超美人、超能力探偵、超絶体絶命!

刀神凛太郎

エピソード6(脚本)

超美人、超能力探偵、超絶体絶命!

刀神凛太郎

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〇屋敷の書斎
大門平八「鷹王さまが!」
高天神吉祥子「父に何が!?」
天上美月(128もの別人格を持つ あの老人に何が起こったの!?)

〇風流な庭園
高天神鷹王「やれやれ わしとしたことが・・」
高天神鷹王「庭の手入れをすっかり 怠けてしまったようじゃのう」
天上美月(・・て、アンタ誰?)
高天神鷹王(この木島一平太《きじま いっぺいた》。 庭師としてお仕えして五十有余年)
高天神鷹王(これまで、このような不手際はなかった のじゃが・・齢のせいかのう)
天上美月(あ! 使用人だった庭師のひとね。 その人格に変わったってコトか)
大門平八「鷹王様と斬り結びながら このあたりまで来た時」
大門平八「ふいにお姿を見失い、 気づきましたらいつの間にか・・」
大門平八「情けない限りでございます」
天上美月(てか、なんの問題もないと思うけど・・ それより)
天上美月(鷹王、いつの間に作務衣に着替えた?)
高天神吉祥子「気にしなくていいわ、大門。 父が無事なら、それで」
大門平八「ダモクレスでお仕えしていた 当時の鷹王様は」
大門平八「武人の鑑《かがみ》のごときお方でした それがこのような覇気のないお姿に・・」
天上美月(いまは戦国時代じゃないぞ、大門)
高天神吉祥子「わりとよくあるのよ 庭師の木島に変わってしまうのは」
高天神吉祥子「昨日もそうだった」
高天神吉祥子「木島は父の幼い頃からの使用人で 屋敷のことなら何でも知っていたから」
高天神吉祥子「父も慕ってたのね」
大門平八「わかりました、吉祥子お嬢様。 会社でお話させていただいたとおり」
大門平八「この大門、事件解決までお屋敷に とどまらせていただき」
大門平八「皆様をお助け致します」
高天神吉祥子「ありがとう。悪いけどお願いするわ」
菊梁善意「大門さんはダモクレス・セキュリティ の方だったんですね」
高天神吉祥子「ええ。今朝、事件のことを聞いて 急遽《きゅうきょ》同行してくれたの」
天上美月(ダモクレス・セキュリティ・・ ただの警備会社じゃなかったはず)
天上美月(裏では傭兵とか、非合法な諜報活動とか キナ臭い噂が絶えない)
天上美月(鷹王は、その設立に関与していたのか?)
天上美月(高天神家が政府の謀略に関わっている っていう噂は真実かも・・)
天上美月「ところで吉祥子さん」
天上美月「昨日、鷹王氏が 庭師の人格に変わったときに」
天上美月「刀を保管していた蔵の鍵を 持ち出されたとは考えられないですか?」
高天神吉祥子「兄さんを刺した、あの刀ね? 確かにあり得るわ」
田滝上敬司「だが、もっと悪いケースとしては」
天上美月「田滝上さん!」
田滝上敬司「庭師の人格に変わった鷹王氏ご自身が」
田滝上敬司「犯人のために蔵を開けてやった 可能性も考えられる」
天上美月「まさか!」
高天神吉祥子「・・・」
天上美月「とすれば犯人は 庭師の木島さんの知人ってコト?」
田滝上敬司「いや、あくまで鷹王氏の知人だろう」
天上美月「でしたね。人格が変わっても 記憶はあくまで鷹王氏のもの」
天上美月(田滝上刑事が「無理もない」って考えてた のは多重人格のことだったのね)
高天神吉祥子「そろそろ食堂の方へ行きましょうか?」
田滝上敬司「ですな。 これ以上、お待たせするのはよくない」

〇貴族の応接間
  食堂には高天神家の人々が集まっていた
高天神持国「おい、いつまで待たせるんだ!? こっちは忙しいんだぞ」
高天神吉祥子「ごめんなさい兄さん」
高天神持国(まったくツマラナイときに 帰っちまったもんだ)
高天神持国(兄貴も余計なタイミングで 面倒な死に方しやがって・・あれ? 来週の業務の指示は全部済んでたか? 補助金の申請手続きは?)
高天神持国(報告書のチェックは? と、待てよ。 リチャードソンの来日はいつだ? 秘書に確認か・・てか麻美はいい女だが いまいちトロい)
高天神持国(そろそろ手切れ金を渡すか? けど、もう一度ぐらい・・再来週あたり 待てよ、その週は再検査って 医者から言われてたっけ?)
天上美月(なんじゃ、このサイテー男!? でも、それ以前に思考が忙しすぎる!)
高天神持国(ところでこの女は誰だ? なかなかいい女だが)
天上美月(・・けど 真の美を見抜く目は持ってるようね)
天上美月「はじめまして 警察に協力している探偵の天上です」
高天神吉祥子「IT企業を経営している、兄の持国よ」
高天神持国「探偵? 役に立つのか、そんなものが? ただの小娘にしか見えないが」
天上美月「ご安心を、持国さん。 すみやかに事件を解決して」
天上美月「補助金申請の手続きや 来週のリチャードソンさんとの打合せに」
天上美月「支障がでないように致しますわ」
高天神持国「ど、どうしてそれを!?」
天上美月「捜査方法については業務上の秘密ですので お答えできません」
天上美月「けれど、ご期待を裏切ることはないと お約束致します」
高天神持国(なんだコイツ!? 俺の身上調査でもしてたのか? 探偵? 吉祥子が雇った? いや、警察って言ってたな。 まさか、あのことを)
天上美月(あのこと?)
高天神真知子(はじめ)
高天神真知子「はじめ」
高天神真知子(まして)
高天神真知子「まして」
天上美月(え!? なに、このひと?)
高天神真知子(持国の)
高天神真知子「持国の」
高天神持国「妻の真知子です」
高天神持国「相変わらずグズグズした女だ! そんなことじゃ、日が暮れち・・」
天上美月「すっかり日が暮れましたね」
高天神持国「・・ですな。 よろしくお願いしますよ、探偵さん」
高天神真知子「ごめんなさい」
高天神持国「会社に連絡することがあるので ちょっと失礼します」
天上美月(旦那とは対照的に考えるのも話すのも もの凄くゆっくりなのね、この奥さん)
天上美月(持国氏の秘密の追及は、またあとね)
高天神吉祥子「真知子さん 優子ちゃんと護国くんは?」
高天神真知子「優子は体調がすぐれないので 休ませています」
高天神真知子「護国はさっきまで、いたんですが」
高天神吉祥子「じゃ、ふたりはまたあとで、ね」
高天神吉祥子「あとは妹の美音子《みねこ》が 帰宅すれば家族全員です」
  その時、初めて気づいた!
  そこに彼がいることに
天上美月(いま入って来たんじゃない 前からいた。ずっと、そこに!)
天上美月(気配はまったくなかった。 心の存在も感じなかった!?)
天上美月「鷹王とは違う! 考えが見えないんじゃない」
天上美月「心の存在を感じない人形のような人物!」
天上美月「誰なの? 彼は!?」
  ~ 次回へ ~

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