《エデン》

草加奈呼

エピソード20 集結(脚本)

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草加奈呼

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〇中華風の通り
  ホンカルトの村
  ホンカルトへは、シルヴィに乗って数時間で着いた。村自体もそれほど大きくなく、雷火は簡単に見つかった。
雷火「ふっ・・・」
雷火「風華!!」
風華「雷火、無事で良かったわ!」
雷火「う・・・」
雷火「うわあああああああ・・・!」
風華「ど、どうしたの、雷火!?」
雷火「ふうか、風華がっ・・・ セ=シルの子孫に 捕まったってきいて・・・!」
雷火「オレ、なんにも、できなくて、 うわあああああーーーーん」
風華「・・・心配してくれていたのね。 よしよし」
紅蓮(くっ・・・ 雷火の奴、ショタキャラの特権を 使いやがって・・・!)
紅蓮「雷火! おまえの神具だ、受け取れ」
雷火「え、えっ!? どうやって持ってきたんだ!?」
紅蓮「そこは、俺の人徳があってこそだな」
紅蓮「・・・というのは冗談で。 サンダーブレードが俺の声に 応えてくれたんだ」
紅蓮「きっと、こいつもおまえに 会いたかったんだろうよ」
雷火「あ、ありがとう、紅蓮!」
  雷火はサンダーブレードを受け取り、
  その場で素振りしてみた。
雷火「へへっ・・・ 俺の神具かぁ・・・よろしくな!」
雷火「それにしても、ずいぶんと 大所帯になっちゃったな」
雷火「そうだ、師匠のトコなら広いから、 みんな、案内するよ!」

〇畳敷きの大広間
雷火「師匠ー! ちょっとこの広間、 貸してほしいんだけど」
風華「お邪魔します」
師匠「うおーっ!? な、なんだどうした?」
雷火「オレの仲間が全員集まったんだ! 大所帯だから、広い場所が良くて」
師匠「女神アイ=リーンの子孫か・・・ 雷火以外に、本当にいるとはな」
師匠「よし、今日はここを貸してやる! そして泊まっていけ!」
雷火「さっすが師匠!」
風華「ありがとうございます」

〇畳敷きの大広間
雷火「そっか。結局、 オレが最後になっちゃったのかぁ・・・」
雷火「オレ、雷火! みんなよろしく!」
吹雪「俺は吹雪だ。 冷気の能力を持ってる」
吹雪「このちびっ子に使命が務まるのかぁ?」
雷火「う、うるさいなー! これからもっと大きくなるからな!」
影利「こーら、茶化さないの!」
影利「私は、影利よ。 闇の能力を持っているわ よろしくね、雷火」
氷河「俺は、氷河だ。風華とは兄妹だ。 水の能力を持っている。 よろしくな」
色時「僕は色時。 僕の能力は、時の力だよ。 よろしくね」
地季「俺は、地季だよ。 地の能力を持っている。 よろしく──」
雷火「あっ・・・・・・」
地季「どうしたの?」
雷火「俺・・・ みんなに話さなきゃいけない事が、 たくさんあるんだ・・・」

〇畳敷きの大広間
  雷火は、セ=シルの子孫であるレストに
  助けられた事、そして、その時に言われた事を話した。
風華「そんな・・・。 じゃあ、あの言葉の意味は・・・」
  『君に、闇の一族の”風”になってほしい──』
  風華は、闇の一族に捕らえられていた時に聞いた、レグルスの言葉を思い出した。
紅蓮「おい! 本当に、セ=シルの子孫が そう言ったのか!?」
雷火「そ、そうだよ・・・!」
紅蓮「冗談じゃないぜ! そんな事、絶対に許せない!!」
氷河「やめろ、紅蓮! 雷火に当たってもしょうがないだろう!」
紅蓮「わかってる・・・! わかってるんだけどよ・・・!!」
雷火「オレ・・・、オレ、ガキだし、頭悪いから うまく言えねーけど・・・。 俺たちのしてることって・・・ 正しい事なのか?」
雷火「魔術を封印すれば、セ=シルの子孫は どうなってもいいのかって・・・」
紅蓮「じゃあなんだ、おまえ! 奴らの言うとおりに、風華を 差し出せっていうのか!?」
雷火「そうとは言ってないだろ!? ただ、他に方法はないのかなって!」
色時「セ=シルの子孫も、何年もかけて やっと見つけた方法なんでしょう・・・?」
色時「それを覆す方法なんて、一朝一夕で 見つかるものではないでしょうね・・・」
風華「・・・でも」
風華「彼らは、神具の場所を教えてくれたわ。 そして、雷火が持ってきたその箱も」
  レストが雷火に託した箱の中には、紛れもなく影利の神具、ダークネスメイスが入っていた。
  それは、魔術を封印せよということなのだ。
風華「・・・・・・」
紅蓮(風華、震えてる・・・?)
紅蓮「・・・・・・・・・・・・」
  紅蓮は、誰にも気づかれないように
  風華の手を握った。
紅蓮「・・・そうだ。俺たちの使命は、魔術を 封印することだ。それは変わらない」
紅蓮「だったら、 あれこれ悩む前に、カートを探そう。 今考えていても、答えは出ないだろ」
  紅蓮の言葉に、全員が頷いた。
風華「紅蓮・・・ありがとう」
  風華は優しく笑って、
  その手を強く握り返した。

〇畳敷きの大広間
  ・・・・・・・オマケ・・・・・・・
  紅蓮と風華が手を握り合っている
  傍らで・・・・・・
影利(あら・・・?)
影利(あらあらあらあら?)
影利(やっぱり、紅蓮って風華の事 好きなのね!)
影利(いいわぁ〜。 こういうの見ると、影利さん 応援したくなっちゃう!)
吹雪「なに、ニヤニヤしてるんだ?」
影利「べ〜つ〜に〜?」
吹雪「おっ、紅蓮と風華、 いい感じじゃねぇか?」
影利「あんた、知ってたの!?」
吹雪「俺は、おまえより付き合い長いんだぞ。 紅蓮は、最初っからそうだったな」
吹雪「ま、一時期紅蓮に勘違いされて、 ライバル視されてたが、 これで落ち着いてくれるといいな」
影利「ラ、ライバルぅ!?」
吹雪「だから、勘違いだって」
吹雪「俺は、どっちかっていうと お前の方がタイプだからな!」
影利「ちょっ・・・」
影利「だから、どさくさに紛れてそういう事 言うなってーの!!」
「ぐ、ぐふっ・・・」
色時「ど、どうかしたんですか?」
影利「あら、いやだ〜。 なんでもないのよ、ほほほ・・・」
色時「???」
氷河「・・・・・・・・・・・・」
氷河(俺が・・・兄として・・・ 支えたかった・・・)
雷火「あっ、氷河泣いてる!」
地季「どうしたんですか? どこか、怪我でも!?」
氷河「いや・・・すまない・・・ なんでもないんだ・・・」
  この後、氷河はめちゃくちゃ心配されたが、本当の事は言えなかった────

次のエピソード:エピソード21 神具の指す光

コメント

  • サンダーブレードは大剣なんですね。少年に大剣、絵面が良い……!
    レストの話は最初の印象を間違えたせいで、雷火×レストが脳内をウロウロします😂チガウヨ!

  • 紅蓮、ちょっぴり報われた(^^* ショタキャラの特権で吹きましたw

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