エピソード1(脚本)
〇近未来の通路
案内役その1・巡回兵デタル「日本怪人結社(NNK)へ、ようこそ! この先の案内は、自ぶ・・・ワタクシ、巡回兵デタルと、火炎人ガソリが行います」
案内人その2 火炎人ガソリ「──なぁ、ちょっといいか?」
案内役その1・巡回兵デタル「応対中に何ですか。 説明が始まらないじゃないですか!」
案内人その2 火炎人ガソリ「いや、そもそも見た目ヤバめなオレとか、明らかに機械っぽいお前じゃなくても、他に案内役に向いた奴いただろう。 何でオレら?」
案内役その1・巡回兵デタル「・・・ひっじょ〜に不本意ですが、文字数 の関係で、我々の出番を削ったため、お詫びと称して、案内役を押しつけてきました」
案内人その2 火炎人ガソリ「え?マジで?」
案内役その1・巡回兵デタル「本来は我々2人、観客席にいて『怪人コンテスト』を見ていたんですけど、バッサリカットですよ!」
案内人その2 火炎人ガソリ「あ〜・・・だからその辺も含めて、説明も兼ねて選ばれたと・・・」
案内役その1・巡回兵デタル「ガソリさんなんて、骸骨忍者セドレツさんの妖鬼姫グレンさんに懸ける思いに感動して、思わず涙するいいシーンだったのに!」
案内人その2 火炎人ガソリ「ちょっ、そんなのは言わなくていいんだよ!」
〇近未来の通路
Q1.そもそも怪人コンテストは、どうして開かれるようになったの?
案内人その2 火炎人ガソリ「あ〜、やっぱ来るよな、この質問・・・」
案内役その1・巡回兵デタル「まぁ、想定の範囲内ですね。 一般人の方からは「結社とか怪人って、社会から隠れなくていいの?」って思われるのが普通でしょう」
案内人その2 火炎人ガソリ「ま、5年くらい前はそうだったんだけどな。 ちょっとウチの組織内で、トラブってよぉ」
案内役その1・巡回兵デタル「端的に言うと、誰がヒーローを仕留めるかで揉め事が起こり、本気の殺し合いに発展、結社が壊滅寸前にまで陥りました」
案内人その2 火炎人ガソリ「ちょっ、オブラートに言おうとしたことを、 さらっと正直に、爆弾落とすなよ!」
案内役その1・巡回兵デタル「いや、もう結構知れ渡ってますよ? 『公然の秘密』として表に出ないだけで、「昔に比べて、丸くなったね」と言う方もいましたし」
案内人その2 火炎人ガソリ「──マジか・・・ ウチの結社、どんだけ身内の恥を晒してんだよ・・・」
案内役その1・巡回兵デタル「住民の反対運動が起きて、立ち退き命令が出そうになったくらいですから、今更では?」
案内人その2 火炎人ガソリ「あー、そうだったな・・・ あん時は、住む場所にも困るようになるのかと、ヒヤヒヤしたなぁ・・・」
「ハア・・・」
閑話休題
案内役その1・巡回兵デタル「まぁその反省も踏まえまして、第三者からの投票と、住民の方からも理解が得られるように、いっそのことコンテストにしようと」
案内人その2 火炎人ガソリ「ロルム卿が提案してきた、と。 最初聞いた時には、忙しすぎてついに正気を失ったかと思ったぜ」
案内役その1・巡回兵デタル「まぁ、びっくりはしますよね。 それまでの秘密主義が一転、堂々公開なんて」
案内役その1・巡回兵デタル「でも元々、秘密主義を続けるには限界を感じていたようで、何かしらの手を打たねばと考えていた矢先での出来事だったそうですよ」
案内人その2 火炎人ガソリ「えっ、そうなの!? ・・・本当に頭上がらないわ、あの人に」
案内役その1・巡回兵デタル「そう言うわけで考慮した結果、一般の人にも受け入れられるコンテストにして、挑戦権会得の公平性と安全性を得た、というわけです」