エピソード21 神具の指す光(脚本)
〇城壁
カートの居場所がわからないため、一行はとりあえずモステア城に戻った。
紅蓮(ようやく、風華の宝玉以外は揃った)
紅蓮(でも、カートの居場所は、何度影利に 占ってもらっても、わからないままだ)
紅蓮(うだうだ考えるのは性に合わねぇ。 俺は、俺のできる事をやる・・・!)
吹雪「紅蓮!」
紅蓮「吹雪、どうした?」
吹雪「おまえ、氷の遺跡でフレイムセイバーの 力が制御できないって言ってただろ」
紅蓮「そうだな・・・」
吹雪「今から、俺と特訓だ!」
紅蓮「・・・おう!」
雷火「あっ、面白そう! オレもまぜてくれよ!」
紅蓮、吹雪、雷火の3人は、特訓を始めた。
一方、氷河も神具を手に、1人で集中していた。
氷河「・・・・・・・・・・・・」
氷河(よしっ・・・! 弓は久しぶりだが、腕は衰えていない ようだ)
色時「わああああ、すべての神具を、 こんな間近見られるなんて・・・!」
色時「おっと、 この機会にメモしておかないと!」
色時は、すべての神具を見て、目を輝かせていた。
〇王宮の広間
地季は、戦闘向きではないため、薬師として避難民の手当てをしたり、炊き出しの手伝いをしていた。
老婆「お兄ちゃん、すまないねぇ。 あんたは、あんたのやるべき事が あるんじゃないのかい?」
地季「いえ。みんな、 それぞれできる事をやろうって」
女性「地季くん、 こっちも手伝ってくれない?」
地季「はい、いいですよ」
女性「地季くん、それが終わったら、 こっちもお願い」
地季「はい、終わったら行きます」
「地季くーん」
「地季くん、こっちも!」
地季(人手がいくらあっても足りないよ〜!)
〇貴族の応接間
影利は、神具で力の増幅をし、ずっとこの先の事を占っていた。
影利(神具の力をもってしても、カートの 居場所はわからない・・・)
影利(全部そろえば、何か起こるんじゃ ないかと予想していたけど、 考えが甘かったみたいね・・・)
影利(もしかしたら、風華の宝玉が ないからかも・・・)
影利(いろいろとアプローチを変えて 占ってみたけど、魔術に関連しそうな 事は全部弾かれる・・・)
風華は、宝玉のない神具、ウィンドハープの弦を寂しそうに弾いた。
風華(やっぱり、私の宝玉がないから、 カートの居場所がわからないのかしら?)
風華(このままでは、ウィンドハープの 真の力は発揮されない・・・)
風華(だけど・・・!)
風華(試しに、一度弾いてみよう!)
風華は、昔母親から教わった曲を弾き始めた。
神具は古いものであるはずなのに、調律せずともハープは綺麗な音色を響かせた。
〇城壁
どこからともなく聴こえてくる美しい音色に、城の者は皆立ち止まり、手を止め、耳を澄ましてその音に聴き惚れていた。
〇王宮の広間
女性「まぁ〜。素敵な音色!」
女性「どこで誰が弾いてるのかしら?」
老婆「ほっほっほ。 これまた懐かしい曲じゃな・・・」
老婆「これは、昔 風麗様がよく弾いていた曲じゃ」
老婆「すると、今弾いているのは、 風華様じゃろうて・・・」
〇貴族の応接間
影利(風華の音色・・・とっても素敵!)
影利「とてもいい曲ね、風華!」
風華「ええ、昔 お母様から教わった曲で────」
その時、すべての神具と宝玉が光り出した。
〇城壁
紅蓮「な、なんだ!?」
〇王宮の広間
〇空
光は、ある1点を直線で結んだ。
見るからに、モステアより遥か遠く、どこまで続いているのかわからなかった。
〇城壁
氷河「なにを・・・ 示してるんだ・・・?」
風華「・・・みんな!」
氷河「風華。もしかして、さっきの演奏は おまえの・・・?」
氷河「演奏が終わった途端に、 みんなの宝玉が強く光り出した」
風華「・・・求めてる」
「え・・・?」
風華「ウィンドハープが、 宝玉を求めてる・・・!」
雷火「ってことは・・・?」
紅蓮「そこが、カートの居場所だ!!」
すぐにでも出発したかったが、もう日が暮れかけている。しかし、この光が明日の朝まで続くという保証がなかった。
吹雪「よし、俺がシルヴィに乗って、 ある程度の位置を確かめてくる」
吹雪はシルヴィに跨り、高く高く舞い上がった。
〇雲の上
上空からなら遠くまで見渡せると予測していたのだが、光は意外にも長く伸びており、山の向こうまでは見えなかった。
仕方なく、シルヴィを少し飛ばしてみると、山の向こうの砂漠地帯の地面で光が途切れているのが見えた。
〇城壁
紅蓮「どうだった?」
吹雪「ジェストールの砂漠地帯で光が 途切れていた。しかし、妙なんだ」
影利「妙って、どんな風に?」
自分の占いでもカートの位置がわからなかった影利は、その結果を一番気にしていた。
吹雪「光は、地面を指していたんだ。地面を 掘って行けとでも言ってるみたいに・・・」
色時「あの地帯なら、僕も以前調査で行った事が ありますよ。あの地帯は、たしか砂漠の 下に大きな洞窟があるんです」
紅蓮「マジか!? それって、その洞窟まで どうやって行くんだ!?」
色時「砂漠の外れに、入口があるんです。 そこから地下に潜れます」
吹雪「おお、そうなのか!」
紅蓮「やったな、風華! これで明日にでも カートのところへ行けるぜ!」
風華「・・・・・・・・・・・・」
紅蓮「・・・風華?」
風華は、黙って小さく頷くだけで、紅蓮もその雰囲気に、これ以上声をかけられないでいた。
〇荒地
セ=シルの子孫の隠れ家
近郊
レグルス(あの光は・・・?)
モステアの方角から長く伸びた光を、
レグルスは見逃さなかった。
レグルス(まさか・・・)
レグルス「カート、やっと見つけたぞ!!」
レグルスは、逸早く他のセ=シルの子孫と共に、光の指す方向へ進んだ。
楽器で道が開かれる。流石良くわかっていらっしゃる。笑。
あと、あとがきのこういう資料、めっちゃ好きです❤ 攻略本とか作りたくなってしまう❤
おぉ、手掛かりが見つかったと思いきやまさかの展開に! 一筋縄ではいきませんね。
レグルスにも光が見えてたー!😂
これは、明日の朝とか悠長なこと言ってるうちに先を越されそう💦