オーロラ姫よりオラオラ姫を選んだ王子の結論

ふゆ

8.残酷な真実(脚本)

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ふゆ

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〇古い洋館
  スパイクレット城襲撃直後
スパイクレット国王「次なる襲来に備え、警備の軍を倍に増やせ」
執事「はい!」
スパイクレット国王「・・・マレフィセントが関わってるとしか思えんな」
スパイクレット国王「オーロラ」
スパイクレット国王「オーラはどうしてる?」
オーロラ姫「自室で休んでるわ」
スパイクレット国王「・・・あの子の姿は?」
オーロラ姫「残念だけど・・・オラオラのまま」
スパイクレット国王「・・・結局、城が荒らされただけか」
スパイクレット国王「若造め・・・・・・」
スパイクレット国王「まさか魔術師だったとはな」
スパイクレット国王「しかも、魔物どもを一人で全て片付けるとは・・・一介の魔術師ではないな?」
スパイクレット国王「何者か知らんが絶対に見つけだす!」
スパイクレット国王「覚悟しておけ!」
オーロラ姫(ヴィクトル殿下・・・・・・)

〇城門の下
  数時間前
オーロラ姫「待って!どこに行くの!」
ヴィクトル「俺は失敗した」
ヴィクトル「スパイクレット王は絶対に俺を許さない」
ヴィクトル「それに」
ヴィクトル「下手したら二国間で戦争が起きるのに、」
ヴィクトル「一線を超えた兄がいる」
ヴィクトル「また何をするか分からない」
ヴィクトル「ケリをつけてくる」
オーロラ姫「ケリ・・・・・・? そっか、マレフィセントに帰るのね」
オーロラ姫「連絡してよね?」
ヴィクトル「・・・・・・」
オーロラ姫「お姉さまのこと、どうするつもりなのよ!」
ヴィクトル「・・・使い魔、二人を守ってやってくれ」
使い魔「・・・殿下、どうかご無事で」
ヴィクトル「今までありがとう。世話になった」
オーロラ姫(なんか・・・様子が変)
オーロラ姫「ま、待って」
オーロラ姫「えーと」
オーロラ姫「オーロラ・チャーンス!」
「・・・・・・」
オーロラ姫「私、結婚はしたくないけど、 子供は一人ほしいって思ってたの」
オーロラ姫「だから私たち、 仮面夫婦になるっていうのはどう?」
オーロラ姫「裏ではあなたとお姉さまが恋人同士なの!」
オーロラ姫「いずれ世継ぎの子が生まれるでしょうけど」
オーロラ姫「そしたら3人でその子の親になればいいのよ!」
オーロラ姫「どう? これなら、みんな幸せになれるでしょ?」
ヴィクトル「・・・あんたは、凄い人だと思う」
ヴィクトル「その自由な発想力でお姉さんを支えて、 統合国を導いてくれ」
オーロラ姫「・・・なによぅ」
オーロラ姫「バーカ、もう言ってあげないんだからね!」

〇闇の要塞
  マレフィセント王城

〇要塞の回廊
ヴァランタン「ゲホッ・・・ゴホッ・・・」
ヴァランタン「来たか」
ヴァランタン「やっと来たか」
ヴィクトル「・・・・・・話がある」
ヴィクトル「あの手紙のことだが」
ヴィクトル「『鍵を使わなくても魔法を解く方法がある』とあった」
ヴァランタン(毒の手紙のことか)
ヴァランタン「ふん、ようやく王位を私に譲る気になったのか?」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「そう思うか?」
ヴィクトル「俺は」
ヴィクトル「力づくで吐かせに来たんだ!」
ヴァランタン「ふ」
ヴァランタン「ははははははっ!」
ヴァランタン「五年がかりでやっと決意したか!」

〇要塞の回廊
ヴィクトル「最初からこうしておけば・・・!」
ヴィクトル「馬を殺されたときに、あんたをぶっ殺しておけは良かった!」
ヴァランタン「ふん」
ヴァランタン「できなかったんだろう?」

〇華やかな裏庭
  私たちは
  王位がお前に決定するまで、
  普通の兄弟だったものな

〇要塞の回廊
ヴァランタン「ヴィクトル!」
ヴァランタン「どうしてお前が継承者に選ばれたのか、 考えたことはあるか?」
ヴィクトル「あ?」
ヴィクトル「『長男は体が弱くて、次男は頭が弱い』 だろ」
ヴァランタン「ふん、外野の弄言を真に受けるとは」
ヴァランタン「何も知らない愚かな弟よ」
ヴァランタン「私は答えに辿りついたぞ?」
ヴィクトル(壁が迫ってくる・・・! 部屋を変異させたのか)
ヴァランタン(空気弾で圧殺を押し戻している・・・!)
ヴァランタン(だがこいつはスパイクレット城での 戦闘の直後に来てるはず)
ヴァランタン(魔力の残量は、あとどれくらいだ?)
ヴァランタン(回復してから来れば良いものを・・・ 血が昇って、冷静な判断を欠いたか)
ヴァランタン「はははっ」
ヴァランタン「お前が選ばれたのは、」
ヴァランタン「勝ち残った強き者を王にするため」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴァランタン「私たちで、争いを起こすためだけに、 妾腹で三男のお前が選ばれたのだ」
ヴィクトル「だ」
ヴィクトル「黙れ!お前の嘘なんか信じるか!」

〇貴族の部屋
オーロラ姫「お姉さま・・・」
使い魔「ん?」
使い魔「あ・・・あ、あが」
オーロラ姫「ローストくん?」
オーロラ姫「どうしたの 変なもの食べたりした?」
使い魔「あがっ、あがががが」
オーロラ姫「え、ええ!?」
オーロラ姫「きゃああ──ああ!!」
オーロラ姫「ロースト、ローストローストが────!!」

