華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

第九話:ミート・マウンテン(後編)(脚本)

華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

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〇怪しげな祭祀場
イン「ヤン、姫を見なかったか」
ヤン「いや?いないのか」
イン「山から戻って来た時から姿が見えないのだ」
ヤン「モンスターと一緒に戦闘に参加しているんじゃないのか」
イン「それにしても遅すぎる」
イン「もしかしてやられてしまったのでは?」
ヤン「は、あのしぶとい姫に限ってそれはないだろ」
イン「ヤン」
ヤン「・・・わかったよ 行けばいいんだろう行けば」
イン「そうだ」
ヤン「本当に甘やかしてるなお前は 戦闘後に街へ行って遊んでいるだけかもしれんじゃないか」
イン「それならそれで構わない 確認したいだけだ」
ヤン「やれやれ・・・」

〇山の展望台(鍵無し)
ヤン「誰もいないじゃないか 戦闘も終わってるな この分じゃモンスター共はやられてしまったようだが」
イン「・・・・・・」
イン「あっ」
ヤン「どうした?」
イン「ヤン、ここを見てください」
ヤン「ただの崖崩れじゃないのか?」
イン「周囲に靴跡があります この大きさは姫のものかと」
ヤン「まさか・・・」
イン「ここから落ちた・・・?」
イン「姫ぇーっ!!」
  姫ぇーっ!!
  ・・・姫ぇーっ!!
  ・・・・・・姫ぇーっ!!
  ・・・・・・・・・ひめぇーっ
  タケルたちが
  あらわれた!
赤根武瑠(タケル)「あっお前たちは!」
イン「サイエンジャー・・・!」
櫻井華(ハナ)「インとヤン・・・!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「どうした、誰かいたのか?」
櫻井華(ハナ)「叔父様、下がって!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「おっ」
碧川瑛士(エイジ)「幹部がいる オレの後ろにいて」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ああ・・・ありがとう」
ヤン「もう戦闘は終わっているようだが? 何しに来た」
碧川瑛士(エイジ)「アンタたちこそ、さっさと逃げたんじゃなかったのか」
ヤン「逃げたとは無礼な」
イン「見たところ一人足りないようですが?」
碧川瑛士(エイジ)「アンタたちに関係は・・・」
赤根武瑠(タケル)「崖から落ちちゃったんだ レジーナと一緒に」
碧川瑛士(エイジ)「おいおい」
ヤン「姫と一緒に?」
イン「崖から落ちた!?どういうことですか!!」
ヤン「イン・・・」

〇洞窟の深部
レジーナ「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「傷の様子はどうだ」
レジーナ「痛いのは変わらないけど・・・なにその枝は?」
倉石 龍太(リュウタ)「日が暮れてきたからな」
レジーナ「わぁ」
倉石 龍太(リュウタ)「どうだ」

〇山の展望台(鍵無し)
イン「なんてことだ・・・ あの一瞬、私が目を離さなければ」
櫻井華(ハナ)「無事ならいいんだけど」
ヤン「ワープできる姫が帰ってこないところを見ると、 何かワープできない事情があると考えるしかないな」
ヤン「ケガしたか もしくは・・・」
イン「もしくは!? もしくは何だと言うのですか、ヤン!」
赤根武瑠(タケル)「お、落ち着いてくださいよ」
イン「これが落ち着いていられますか!」
赤根武瑠(タケル)「ひぃ、怖い」
碧川瑛士(エイジ)「ワープできるんだったら、 そのままレジーナのいるところまで行けるんじゃないのか?」
ヤン「我々のワープはあくまで移動手段だ 目的地が決まっていないと飛ぶことは 不可能だな」
碧川瑛士(エイジ)「そうか・・・」
イン「そちらはどうなのですか 我々がエネルギーを収集している場所にいつも現れる 何かを感知しているのでは?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「まぁそうなんだけどね 君たちが悪事を働いた時とか、あくまで危険が迫っている状態じゃないと反応しないんだよ」
葉隠拓郎(ハガクレ)「自分たちの意思で何かできるものじゃないんだ」
イン「そうですか・・・」
赤根武瑠(タケル)「でも、なんとかして二人を見つける方法を探さないと 完全に日が暮れたら大変ですよ!」
碧川瑛士(エイジ)「そうだな 昼でも涼しいってことは、夜は結構冷えるぞ」
櫻井華(ハナ)「急がなきゃ・・・」
ヤン「方法を一つ、思いついたぞ」
赤根武瑠(タケル)「えっ」
ヤン「いけ」
赤根武瑠(タケル)「な、何をするんです」
ヤン「あのモンスターは生き物の血に反応して襲い掛かる」
ヤン「ブラックか姫か、 どちらかがケガをしているならばその血の匂いに引き寄せられるだろう」
イン「そのモンスターを追って行けばいいということですか」
ヤン「そういうこと そちらのナニかが危険に反応すれば すぐに飛べるのだろう?」
櫻井華(ハナ)「待って じゃああのモンスターに見つかったら 襲われちゃうんじゃないの?」
ヤン「そうだな」
赤根武瑠(タケル)「そうだなって・・・ レジーナが襲われるかもしれないんですよ!?」
ヤン「まぁその時はその時だ」
赤根武瑠(タケル)「そんな・・・!」
ヤン「じゃあ他に方法はあるか? この広い森に落ちた人間を 今すぐ見つける方法が」
碧川瑛士(エイジ)「イン アンタもこんな乱暴な方法でいいのか」
イン「・・・姫がケガをしていないことを祈るしかないですね」
碧川瑛士(エイジ)「・・・!」
赤根武瑠(タケル)「・・・ブラック、レジーナ・・・」

