パンイチ冒険者ケンイチ

紅月桜

第九話 カバディカバディカバディ!(脚本)

パンイチ冒険者ケンイチ

紅月桜

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〇闘技場
ニュクス「二人とも手を出さないでくれ」
ヴォロディームィル「あ? 独り占めすんじゃねぇよ」
ニュクス「聖剣の試し斬りをしたい」
組長「一気に押し潰せ! 詠唱の隙を与えるな!」
ニュクス「――【加速】【身体強化】【聖属性付与】 【加護】【三重結界】【昇華】【止揚】」
ヒーラー「あの人数と斬り合いながら高速並行詠唱!? そんなスキルあるの!?」
ヒカリン(リアルのカバディで鍛えたニュクス君の プレイヤースキルや)
組長「うろたえるな。 皆に問う、私は誰だ?」
幹部B「レーティング一位!」
幹部A「最初のSランク冒険者!」
ヒーラー「英雄!」
幹部B「頂点!」
幹部A「最強!」
組長「そう、私が最強だ」
ヒカリン(ユニークスキル【英雄】・・・ 声援をバフに変換して 味方の数だけ重ねがけするチート技や)
組長「見せてやろう、頂点を!!」
ニュクス「――聖剣、解放」
ニュクス「ニュクス・カリバー!!」
ケンイチ(ネーミングがダサい!)

〇野球のグラウンド
  第九話 カバディカバディカバディ!
十七夜月シン「カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ!」
「カバディ・・・カバ・・・ はぁっ、はぁっ!」
十七夜月シン「どうした! そんなんじゃ大会で勝てないぞ!」
男子A「うるせぇ! これが限界だって!」
十七夜月シン「肺活量が足りない 大会までに重点的に鍛えよう」
男子A「・・・やめる」
十七夜月シン「何だって?」
男子A「やめるって言ったんだよ チームを抜ける」
男子B「俺も」
男子C「こんなんやってらんねぇよ」
十七夜月シン「何言ってるんだ! 練習すればもっと強くなれる! 全国制覇だってできるさ!」
男子A「全国制覇ぁ?」
男子C「あーあ、天才とは住む世界が違うわ」
男子B「すごいなぁ、才能あるって」
男子A「もう俺達に足引っ張られることもねぇし お互いせいせいするだろ?」
十七夜月シン「待ってくれ! みんなだって練習すればもっと」
男子A「おまえさぁ 自分がどんだけ化け物かわかってねぇの?」
男子C「ついてけねぇよ」
男子A「せいぜいがんばって 優勝でも何でもしてくれよ じゃあな!」

〇野球のグラウンド
十七夜月シン「どうして・・・」
十七夜月シン「どうしてこうなるんだ」
十七夜月シン「僕が間違っていたのか・・・?」
十七夜月シン「・・・違う」
十七夜月シン「周りのレベルが低すぎるんだ」
十七夜月シン「僕と同じレベルで戦える、 真の仲間さえいれば 必ずトップになれる」

〇闘技場
ケンイチ「な、何が起きたんだ・・・?」
ケンイチ「闘技場が崩れる!?」
ケンイチ「とにかくここから離れよう!」
ヴォロディームィル「ハハッ! こりゃすげぇ! 聖剣の一振りでミンチだぜ」
ヒカリン「聖騎士ニュクス君の大虐殺! 最強派閥崩壊! 今夜の配信は伸びるでー」
ニュクス「取り決めの再確認だ」
ニュクス「最下層に眠る邪神の黄金、 これをギルドに納品した最初の一人が リアルマネー三億円を得られる」
ニュクス「邪神討伐までは協力体制を敷く。 その先は何でもあり、分け前なし。 異存ないな?」
ヒカリン「最初からそういう話やからなぁ」
ヴォロディームィル「分け前を決めたって 後ろから刺されりゃオシマイだからな、 当然の理屈だ」
ヴォロディームィル(邪神相手ならニュクスも 無傷では済まねぇ・・・ 必ず出し抜いてやるぜ)
ニュクス(各々がボス級モンスターを単独撃破できる実力者。核保有国同士がうかつに戦争できないように、拮抗状態を維持した互恵関係)
ニュクス(これが僕の最強パーティー ──真の仲間だ)

