間違えて好きな人の親友に告白しちゃった私の運命は…?

法橋アンナ

第四話 浮気、発覚!?(脚本)

間違えて好きな人の親友に告白しちゃった私の運命は…?

法橋アンナ

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〇生徒会室
由比一真「今年の学園祭は、例年とは違い、新たに生徒会主催のイベントを企画することになりました」
樋渡花音(はあああ、今日も素敵すぎる、一真先輩・・・きりっとしてて、よく響く低い声もいい・・・)
由比一真「そこで、イベント企画の実行委員を相楽と樋渡さんにお願いしたいと思うのですが」
由比一真「樋渡さん、いかがですか?」
樋渡花音「へあっ!?」
樋渡花音(し、しまった・・・つい一真先輩に見惚れて──!)
相楽宗吾「・・・大丈夫だよな、樋渡」
樋渡花音「は、はい、やります!!」
由比一真「ありがとう、ふたりともよろしくね」
  にっこりと微笑む一真先輩が麗しすぎて、私はまたもその美貌に釘付けになってしまった。

〇生徒会室
  それからというもの、毎日のように生徒会室に残り、相楽先輩と企画を練った。
樋渡花音「カフェとかはどうでしょう?」
相楽宗吾「カフェは他の部とかでもやるだろ。何か目を引くようなコンセプトカフェならいいかもしんねえけど」
樋渡花音「執事カフェ・・・いえ、いっそのことホストカフェはどうでしょう?」
相楽宗吾「・・・それ、オマエの趣味だろ?」
樋渡花音「私だけじゃなくて! 女子は皆憧れるんです!」
樋渡花音「生徒会は一真先輩、相楽先輩はじめイケメン揃いですから、絶対いけますって!」
相楽宗吾「・・・確かに他とは被らねえし、斬新な発想ではあるな」
樋渡花音「・・・やっぱりホストじゃ先生方の許可は得られないでしょうか?」
相楽宗吾「・・・酒を出すわけでもねえし、企画書さえうまく作れば問題ないか。 一真はどう思う?」
由比一真「期待通り、僕にはない斬新な発想だ。いいと思うよ」
樋渡花音「本当ですか!?」
相楽宗吾「なら、企画書は・・・こんな感じでいいか」
樋渡花音(相楽先輩、パソコンのタイピングはやっ!)
相楽宗吾「読んでみろ」
樋渡花音「はいっ」
樋渡花音(・・・堅苦しいイメージのある生徒会に親しみを持ってもらい)
樋渡花音(次期生徒会役員候補を確保する意味でも、ホストカフェは有効である・・・)
  私の漠然とした企画を、しっかりと落とし込んでくれている。
樋渡花音(すごい、これなら先生方も納得してくれるかも・・・)
  その後無事、企画は通り、生徒会は学園祭で正式にホストカフェをやることになった。

〇ファミリーレストランの店内
  放課後、いつものようにカズキくんと合流して軽食を食べる。
相楽宗吾「衣装は演劇部から借りられそうだ。紅茶も知り合いの伝手で安く仕入れられる」
樋渡花音「・・・茶器がないんですよね」
由比カズキ「うちの、使えば」
樋渡花音「え?」
由比カズキ「使ってないの、いっぱいある」
樋渡花音「借りてもいいの?」
由比カズキ「ん」
樋渡花音「ありがとう、カズキくんっ!」
  思わず、カズキくんを抱きしめようとしたところ──。
相楽宗吾「・・・おい」
樋渡花音「なんで邪魔するんですか?」
相楽宗吾「近い」
樋渡花音「オレのカズキに触るな的な・・・?」
相楽宗吾「・・・そっちじゃねえわ、ボケ」
  相楽先輩は不機嫌そうに両腕を組んだ。

〇家庭科室
  学園祭の準備は忙しかったが、相楽先輩のサポートは完璧だった。
樋渡花音「いよいよ明日ですね・・・!」
相楽宗吾「オマエ、ここまでよく頑張ったな」
  相楽先輩が笑って私の頭を撫でてくれた。
樋渡花音「相楽先輩がいてくださったおかげですよ」
相楽宗吾「おっ、珍しく殊勝じゃねえか」
  一真先輩を見ると今でもドキドキするし気持ちが昂る。
  でも、相楽先輩のそばにいると、時々胸が苦しくなる。この気持ちは一体なんだろう。
樋渡花音「お茶の淹れ方も教えてくださってありがとうございました!」
相楽宗吾「カフェのバイト経験が役に立ったな」
樋渡花音「温度とか、ポットの形とか、今まで考えたことなかったですけど、全然味が違ってびっくりしました!」
樋渡花音「家でも淹れてみようっと」
相楽宗吾「・・・・・・」
樋渡花音「あ、ポット片づけておきますね!」
相楽宗吾「なあ、樋渡」
樋渡花音「はい?」
  ポットを持ち上げながらよそ見をしたせいで、手からポットが滑り落ちる。
相楽宗吾「あぶねえ!」
樋渡花音「きゃあっ!」
  ポットが派手な音を立てて割れ、床にこぼれたお湯が湯気を立てる。
樋渡花音「・・・・・・」
相楽宗吾「大丈夫か!?」
樋渡花音「は、はい・・・」
  先輩がとっさにかばってくれたため、お湯はかかっていない。
  ただ──。
樋渡花音(こ、これはいわゆる床ドンってやつじゃ・・・!?)
  床に倒れ込む私の上に、相楽先輩。これまで見たことのないぐらい至近距離に、彼の顔がある。
樋渡花音「せ、先輩・・・」
相楽宗吾「樋渡・・・」
  見つめ合う時間が、まるで永遠のように感じられた。
  先に目をそらしたのは相楽先輩だった。
相楽宗吾「悪い。立てるか?」
樋渡花音「は、はい」
樋渡花音(先輩、今何か言いたげだったような・・・)
  私を助け起こし、手際よく後始末をしてくれる。
樋渡花音(気のせい、かな?)

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