よしおの漫画

明里灯

エピソード5(脚本)

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〇CDの散乱した部屋
よしお「俺の作品が・・・!」
よしお「受賞?」
銀二「努力賞だから担当はつかないな」
よしお「いや、これはおかしいんだ」
よしお「だって俺は・・・」
銀二「ガキを助ける時に 原稿を川に落としたんだろ?」
よしお「何故、それを・・・?」
銀二「見てたんだよ・・・」
よしお「まさか・・・」
銀二「俺が拾った」
よしお「濡れてたはずだ」
銀二「インクがボヤけてた部分は 俺が描き直した」
よしお「・・・」
よしお「何故、そこまで・・・」
銀二「正直、自分でも分からない」
銀二「でも、今回の漫画もおもしろかったんだ 前とはだいぶ作風が変わって見えたけど」
銀二「ペンネームも二つ持ってんだな」
よしお(以前、銀二が拾ったのは、 足塚先生の原稿だから勘違いしてるのか)
よしお(といか、本音ではおもしろかったんだな)
銀二「勝負したかったんだよ 悪いか?」
よしお「君の結果は・・・」
銀二「佳作だよ」
よしお「すごいじゃないか! 努力賞より上だ!!」
よしお「担当も就くし、 うまくいけばプロデビューじゃないか!」
銀二「いや、画力の差が大きかっただけだ」
銀二「ストーリーでは完敗だよ」
よしお「それでも君の勝ちだ」
銀二「こういうのは自分で負けたと思ったら 負けなんだよ・・・」
よしお「・・・」
銀二「約束の十万だ」
よしお「いやいや、おかしいだろ?」
銀二「何もおかしくねぇよ 言っただろ? 俺の負けだ」
よしお「分かったからお金は止してくれ!」
銀二「受け取ってくれないと俺は帰らない 迷惑料だと思って受け取ってくれ」
銀二「また一緒に戦いたいんだ その為には無礼の精算をしなきゃならない」
よしお「困ったな・・・」

〇CDの散乱した部屋
足塚おさむ「さて・・・」
足塚おさむ「何故、ガキを助けたことを言わなかった?」
よしお「聞いてたんすね」
よしお「先生に言われたことも一理あったんで、 言い返せませんでした」
よしお「それに・・・ 先生は俺が頑張ってたのを知ってるから」
よしお「あんなに怒ってくれたんですよね?」
足塚おさむ「そ、そんなことはない!!」
よしお「俺・・・足塚先生の漫画に救われたんです」
足塚おさむ「ん?」
よしお「親が共働きで、しかも一人っ子なんで、 いつも寂しい思いをしてました」
よしお「そんな俺を救ってくれたのが、 先生の漫画だったんです」
よしお「俺も子供たちに喜んでもらいたい そう思って漫画を描いています」
よしお「だから・・・」
よしお「漫画ではなく、 目の前で困っている子供を助けました」
よしお「それができなきゃ、 本末転倒じゃないっすか」
足塚おさむ「・・・」
よしお「俺はあの時、迷わず助けられた自分を 誇りに思います」
足塚おさむ「あのよしおが言うようになったな」
よしお「先生のお陰っす!」
足塚おさむ「アイスで許す」
よしお(あれ?)
よしお(許されるのは俺の方なのか?)
よしお「ま、いっか!」
  つづく

次のエピソード:エピソード6

コメント

  • 銀ニ、こんなにいいヤツだとは!先生推しから揺らぎそうになりそうです…

  • こんにちは!
    よしおが努力賞をとれて良かったです😊
    銀二や足塚先生、実力のある作家達の心を動かせるなら、将来みんなが共感を得る凄い作品を作れそう!などと思いながら読み進めています🙌

  • 銀二…生意気だと思ってたけどめっちゃいいやつ😭

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