私は切り裂きジャック?

くまりす

疑惑(脚本)

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〇タクシーの後部座席
白石美沙(しらいしみさ)「ナナ、会川さんが犯人ってどういう事?」
奈々子(ナナ)「私ね、見たの」
白石美沙(しらいしみさ)「見たって何を?」
奈々子(ナナ)「昨日会川さんがナイフを捨てに行ったでしょ?」
白石美沙(しらいしみさ)「ええ・・・」
奈々子(ナナ)「何かいつもと様子が違うなって思って、後をつけたのよ! そしたら、美沙が渡したやつと違うナイフを捨てていて・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「そんな・・・うそよ」
奈々子(ナナ)「私だって嘘だと思いたいよ でも、あの医者の血痕だって証明されて・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「だって! 犯人は女性じゃないの?」
奈々子(ナナ)「それは、 譲がそういっただけじゃない・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「でも・・・ だったら犯行動機は?」
奈々子(ナナ)「動機なんて私にわかるわけないわ それに探偵の仕事って言っても実際何もしてなかったわけだし アリバイなんてないわよきっと」
白石美沙(しらいしみさ)「でも、そんな人には見えなかったわ もしかしたら、誰かに頼まれて・・・」
奈々子(ナナ)「その可能性もあるかもしれないけれど、何かしらは事件に絡んでるのは間違いないのよ!」
奈々子(ナナ)「どうしたの美沙、やけに貴教をかばうのね! 実は、貴教をちょっといいなって思ってた?」
白石美沙(しらいしみさ)「そんな! 私は、相談に乗ってもらったり、かくまってもらったりして・・・」
奈々子(ナナ)「だから、それがそもそも貴教の罠だ立ってワケ 美沙の話を聞いて、使えるって思ったんじゃない?」
奈々子(ナナ)「このまま貴教の家に居たら、美沙が犯人にされちゃうわよ!」
白石美沙(しらいしみさ)「そんな だって昨日あんなに親身になって・・・」
白石美沙(しらいしみさ)(そういえば、会川さん、以前から私の事知っているって・・・ もしかして殺害現場で私を目撃して?)
奈々子(ナナ)「美沙ごめんね」
白石美沙(しらいしみさ)「えっ?」
奈々子(ナナ)「一晩、あんな奴と一緒にさせて・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「ううん」
奈々子(ナナ)「朝早く起きて、貴教が出ていくのを確認してからが一番うまく美沙を連れ出せると思って・・・ でも、これで安心ね!」
白石美沙(しらいしみさ)「安心?」
奈々子(ナナ)「だって美沙の容疑晴れたんだよ」
白石美沙(しらいしみさ)(確かに会川さんが犯人なら、私はもう、夢の事を心配しなくても良くなる・・・ でも、何か釈然としない!)
奈々子(ナナ)「後は、会川さんが犯人だってこと証明すればいいだけ!」
白石美沙(しらいしみさ)「そんなことどうやって証明するの?」
奈々子(ナナ)「私、警察に言って昨日見たこと話そうと思うの」
白石美沙(しらいしみさ)「目撃情報って事?」
奈々子(ナナ)「そう、だったら少なくとも任意同行で引っ張られるわ そこでボロが出れば・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「そうね・・・」
奈々子(ナナ)「砂久、 あと、どれくらいかしら?」
砂久「もう少しで、ナナ様の別荘に到着します」
白石美沙(しらいしみさ)「し、執事って・・・ て言うか、 別荘?? ナナの家、別荘なんて持ってるんだ!」
奈々子(ナナ)「ふふ。驚いた?」
白石美沙(しらいしみさ)「そりゃ驚くわよ」
奈々子(ナナ)「とにかく・・・ あの絵と犯人は無関係だって分かるまでは身を隠さなきゃ」
白石美沙(しらいしみさ)「うん、ごめんね迷惑ばかりかけて」
奈々子(ナナ)「それは言わない約束よ」
砂久「ナナ様、美沙様 別荘に着きましたよ!」

〇立派な洋館
白石美沙(しらいしみさ)「えっ、凄いお屋敷!」
奈々子(ナナ)「ふふ 家族もあまりここには来ないの 今は砂久一人で管理しているから、今日のお客様は美沙一人! 貸し切りよ」
白石美沙(しらいしみさ)「わぁ凄い!」
砂久「美沙様、お荷物はお部屋に持っていきますのでとりあえず応接室へどうぞ」
白石美沙(しらいしみさ)「えっ、ええ」

〇貴族の応接間
白石美沙(しらいしみさ)「うわ~凄い!」
奈々子(ナナ)「美沙ったら凄いばっかり」
白石美沙(しらいしみさ)「だって、凄いんだもん」
奈々子(ナナ)「あっ、わたしちょっとトイレに行ってくるね」
白石美沙(しらいしみさ)「あっ、うん」
白石美沙(しらいしみさ)「あれ? こんなところに写真が・・・ ナナの子供の頃かな」

〇立派な洋館
  面影ある、可愛い・・・

〇貴族の応接間
白石美沙(しらいしみさ)「でも・・・」
砂久「お待たせしました美沙様 紅茶です ごゆっくりくつろいでください」
白石美沙(しらいしみさ)「あの・・・ 砂久さん」
砂久「はい、何でしょう?」
白石美沙(しらいしみさ)「この写真の子供、ナナだよね」
砂久「ええ さようでございます」
  そこには、ナナが二人いた・・・

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