〇学校の校舎
  火曜──

〇教室
朝日ケンイチ(教室の空気がヒリついてる)
女子A「シン君・・・どういうこと?」
十七夜月シン「どうとは?」
女子A「ヒカリンチャンネル見たよ。 あたし達を殺した奴と仲間だったの?」
十七夜月シン「配信を見たのならわかるだろう」
女子A「・・・どうして」
女子B「待って! シン君にも何か事情があるんだよ。 そうだよねシン君?」
十七夜月シン「僕にふさわしいメンバーを選んだ。 それだけだ」
女子A「噓でしょ・・・」
小枝ゆき「シン君は・・・ 私達とパーティーを組んだときより あの人達といるほうが楽しいの?」
十七夜月シン「何か勘違いしているようだけど」
十七夜月シン「パーティーというのは仲間のことだ。 君達と仲間になった覚えはない」
十七夜月シン「短期間で連続レベルアップしたプレイヤーを調べたに過ぎない。利用価値はあるか、脅威はあるか。結論はどちらもなし」
十七夜月シン「協力には感謝するよ、小枝さん」
小枝ゆき「そんな・・・だって私は」
小枝ゆき「シン君と焚き火を囲んで・・・ いっしょにごはんを食べて・・・ 温泉にも入って」
小枝ゆき「とっても・・・楽しかったのに」
十七夜月シン「それはどうも」
小枝ゆき「・・・・・・っ」
朝日ケンイチ「シンっ!!」
十七夜月シン「・・・」
十七夜月シン「何かな? パンイチのケンイチ君?」
朝日ケンイチ「うっ・・・」
十七夜月シン「言いたいことがあるならどうぞ」
朝日ケンイチ「あ・・・謝れっ!」
十七夜月シン「謝る? 何をだい?」
朝日ケンイチ「そ、それは・・・」
十七夜月シン「僕の仲間が彼女らを殺したことをかい? リーダーのくせにメンバーの管理が なってないって?」
十七夜月シン「だがもはや僕は ヴォロドィームィルに並ぶ殺戮者だ。 今さら善人ぶる気はない」
朝日ケンイチ「そんなことじゃない! 俺が怒ってるのは・・・!」
朝日ケンイチ「ゆきちゃん 泣いてるじゃないか!」
十七夜月シン「泣こうが怒ろうが 正しいことにはならない」
朝日ケンイチ「・・・・・・っ」
朝日ケンイチ「――してやる」
十七夜月シン「何だって?」
朝日ケンイチ「シンより先に 俺がGFを攻略してやる!」
「!!」
「・・・・・・!?」
十七夜月シン「こんなことわざわざ言いたくないけど」
十七夜月シン「君が僕に勝てるわけないだろ?」
朝日ケンイチ「・・・っ!」
担任教員「いつまで騒いでるんだ 席につけ」
朝日ケンイチ「・・・・・・」

〇城壁
ケンイチ(シンに宣戦布告したものの・・・ ソロ探索だと俺の適正階層は二階層・・・)
ケンイチ(イチかバチか 最下層を目指すしかないか?)
ヒカリン「ケンイチ君やないか 奇遇やなぁ」
ケンイチ「ヒカリン・・・!」
ヒカリン「その様子やとワイの動画配信 見てくれたんかな?」
ケンイチ「嘘だったんだな? Fランクだとか! 弱い者の味方だとか!」
ヒカリン「ワイは正真正銘Fランクやで? レベルは高くてもランクは低いんや ま、縛りプレイの一種やな」
ヒカリン「冒険者ランクはギルドへの貢献度や。 ギルド発注の依頼をこなして報告せな カウントされん」
ヒカリン「あえて最低ランクなのは 弱者の視点を忘れんためや。 ワイは弱いもんの味方やからな」
ヒカリン「ヴォロっちやニュクス君は 勝利至上主義って感じやけど あの二人とワイの信条は別や」
ケンイチ「・・・・・・(疑いのまなざし)」
ヒカリン「ホンマやって! ケンイチ君のことも応援しとるんやで?」
ケンイチ「なら教えてほしい。 俺はもっと強くなりたい。 今すぐ強くなる方法ってある?」
ヒカリン「君を強くするいうたらアレが一番やろなぁ」
ケンイチ「知っているのかヒカリン!」
ヒカリン「ノーリスクで一瞬で強くなる方法、 教えたる」

次のエピソード:第十話 パンイチ死す

コメント

  • ニュクス・カリバー!名前はイマイチだが威力は最高ときた。今の戦闘差をひっくり返すことができるの?それはなんだろうか?毎回いい所で終わりますねぇー☺️

  • パンツが敗れるときがくるのか……

  • 勝てそうな見込みがない…一時間でどうしろと言うんだ。間違って三億手に入れちゃったらどうなるんだ。あれ?もしかして三億の使い道…!これいい話だ。想像通りなら泣いちゃいますね。次回も楽しみにしてます。

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