よしおの漫画

明里灯

後日談 銀二の漫画4(脚本)

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〇古いアパートの一室
銀二「はいーっす」
周防「あの・・・」
銀二「あ、周防さん 契約っすか?」
周防「そうではなく・・・」
周防「実はその・・・」
周防「銀二さんに謝らないと いけないことがあります」
銀二「え?」
周防「月例賞での勝負の件、 お兄さんから聞きました・・・」
銀二「あぁ、その件っすか・・・?」
周防「金一さんは私を庇って車に轢かれたんです」
銀二「え?」
周防「その時、お医者さんには 軽い打撲と言われたらしいのですが・・・」
周防「後日、右手が痛くて 再検査したら・・・」

〇病院の診察室
医者「これは・・・」
金一「どうしたんですか?」
医者「神経へのダメージが見られる」
医者「これは・・・治らないかもしれんぞ」
金一「・・・」
金一「ま、悩んでも仕方ない」
医者「日常の生活に支障はないかもしれんが、 繊細な作業は厳しいぞ」
金一「いっすよ 命あるだけ儲けもんっすから」
医者「・・・」
医者「キミはなかなかにタフだねぇ」

〇古いアパートの一室
周防「私のせいで・・・ 金一さんは漫画が描けなくなったんです」
銀二(利き手ではない左手で描いていたのか!)
銀二「それで絵がうまく描けなかったのか」
周防「怪我の具合が気になって、 金一さんの家を訪ねました」
周防「その時は大した怪我じゃないと 言い張ってたのですが・・・」
周防「あの漫画を読んでおかしいと思いました」
周防「金一さんの過去の作品と違いすぎて」
銀二「それで?」
周防「問ただいしたら白状しました・・・」
周防「でも、弟には伝えないで欲しい・・・と」
周防「大したことじゃないと言ってました」
周防「金一さんには怒られるかもしれませんが 私のせいで勝負を台無しにしたこと・・・」
周防「黙っていられませんでした」
銀二「助かります」
銀二「でも、兄貴の野郎、 意味が分からねぇよ・・・」
銀二「利き手がうまく使えないとか・・・ 漫画家にとっての生命線じゃないか!」
銀二「周防さん、悪いけど俺・・・」
周防「はい、会いに行ってください!」

〇旅館の和室
銀二「兄貴!!」
金一「お、今日はどうした?」
銀二「どうとこうもねぇよ」
銀二「何で手のこと教えてくれなかったんだ」
金一「・・・」
金一「周防さんから聞いたのか?」
銀二「そうだよ」
金一「理由は・・・」
金一「まず周防さんに知られたくなかった」
金一「気に病むだろうし」
金一「そして、お前にも知られたくなかった」
金一「お前は優しいから心配するだろ?」
金一「周防さん、ああ見えて強引だったぜ」
金一「言わざるを得なかった」
銀二「すごい真剣に説得してくれたんだな」
金一「あぁ、真剣だった」
金一(まさか大広間の刀で脅されるとは 思わなかったぜぇ)
金一(モノホンだと知って 青ざめてたけど・・・)
銀二「俺の早とちりで殴ってすまなかった」
銀二「それに俺・・・ ずげぇ酷いことも言った・・・」
金一「隠してたのは俺だ」
金一「悲しませるよりは、 失望してもらいたかった」
金一(想像以上に堪えたけど)
金一「でも、一つ言っておく」
金一「ようやく左手で描くコツが分かってきた」
金一「俺はお前なんかすぐ追い抜いて プロになるぞ」
銀二「兄貴・・・!!」
銀二「その言葉を聞きたかった!」
銀二「俺、ずっと気になってたんだ」
銀二「俺のせいで兄貴が 漫画描けないなんて嫌だ」
銀二「そりゃ、嫉妬してるし、 凹むこともあるよ・・・」
銀二「でも、俺・・・ 兄貴の漫画が好きなんだ」
銀二「早く新作読ませてくれよ」
金一「そっか・・・」
金一「言われなくても描くよ これからはな・・・」
銀二「やっぱ金一兄ちゃんが俺の兄貴だよ!」
金一「ばっ! 何当然のこと言ってるんだよ!」
金一「俺は漫画描きたいんだから 早く帰れ!」
銀二「おう!」
銀二「先に連載して待ってるぜ!」

〇CDの散乱した部屋
銀二「・・・という訳っす」
よしお「なるほどなぁ・・・」
よしお(金一さん・・・ 相当な弟想いだな)
よしお「一人っ子の俺には分からないけど、 羨ましい兄貴だな」
銀二「へへっ・・・ 自慢の兄貴っす!」
銀二「兄貴はプロデビューするでしょうし よしおさんも連載準備中」
銀二「楽しいことになってきましたね!」
よしお「負けないからな!」
銀二「こっちのセリフっすよ!」
銀二「それじゃ、俺 連載用のネーム切らないといけないんで!」

〇CDの散乱した部屋
よしお「結果的に金一さんは 漫画に本気になってくれましたね」
足塚おさむ「そうだ!」
足塚おさむ「500万円が・・・!!」
よしお「銀二のお爺さん、 生き霊のときの記憶なかったみたいっすよ」
足塚おさむ「そんなバカな・・・!!」
足塚おさむ「それじゃあ、 くたびれ損ではないか!」
よしお「いやぁ、俺ら何もしてないっすから」
足塚おさむ「ま、そっか・・・」
よしお「あ!」
よしお(周防さんかな・・・! 契約書まだ書いてなかった!)
周防「契約書のサインやハンコ済ませました?」
足塚おさむ「漫画に夢中でやってなかっただろ」
足塚おさむ「くくく・・・そうだと思ってなぁ」
足塚おさむ「俺が書いておいたぞ!」
周防「足塚おさむ・・・」
よしお「勝手に書きましたね!」
足塚おさむ「よしおだけズルいからなぁ」
周防「何のことでしょう?」
よしお「あ、いえ、こちらの話で・・・」
  一難去ってまた一難
  漫画で忙しい日々はまだまだ続きそうだ
  ずっと漫画家に憧れていた俺に取っては
  願ったり叶ったりだけど・・・
  おしまい

次のエピソード:過去短編 銅の漫画

コメント

  • 銀二が主人公の第二部、よしおとはまた違った漫画への向き合い方が面白かったです!
    それにしても、金一は利き手じゃなくても月例賞レベルのものが描けるとは…リアル二刀流漫画家ですね。笑

  • プロデビュー編も面白かったです😆
    よしおや銀二…成長しましたね🥲

  • 未読分、一気に読みました!
    兄弟愛、いいなぁー。と、思いながらも、可愛い顔して問い詰め方が半端ない周防さん。
    あー、面白かった!既によしおロスですー。

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