超美人、超能力探偵、超絶体絶命!

刀神凛太郎

エピソード5(脚本)

超美人、超能力探偵、超絶体絶命!

刀神凛太郎

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〇後宮の廊下
  剣をかまえて、美月たちの前に現れたのは
  戦国時代の高天神家の城主を名乗る
  梟王《きょうおう》なる人物だった
  だが、その容姿は高天神鷹王と瓜二つ。
  同一人物にしか見えなかった
天上美月(戦国時代からタイムスリップして来た っていうの?)
天上美月「そんなのあり得ない!」
高天神鷹王(こやつら、津久井の手の者か? それとも真里谷、あるいは丹羽の刺客か?)
天上美月(思考は完全に戦国時代のひとのもの。 まさかホントにタイムスリップ?)
高天神鷹王「ならば、簡単に口を割りそうな男を残し 女は斬る!」
天上美月「な、なんでそーなるのよ!」
天上美月「男の方でしょ、斬るならフツー! 男を斬りなさいよ、ちょっとォ!!」
菊梁善意「こ、ここは一目散に逃げるしかない!」
菊梁善意(悪いが天上さんには 尊い犠牲になっていただこう)
天上美月「あんだと? 菊梁、てめえ!」
菊梁善意(天上さんの死を乗り越え、 必ず真相究明してみせます!)
菊梁善意(男女平等のいまの時代 まさか恨まれることはないだろう)
天上美月「あるよ! ゼッテー恨む!」
菊梁善意(天上さんの尊い犠牲は決して忘れませんよ)

〇大広間
女性記者「菊梁警視! 事件解決、おめでとうございます~」
菊梁善意「いやあ、ボクの推理力をもってすれば 全然たいした事件じゃなかったよ」
菊梁善意「ところできみ、また間違えてるね 巡査長だからボクは。まだね」
女性記者「え!? まだ、そうなんですか?」
女性記者「超難事件をいくつも解決されているから てっきり・・ゴメンナサイ!」
菊梁善意「気にしなくていいよ。 でも、今回の事件解決のかげには」
菊梁善意「ひとりの女性の尊い犠牲があってね。 名前は確か、あま・・ん?」
菊梁善意「あま・・なんだっけ? ま、いいか」
菊梁善意「それよりきみ、今夜あいてるかな? 食事でもしながら事件の詳細を・・」

〇後宮の廊下
天上美月(見捨てた上に即、忘れる・・ いくら妄想でもサイテー過ぎるぞ菊梁!)
高天神鷹王「間者めが! 覚悟するがいい」
高天神吉祥子「させないわよ、梟王!」
高天神鷹王「そなたは高天神家の者か!?」
高天神吉祥子「私は第20代当主、鷹王が一子 吉祥子《よしこ》! いざ勝負!」
高天神鷹王「吉祥子とやら、やりおるな!」
大門平八「大門平八、吉祥子様に助太刀致す! 梟王殿、お覚悟を!」
高天神鷹王「むう、新手か? ここでは不利だな」
  梟王は素早く移動した!
大門平八「逃しませんぞ!」
  大門と名乗った男もあとを追って消えた!
天上美月「え? え? 何が起こったの? いまの一幕はなに?」
菊梁善意「もしかして時代劇のロケだった・・ のかな?」
天上美月(てゆーか、全員フツーに 剣とか日本刀、振り回してたけど)
天上美月(それって基本NGよね? ・・気づいてる? 現役警官のひと)
高天神吉祥子「お騒がせして、ごめんなさいね」
高天神吉祥子「私は高天神吉祥子。 いまのおかしな年寄りは私の父、鷹王よ」
菊梁善意「ホントに、ですか!?」
天上美月(そんなバカな・・あれはまったくの別人)
天上美月(心の「かたち」は完全に違ってた。 鷹王のはずがない)
高天神吉祥子「本当よ。 私の父は、高天神鷹王は多重人格者なの」
高天神吉祥子「梟王は、鷹王のもうひとつの人格」
天上美月「私は探偵の天上です。 詳しくお話をお聞かせいただけますか?」

〇屋敷の書斎
  美月たちは書斎へ通された
  話は当主の秘密に関することだ
  彼女もあまり大っぴらには
  聞かせたくないのだろう
天上美月(それにしても・・ 梟王、というか鷹王に襲われたとき)
天上美月(あたしが死ぬ未来は見えなかった)
天上美月(やっぱり、命の危険がないときは 私の予知能力は発動しないのね)
高天神吉祥子「父が多重人格の症状をみせるように なったのは、ここ数年のことよ」
高天神吉祥子「気がつくといつも 心は別の人間になっていたわ」
天上美月「それは高天神家のご先祖のどなたか になる、ということですか?」
高天神吉祥子「そうとは限らないわ」
高天神吉祥子「亡くなった母や 叔父の鷲王《わしお》とか」
高天神吉祥子「あるいは故人となった昔の使用人たち。 運転手、庭師、乳母、女中頭・・」
菊梁善意「みんな実在した お知り合いの方たちですか?」
天上美月「それも全員、故人なんですね」
高天神吉祥子「ええ。たいていわね」
高天神吉祥子「でも時々 架空の人物も含まれていたみたい」
高天神吉祥子「あと、子供時代の自分自身とか 女性化した父自身とか」
菊梁善意「性別まで変わっちゃうんですか」
天上美月「けっこうたくさんの人格があるんですね」
  執事の桐山がお茶を持って入ってきた
桐山利博「お嬢様、長くかかりそうでしょうか?」
高天神吉祥子「みんな待たせてるのよね? ごめんなさい」
高天神吉祥子「でも、そんなにはかからないと思うわ」
高天神吉祥子「ところで、桐山。 父の人格は全部でいくつだったかしら?」
桐山利博「昨日の時点で 確か128だったと思います」
高天神吉祥子「そんなに!? 100を超えるまでは数えてたけど・・」
高天神吉祥子「ありがとう。 みんなにはすぐ行くと伝えて」
桐山利博「かしこまりました」
天上美月「もしかして昨夜も鷹王氏は 別の人格になられていた?」
高天神吉祥子「御名答よ」
高天神吉祥子「昨夜、父は姿を消して、朝方になって 戻ってきたけど、記憶はなかったらしいわ」
菊梁善意「では鷹王氏にはアリバイがないのですか?」
高天神吉祥子「そういうことになるわね」
天上美月「いま「記憶がなかったらしい」と おっしゃいましたけど」
天上美月「吉祥子さんご自身は昨夜はどちらに?」
高天神吉祥子「察しがいいわね」
高天神吉祥子「実は昨日は昼のうちから 父は別人格になってしまっていたの」
高天神吉祥子「会議に出席予定だったのに行けなくなって」
高天神吉祥子「私が代理で出席したのよ。 だから私はゆうべは都内で一泊したわ」
菊梁善意「それはどんな会議なんですか?」
高天神吉祥子「総合警備会社ダモクレス・セキュリテイ の幹部会議よ」
  それは公安警察にも協力していると噂の
  大手警備会社だった
天上美月(ダモクレス・・)
大門平八「お嬢さん! たいへんです」
  さっき鷹王と姿を消した
  大門という男が荒い息で現れた
大門平八「御老体が、鷹王さまが!」
高天神吉祥子「なに? 父に何があったの?」
  ~ 次回へ ~

次のエピソード:エピソード6

コメント

  • 段々と登場人物が増えて、ちょうど混乱しかけてたので、次回整理いただけるとのこと!助かります!
    キャラクターそれぞれの個性ツヨツヨで読んでて楽しいです😁

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