〇教室
梅津先生「それじゃ転校生を紹介します」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「絵瑠譜恵留です。 ニホンに来たのは初めてなので お手柔らかにお願いします」
　　可愛い転校生が来てしまったな
　　なんとか仲良くなれないものか
絵瑠譜恵留(エルフエル)「姿を皆さんに見せるのは恥ずかしいので、 影の姿になっていいですか？」
　　ど。どういうことだ
絵瑠譜恵留「慣れてきたらまたみなさまに姿を見せるので当分シルエットで付き合ってください」
梅津先生「あ、あらら だいぶ恵留ちゃんって 恥ずかしがり屋なようで汗」
遊垣悠斗「もどして」
絵瑠譜恵留「は、はい!? でもこの姿でイタイのデス」
遊垣悠斗「失礼しました 良いと思える時が来たら顔を見せてね」
絵瑠譜恵留「ありがとうございます」
？？？「ずいぶん執着してるようで」
菊一文字隆介「お前どんだけ 恵留ちゃんのこと好きになったんだよ」
　　こいつは俺の幼なじみで親友の隆介。
　　ギャルゲーで主人公を上手くナビする立ち位置といっていいか。
遊垣悠斗「こら、からかうな。 そんなんじゃない」
菊一文字隆介「じゃ倫子先生がお気に入りなのか？ 大人の女性ってのも悪くないよな」
遊垣悠斗「なんで倫子先生を？」
菊一文字隆介「スタイル良いし性格も良い 俺が攻略できるなら 倫子先生を口説きたいね」
梅津先生「何をさっきから話してるのかしら？ 菊一文字くん、大人をからかうのも いいかげんにしなさいよ」
菊一文字隆介「おれ、マジっすよ 先生と結婚できるなら 死んでもいい」
梅津先生「そんなこと言ったって 点数オマケに高く付けるとか しないんだからねっ」
　　授業中に恵留さんの出番はあるか
　　期待に胸を膨らましたが
　　先生は空気を読んだのか
　　恵留さんを指名しなかったので
　　もやもやしたまま
　　放課後を迎えた

〇コンビニのレジ
遊垣悠斗「お前エロ本買おうとするな 年齢確認されるぞ」
菊一文字隆介「ムリかな〜 やっぱ」
遊垣悠斗「なんか驚いた顔してるけど どうした？」
菊一文字隆介「見てみろよ あれ」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「いらっしゃいませ〜 鳥から１個増量中です いかがでしょうか〜」
　　コンビニ店員として働く恵留さんを
　　見かけてしまうとは
菊一文字隆介「絵瑠譜さんだよね？」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「あなたたちは同じ高校の同じクラスの...... 名前は何といいましたっけ」
遊垣悠斗「僕がゆうがきはると。 恵留さんの姿 はっきり見れて嬉しいよ」
菊一文字隆介「俺はきくいちもんじりゅうすけ。 エルフって長生きするって本当なんか」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「はい。私の母は240歳です でも私は17歳です」
　　恵留さんの服装は昼より胸が強調されてなんていうか扇情的でコンビニの制服を着ていないのが不思議で
遊垣悠斗「何でコンビニの制服は着てないんだい？」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「オーナーの趣味です 恵留ちゃんは制服着ないで 私服でいいよって言われて」
　　話をしてると客がこちらに来るのが
　　見て取れた。
　　なので俺と隆介は脇に退くことにした
絵瑠譜恵留(エルフエル)「いらっしゃいませ リョウシュウショですか？」
おっさん(客)「そうだよ 領収書だよ」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「会計が1280円です レシートは......」
おっさん(客)「領収書だっつってんだろ 何度も同じこと言わすな」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「し、失礼しました 今出すので」
遊垣悠斗「おい、そういう態度はないんじゃないんか？ 自分の娘にも同じ態度取ってるのか？」
おっさん(客)「何だねチミは 領収書をなかなか出さないアホな 店員にキレて何が悪い」
遊垣悠斗「アホは一言余計だ 謝れ」
おっさん(客)「領収書ももらったし もう二度とこの店に来るかよ ふん」
　　結局恵留さんに謝らないまま帰ったふてぶてしいおっさん。
　　悪い女に引っかかればいいのに
絵瑠譜恵留(エルフエル)「さっきはアリガトウございました 内心イヤだったので 私のミカタしてくれて 嬉しかったです」
菊一文字隆介「見事だったぞ 男だけれど惚れそうになったわ」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「二人の間になら、実のこの姿を見られてもいいですかも」
菊一文字隆介「毎日12時に屋上でコイツと一緒に昼飯食べてるんだけど恵留ちゃんも一緒に食べないか？」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「はい。そんなことなら喜んで」
　　でかしたぞ、隆介。
　　一気に恵留さんとの仲が進展しそうだ
遊垣悠斗「これからよろしくお願いします」
菊一文字隆介「恵留たそ、可愛いんだから みんなに姿見せたらいいのに」
絵瑠譜恵留(エルフエル)「その内教室でも姿を現せたらいいと 思ってます。 それじゃまた明日」