過去(脚本)
〇立派な洋館
その写真には同じ顔が二人映っていた・・・
〇貴族の応接間
白石美沙(しらいしみさ)(この二人の女の子 同じ顔なのに雰囲気が全く違う それに、赤い服を着た女の子は夢で何度も見た女の子だわ・・・)
砂久「ええ、菜々美様と奈々子様でいらっしゃいます」
白石美沙(しらいしみさ)「全く同じ顔だわ」
砂久「ええ、お二方は一卵性双生児なのです。 家族でも全く見分けがつかなくて困っていたぐらいで・・・」
奈々子(ナナ)「砂久 そこから先は私が話すわ」
砂久「では、 私はその間にお夕食の用意を」
奈々子(ナナ)「ええ、お願いね」
奈々子(ナナ)「ごめんね、美沙、別に隠してたわけじゃないの! 言いそびれたというか、あまり思い出したくなくて・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「ナナ?」
奈々子(ナナ)「そう、 私は双子だった」
白石美沙(しらいしみさ)「だった?」
奈々子(ナナ)「この写真に写っているもう一人の女の子は菜々美というの」
白石美沙(しらいしみさ)「じゃあ、この青い服着ている子が奈々子で、赤い服の子が菜々美さんね」
奈々子(ナナ)「えっ」
白石美沙(しらいしみさ)「だって、ナナいつもニコニコしてるもん すぐにわかっちゃった」
奈々子(ナナ)「・・・ええ、そうよ でも、この写真を撮ったしばらく後だったわ! 菜々美が庭の池に落ちてしまって・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「そんな・・・」
奈々子(ナナ)「そう、帰らぬ人となったの」
白石美沙(しらいしみさ)「ナナ、ごめん嫌な事思い出させちゃって」
奈々子(ナナ)「ううん、 いつか美沙に言うつもりだったから それに、菜々美はずっと私の心の中で生き続けているわ」
白石美沙(しらいしみさ)「前向きなナナらしい! 私も見習わなくちゃ」
奈々子(ナナ)「ふふ、そうよ美沙! あともうちょっとの辛抱だよ」
白石美沙(しらいしみさ)「うん」
砂久「お待たせいたしました お夕食をお持ちいたしました」
奈々子(ナナ)「ありがとう」
白石美沙(しらいしみさ)「ありがとうございます砂久さん」
砂久「いいえ、何分一人で作りましたのでたいしたものではございませんが・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「えっ、凄い豪華じゃない!!」
奈々子(ナナ)「ふふふ」
奈々子(ナナ)「美沙、 私はこれから帰って警察に行く用意をするわ」
白石美沙(しらいしみさ)「えっ?今から?明日にすれば」
奈々子(ナナ)「こういうのは早い方がいいの!」
白石美沙(しらいしみさ)「ナナ・・・」
奈々子(ナナ)「ふふ、じゃあ夕食楽しんでね」
白石美沙(しらいしみさ)「ありがとう、ナナ」
砂久「さあ、お料理が冷めないうちにお召し上がりください」
白石美沙(しらいしみさ)「ええ、いただきます」
白石美沙(しらいしみさ)「う~ん美味しい! このビーフシチュー肉がトロトロだわ」
砂久「ありがとうございます」
白石美沙(しらいしみさ)「短時間でこんな美味しいビーフシチューが作れるの、すごいのね砂久さん」
砂久「いや、申し訳ありません! 実は・・・そのシチューは昨日の残りを温めただけでございまして」
白石美沙(しらいしみさ)「そうなんですね。でも、こういうのは2日目が美味しいていいますものね」
砂久「美沙様はおやさしいですね」
白石美沙(しらいしみさ)「本当の事だもの ああ、お腹いっぱい! とても美味しかったわ」
砂久「それはようございました それではお部屋へご案内いたします こちらへ」
白石美沙(しらいしみさ)「ありがとう」
〇城の客室
白石美沙(しらいしみさ)(ふぅ~食べ過ぎた よく考えたら昨日今日とろくに食べてなかったんだわ ビーフシチューほんとに美味しかった)
白石美沙(しらいしみさ)(砂久さんってマメなのね 私だったら自分の分だけなら、適当に作っちゃう! やっぱ毎日料理の研究しているのかしら?)
白石美沙(しらいしみさ)「・・・」
〇立派な洋館
赤いドレスの女の子「こんにちは」
赤いドレスの女の子「こんにちは」
会川貴教「こんにちは」
〇立派な洋館
赤いドレスの女の子「・・・」
赤いドレスの女の子「お姉ちゃん? 何処へ行ったの・・・」
〇城の客室
白石美沙(しらいしみさ)「はっ!」
白石美沙(しらいしみさ)(いつの間にか寝ていたわ・・・)
白石美沙(しらいしみさ)(あっ、譲から・・・)
美沙?
やっとつながった
白石美沙(しらいしみさ)「ごめん譲、ちょっとスマホ鞄の中に入れっぱなしで・・・ 今、ナナの別荘なの!」
ナナの別荘!?
白石美沙(しらいしみさ)「うんナナお嬢様だったみたい」
そ、そうか・・・
まぁいつもナナと一緒だから今日もそうかなと思ってはいたんだけどね
白石美沙(しらいしみさ)「いつも? 学校以外ではそんなにナナと会わないわよ」
ん?よく夜一緒にいるところを見かけるよ
白石美沙(しらいしみさ)「夜?」
言ってなかったっけ?俺、夜マラソンしててね
白石美沙(しらいしみさ)「譲、連続殺人事件が起きてるのに夜出歩くの危ないわよ」
ああ、心配してくれてありがとう。
いやでも連続殺人事件が起きる大分前からだよ!
それでほら、美沙たちをよく見かけたんだ
白石美沙(しらいしみさ)「まさか・・・ いつから?」
う~ん結構前からだよ。
最初は美沙、一人だったから危ないなって思ってこっそり見守ってたんだけど・・・
その内ナナといることろ見かけてからはからはずっと二人一緒だったから
白石美沙(しらいしみさ)「・・・前言ってた医者が殺された夜も一緒だった?」
うん、そうだよ
白石美沙(しらいしみさ)「・・・もしかして中島君が殺された夜も・・・」
あぁ、そうだよ
で、その場所ってどこ?
白石美沙(しらいしみさ)「あ、うん・・・ それが、よく分からないの砂久さんに聞いてくるから待ってて」
砂久さん?
白石美沙(しらいしみさ)「あぁ・・・砂久さんは執事なの」
まじかよ
白石美沙(しらいしみさ)「じゃあ、またあとで」
ああ・・・
白石美沙(しらいしみさ)(さっきの電話の話が本当なら・・・ まるでナナが・・・)
白石美沙(しらいしみさ)「やっぱりちゃんと譲と話しなきゃ!とりあえず砂久さんはどこに・・・」
〇貴族の応接間
白石美沙(しらいしみさ)(うーん砂久さんいないな)
〇洋館の階段
白石美沙(しらいしみさ)「人影? 気のせいかな・・・ だって私以外に泊っている人いないはずだし」
白石美沙(しらいしみさ)「わっ、びっくりしたもう12時かぁ」
白石美沙(しらいしみさ)(ん?あっちの方から何か物音が聞こえてくる)
〇英国風の部屋
砂久「・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「す、砂久さん あの・・・」
砂久「これは、美沙様 こんな時間にどうされましたか?」
白石美沙(しらいしみさ)「砂久さん、何をして・・・ ・・・血?」
白石美沙(しらいしみさ)「ひっ!」
砂久「お顔色が悪いですよ・・・」
白石美沙(しらいしみさ)「こ、こないで!」