第30話 少し未来の話!?(脚本)
〇実験ルーム
西暦30XX年──
機械部品が積み上げられた地下倉庫。
中央にある薄暗い水槽の中に、男性型ロボットが浮かんでいる。
女性研究者「久しぶりね、元気そうじゃない・・・なんて、もう聞こえないわよね」
女性研究者「メモリを抜いたこと、怒ってるんでしょうね」
女性研究者はメモリをガラスケースにしまうと部屋を後にした。
入れ替わりに別の研究員が現れる。
後輩研究者「・・・・・・」
〇諜報機関
女性研究者「M点の観測は順調?」
後輩研究者「はいっ! 今のところ問題はないようです!」
女性研究者「そう・・・意外にもったわね」
後輩研究者「旧式のタイプAは能力の低さを何でカバーしているんでしょうか?」
女性研究者「データ分析を頼むわ」
後輩研究者「はい! もっと早く退場すると予測を立てていたのに嬉しい誤算です!」
女性研究者「・・・でも、そろそろ限界でしょうね」
後輩研究者「え? それってどういう──」
男性研究者「タイプAのご活躍、目覚ましいようで」
女性研究者「・・・・・・」
男性研究者「だがそれで、タイプCの失敗を取り戻せるでしょうかね?」
後輩研究者「っ! タイプCは失敗なんか」
女性研究者「失敗よ」
後輩研究者「!」
男性研究者「ふはは! 実に潔い答えだ」
男性研究者「上層部のオヤジ達も、あなたのそういう態度がお気に入りのようですけど」
女性研究者「何が言いたいの」
男性研究者「タイプC、まだ廃棄してないようですね?」
男性研究者「どんなからくりを使って、あの問題児を守っているのか・・・」
後輩研究者「失礼ですよ! あの研究は一時凍結しただけで、まだ」
男性研究者「金を食うばかりではなく、彼の存在が我々の研究・・・いや、人類の未来すら脅かすというのに」
女性研究者「・・・・・・」
後輩研究者「先輩、どうして言い返さないんですか?」
女性研究者「タイプCの廃棄の話、進めなくちゃいけないわね」
後輩研究者「!? どうしてですか、彼は人類を必ず救ってくれます!」
女性研究者「・・・あれはもう二度と目覚めさせてはいけないの。この先何があっても」
後輩研究者「・・・っ」
〇実験ルーム
地下倉庫にガラスが割れる音が響く。
後輩研究者がハンマーで水槽を強打して叩き割ったのだ。
後輩研究者「廃棄なんか、させない・・・」
彼女はずぶれになりながら水槽のロボットを膝に抱いた。
後輩研究者「人類の未来のために、あなたを守る!」
ロボットの首にメモリに差し込むと、その目が開き金色の光を放った。
後輩研究者「! やった・・・」
研究者が笑顔を浮かべたそのとき。
ロボットはにやりと笑って研究者の胸に手のひらを突き刺した。
後輩研究者「ぅぐ・・・っ」
〇諜報機関
ビーッ!! ビーッ!
「緊急事態発生、コード32」
「研究員はすみやかに避難して──」
女性研究者「・・・っ、彼は必ずM点に向かう。 止めなければ・・・」
血に濡れた体を引きずり、彼女は緊急ボタンを押した。
〇大きい研究施設
〇雑多な部屋
「私と一緒に、死にましょう。
タイプC・・・」
高原みこ「はい、めでたし、めでたし!」
みこがテレビのチャンネルを変える。
高原小太郎「あっ、まだ終わってないよ!」
高原みこ「そうだったの? いいじゃん、あのドラマつまんないよ」
高原小太郎「M点ってどこにあるの? とか気になることたくさんあるのに!」
高原みこ「どっかその辺にあるんじゃない?」
高原小太郎「あるわけないでしょ。 ドラマの話してるんだけど」
アテナ「主役の女優、御主人(マスター)に似てましたね」
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