〇霧の立ち込める森

〇洞窟の深部
レジーナ「暖かいのね」
倉石 龍太(リュウタ)「そうだな」
レジーナ「・・・ブラック」
倉石 龍太(リュウタ)「ん?」
レジーナ「今の姿が、あなたの正体なのよね」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・ああ」
レジーナ「名前、教えて」
倉石 龍太(リュウタ)「え?」
レジーナ「か、勘違いしないで 深い意味は無いから」
レジーナ「あ、でも別に名前知ったからって それで寝首を掻くとか そういう卑怯なことをしようと 思っているわけでもなくて・・・」
レジーナ「その・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「倉石龍太 それが名前だ」
レジーナ「クライシ、リュウタ」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
レジーナ「・・・・・・」
レジーナ「・・・あっ」
倉石 龍太(リュウタ)「?」
倉石 龍太(リュウタ)「!!」
倉石 龍太(リュウタ)「モンスター!?」
倉石 龍太(リュウタ)「アンタが召喚したのか?」
レジーナ「し、してない そんな力残ってないわ」
倉石 龍太(リュウタ)「じゃあ」
レジーナ「こいつ・・・私たちを食おうとしている」
倉石 龍太(リュウタ)「なに!?」
倉石 龍太(リュウタ)「レジーナ、下がっていろ」
レジーナ「リュウタ」
倉石 龍太(リュウタ)「うっ」
レジーナ「リュウタ、傷が痛むのか」
倉石 龍太(リュウタ)「これくらい、どうってことは・・・」
レジーナ「!!」
倉石 龍太(リュウタ)「心配するな、俺が護ってやる」
レジーナ「リュウタ・・・」
レジーナ「リュウタ、返す」
倉石 龍太(リュウタ)「!!」
  リュウタと
  レジーナは
  うなずいた
倉石 龍太(リュウタ)「チェンジ!!」

〇月夜
倉石 龍太(リュウタ)「重き忍耐の戦士 マグノリアブラック! 参上!!」

〇洞窟の深部
倉石 龍太(リュウタ)「うわっ!」
レジーナ「リュウタ!」
倉石 龍太(リュウタ)「近付くな、離れてろ!」
レジーナ「・・・・・・!!」
倉石 龍太(リュウタ)「そう簡単にはやられん」
レジーナ「リュウタ・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・!!」
???「レッドファイヤーアタック!」
サメモンスター「!!」
倉石 龍太(リュウタ)「!?」
赤根武瑠(タケル)「どうだ!目には目をってやつだな!」
倉石 龍太(リュウタ)「赤根・・・!」
赤根武瑠(タケル)「無事ですか、ブラック!」
レジーナ「あ・・・」
櫻井華(ハナ)「レジーナ、大丈夫?」
レジーナ「え、あの」
赤根武瑠(タケル)「エイジさん、先にこいつやっつけましょう!」
碧川瑛士(エイジ)「まかせろ」
「はぁぁぁっ!」
櫻井華(ハナ)「ブラックもこっちへ!」
倉石 龍太(リュウタ)「あ、ああ」

