浜アナウンサー「悲しい事件が起きました。 女子高生が警察署前で何者かにさされ亡くなりました」

〇テレビスタジオ
ニュースキャスター「犯人はまだ捕まっておらず。 また現場では複数の女性が警官に暴行を叩いた模様。 また公園での出来事は只、夢を壊したかった」
ニュースキャスター「それだけだったようです。尚、使った凶器は公園で使った注射器同様、同じ注射器複数。 以上、報道ニュースでした」

〇黒背景
山中 夏美「もう嫌だよ。これ以上。何も起きないで欲しい」
西園寺 優「──」

〇SHIBUYA109
山中 夏海「こっち、こっち」
中宮 薫「これで、大丈夫だよね」
山中 夏海「さっきから何独り言言ってるの」
中宮 薫「ちょっとね。しっぺ返し」
中宮 薫「ふふふっ。 ねぇ、夏美、ウチが死んでもうちの事忘れないでね」
山中 夏海「なにいってるの〜。 死なないよ」

〇黒背景
中宮 薫「う〜ん・・・」

〇手
中宮 薫「くっ──」
中宮 薫「ここまでか・・・」

〇葬儀場
八百屋のおじちゃん「・・・」
山中 夏美「ううっ」
八百屋のおじちゃん「なんだい、泣いて」
山中 夏美「泣いてないですよ」
八百屋のおじちゃん「死んじゃったもんは仕方ないよ。だけど薫が自殺するなんてな信じられないよ」
山中 夏美「おじちゃんは娘が死んで平気なの」
八百屋のおじちゃん「へいきじゃないよ。 けど何か理由があるんだ。自殺するわけない」
山中 夏美「わたし、犯人みつけます」
八百屋のおじちゃん「頼もしいねぇ。 期待してるよ」
山中 夏美「はい──」
八百屋のおじちゃん「薫どうしたらいいかね」
八百屋のおじちゃん「すんっ・・・ しんどいな、正直。帰ってきてくれ。お願いだ。 息苦しいよ」

〇綺麗な図書館
  ハタチのある日
山中 夏美「う〜ん。何か手がかりになりそうなものは・・・」
西園寺 優「──」
山中 夏美「あっ──」
西園寺 優「──」

〇たこ焼き屋の店内
西園寺 優「なるほど」
山中 夏美「どうしたらいいか分からなくて」
人「くるっ」
ハル「こんにちは。話聞かせて貰いました」
ハル「私に任せて貰えません」

〇警察署の入口
中浜アナウンサー「犯人逮捕。犯人逮捕です」
中浜アナウンサー「ざっと40人はいます。 7人を殺そうとした犯人達。どうやらひとりは自殺に追い込み殺したよう。これは立派な計画殺人ですよ」
  ──
中浜アナウンサー「たった入った今の情報です。 犯人40人釈放、今からテレビ裁判始まりますテレビ裁判です」

〇広い公園
山中 夏美「これからが本当の戦いだよ。敵と味方に真っ二つにわれるよ」
山中 夏美「私は裁判の裁判するつもりだよ」
西園寺 優「それってつまり」
山中 夏美「捕まえるよ。みてて薫」

〇警察署の入口
ハル「お早うございます 今日からこちらに配属になった春田ハルといいます」
ハル「宜しくお願いします」

〇たこ焼き屋の店内
八百屋のおじちゃん「まさかハルちゃんが警官とはね」
ハル「はい」
山中 夏美「判決でました」
八百屋のおじちゃん「・・・」
八百屋のおじちゃん「──」
八百屋のおじちゃん「”」
八百屋のおじちゃん「!!」

〇幻想2
  そして私の作品は大ヒットした。今でも可愛がられてる
  それから
  薫は皆を助けてた。うまくいえないケド全身全霊の命をかけて人々を助けてた。上手くいえないけど薫は最強だ
山中 夏海「いつか見てて薫の作る作品超えるから」
リリータイムレス「天下の台所のリリータイムレスは許しません。おしゃぶりする所からやり直しなさい」
  だってこの1枚のCDを残し沢山のヒット曲を産んだんだから
  どうやら賭けは薫の勝ちのようだ

〇西洋の城
  10年後。薫が亡くなって大事に大事に書いていた美女と野獣2書かせてもらい世界中所かあの宮崎駿を抜く位の作品になった。
ベル「あなたを助けたい。今度こそ」
オル「またね・・・時間が来た。さよなら」
ベル「またね・・・」
  そして私は薬剤師兼原作者になった。パートだけどね。
山中 夏美「よし、今度は生まれ変わりについて頑張るぞ。薫待っててね」
  fin.

次のエピソード:第二話…ハーレイクインなマゾヒスト達〜前編〜

コメント

  • 復讐にインスリンを利用するとは斬新なスタイルですね。特にサングラスをかけた女性の不気味さが個人的にツボでした。どんな注射でもやっぱりいやです!

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