〇要塞の回廊
ヴィクトル「はぁっ・・・はっ・・・」
ヴァランタン「魔力が切れたか」
ヴァランタン「最期に教えてやろう」
ヴァランタン「魔術師の出生率が異様に高い我が一族の中で、」
ヴァランタン「私たちの父は魔術師ではない 知っているな?」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴァランタン「どうやって王位についたのだと思う?」
ヴァランタン「他の兄弟を殺したんだ 知恵を絞り、不意をついて」
ヴァランタン「私たちも、同じ道を辿るべきだと思っている!」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル(なら)
ヴィクトル(どっちでもいい、のか)

〇要塞の回廊
ヴァランタン「魔力は、もう、ない、はず、どうやって」
ヴァランタン「ぐふっ」
ヴィクトル「魔力のあるうちに仕掛けた」
ヴィクトル「時間差で発動するように」
ヴァランタン「時限式魔法!?」
ヴァランタン「そうか」
ヴァランタン「時間の魔女とも契約していたか」
ヴァランタン「お前、空間の魔女とも契約していたな」
ヴァランタン「あんな気難しい上位魔法の魔女どもと・・・ よくやる」
ヴィクトル「借りれたのは、 異空間収納と、時限機能だけだけどな」
ヴィクトル「ヴァランタン!」
ヴィクトル「お前も、オーラ姫に魔法をかけたままで 戦うのはもう限界だろ?」
ヴィクトル「俺が仕掛けたのは一発じゃなかったら どうする」
ヴァランタン「・・・く」
ヴィクトル「教えろ」
ヴィクトル「鍵を解かずとも変異を解く方法を」
ヴァランタン「ふ」
ヴァランタン「あるか、馬鹿め」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「やっぱり嘘か」
ヴィクトル「ちょっと、信じてたんだがな」
ヴィクトル「はあ」
ヴィクトル「・・・兄貴」
  だったら選択肢は一つだ

〇要塞の回廊
ヴィクトル「スパイクレット城を襲ったのは、 あんたじゃないな?」
ヴァランタン「そんな愚かなことをすると思うのか」
ヴィクトル「だよな」
  それなら任せられる
ヴァランタン「貴様・・・!」
ヴィクトル「・・・・・・っ!!」
  貫いたのは己の胸
ヴァランタン「なぜ・・・!」
ヴィクトル「う・・・ぐ・・・あ、あんたには」
ヴィクトル「散々な、目にあったけど、」
ヴィクトル「憧れてた、時もあった」
ヴィクトル「後のことは、頼んだ。彼女の、ことも」
ヴァランタン「・・・っ」
ヴァランタン「・・・・・・!」
ヴァランタン「召喚魔術!」
ヴァランタン「奴の傷を治せ!」
ヴィクトル「・・・っ!」
ヴィクトル「なんで・・・!」
ヴィクトル(しかも、使い魔を召喚して!?)
ヴァランタン「・・・・・・」
ヴァランタン「私ももう魔力がない」
ヴァランタン「次に自害されたら止めようがない」
ヴァランタン「ゲホッ・・・ゴホッ・・・」
ヴァランタン「二十年、いや・・・十年くらいか」
ヴァランタン「私の与えた残り寿命は」
ヴァランタン「命の続く限り、ヴィクトルの治癒をしろ」
ヴィクトル「は・・・・・・?」
ヴィクトル(全寿命をかけた使い魔契約!?)
ヴィクトル「なんでそんな・・・!」
ヴィクトル「ずっと俺を殺そうとしてたじゃないか!」
ヴァランタン「・・・・・・ふん」
ヴァランタン「ただの、嫌がらせ、だ」
ヴィクトル「ばっ・・・」
ヴィクトル「馬鹿兄貴」
ヴィクトル「なんで、最後まで悪人でいないんだよ!」
ヴィクトル「たった十年の寿命でも、あんたが生きればいいじゃないか!」
ヴァランタン「十年の治世に・・・何の意味がある」
ヴァランタン「私が相応しくないのは、分かってはいたが」
ヴァランタン「選ばれなかった憎悪の炎で、焼かれる日々は、地獄だった」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「俺の、せいだ」
ヴィクトル「俺が、意地を張って、王位を譲らなかったから、みんな、こんなことに」
ヴィクトル「オーラ姫も、もうどうやって救えばいいのか分かんねえよ!」
ヴァランタン「馬鹿め」
ヴァランタン「戦わなければ、失わなければ、私たちはいつまでたっても甘いまま」
ヴァランタン「お互い、本気だったから、どちらが王位を得ても良い状態になったのだろうが」
ヴィクトル「・・・・・・っ!」
ヴァランタン「ははは」
ヴァランタン「噛ませ犬の人生であったか」
ヴァランタン「悪くない。役目はあった」
ヴァランタン「ヴィクトル」
ヴァランタン「いいか」
ヴァランタン「お前が統合国の王となるのだぞ!」
ヴィクトル「兄さ──」
???「ふふっ」
アンドレ「相変わらず二人の世界」
アンドレ「僕はずっと待っていたんだよ」
アンドレ「魔力自慢の二人がゴリゴリ削りあってくれる日を」
  つづく

次のエピソード:9.もうひとつの鍵

コメント

  • わわわー! どうなるのー!?

  • 激しい戦いの裏、二人の姫を守護るローストの身にいったい何が?
    気になって今夜のメニューはチキン2枚になりそうです

  • っ!?アンドレ!?ちょっとまって、思考が追いつけてない...💦面白すぎです💓

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