〇洞窟の入口(看板無し)
イン「姫!生きていらしたのですね!」
レジーナ「イン、ヤン・・・二人も来てたの」
ヤン「当然だ あのモンスターはわたしが放ったものだからな」
レジーナ「でしょうね あんなことするのはヤンだと思ったわよ」
ヤン「見つかったんだから結果オーライだろ」
レジーナ「・・・」
イン「姫、お怪我は・・・」
イン「あぁ! その布、まさかその下は 大怪我なのですか!」
レジーナ「たいしたことない」
イン「ブラック、あなたが手当を?」
倉石 龍太(リュウタ)「応急的なものだがな」
イン「・・・今日のところは礼を言っておきます」
倉石 龍太(リュウタ)「いや、見つけてもらえたのは アンタたちのおかげだからな、 お互い様だ」
イン「・・・」
碧川瑛士(エイジ)「掃除完了」
赤根武瑠(タケル)「ブラックもレジーナも大丈夫ですか」
倉石 龍太(リュウタ)「ああ お前が助けてくれたおかげで助かった ありがとうな」
赤根武瑠(タケル)「へへ、よかった」
ヤン「これで一件落着だな 我々はこれで失礼する」
赤根武瑠(タケル)「協力してくれてありがとう」
ヤン「ふん、次に戦う時は本気で命を狙うからな」
赤根武瑠(タケル)「うん」
イン「失礼します、皆さん 行きますよ、姫」
レジーナ「う、うん」
レジーナ「・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・」
  レジーナ
  インとヤンが
  かえっていった
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
碧川瑛士(エイジ)「俺達も戻ろう ハガクレさんが心配してる」
櫻井華(ハナ)「そうね」
倉石 龍太(リュウタ)「ああ」

〇怪しげな祭祀場
イン「傷は深いようですが・・・ 応急処置が正しかったようですね これなら化膿することもなさそうです」
レジーナ「そう、良かった」
ヤン「姫、落ちてからはずっとブラックと一緒にいたのか」
レジーナ「眠っていたからよくわからないけど、 おそらくそうだと思うわ」
ヤン「奴もケガをしていたようだが、 変身は解けていないのか」
レジーナ「どういう意味?」
ヤン「奴の正体は見ていないのかときいている」
イン「ああ、なるほど どうなのですか、姫?」
レジーナ「・・・・・・」
レジーナ「さあ、見てないわ」

〇研究所の中
葉隠拓郎(ハガクレ)「倉石くん!」
こいぬ「わん!」
倉石 龍太(リュウタ)「うわっ!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「見つかって良かった、生きていてよかったねぇ!」
こいぬ「わんわんわんわんわんわん!」
倉石龍太(リュウタ)「お、重い・・・!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ああ、ごめんごめん、つい嬉しくて」
倉石 龍太(リュウタ)「まったく」
赤根武瑠(タケル)「俺もまったく同じ気持ちですよ! 無事でよかったです、倉石さん」
櫻井華(ハナ)「私も嬉しいわ」
碧川瑛士(エイジ)「右に同じ」
倉石 龍太(リュウタ)「皆、すまなかったな・・・ ちょっとドジってしまった もうあんな無茶はしない 誓うよ」
碧川瑛士(エイジ)「そうだよ タケルもハナちゃんも ビービー泣いて大変だったんだから 残される方のことも考えてね」
赤根武瑠(タケル)「え、エイジさん!」
櫻井華(ハナ)「ビービー泣いてなんてないわよ!」
碧川瑛士(エイジ)「泣いてたじゃん」
櫻井華(ハナ)「泣いてないっ」
倉石 龍太(リュウタ)「ははは、二人とも、 心配してくれてありがとう」
赤根武瑠(タケル)「う・・・はい」
葉隠拓郎(ハガクレ)「時に・・・倉石くん レジーナとずっと一緒にいたんだろ?」
倉石 龍太(リュウタ)「はい 彼女がケガをしていたので」
葉隠拓郎(ハガクレ)「何か、彼らの組織のてがかりになるようなことはなかったかい?」
碧川瑛士(エイジ)「・・・・・・」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「いや、なにも ただ・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ただ?」

〇赤いバラ
倉石龍太(リュウタ)「彼女は、ただの女の子だったよ」

次のエピソード:第十話:アイム・ホーム(前編)

コメント

  • 待って待って待って、ブラックの最後の一言に心臓射抜かれたんですけど!
    ヤンは横暴な方法取るなぁとか、レジーナ可愛いなぁとか、色々思ってたの全部持ってかれたんですけど!
    ふぉぉぉぉ!?
    (こんなコメントですみません、本心です笑)

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