よしおの漫画

明里灯

エピソード4(脚本)

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〇古いアパートの一室
銀二「月例賞の締め切りは明日か・・・」
銀二「負けられない・・・」
銀二「俺はあんなオッサンに 負けてられねぇんだよ!」

〇屋敷の大広間
銀二「じじい! 漫画描いたぜ!」
じじい「おーそうか見してみ」
じじい「おもしろいじゃないか! さすがワシの孫じゃ!」
銀二「へへ!」
金一「クソジジイ」
金一「足塚賞獲ったぞ」
銀二「兄貴・・・」
金一「これで俺は漫画なんて辞めるぜ」
じじい「ふん、全然おもしろくないじゃないか」
銀二「・・・」
じじい「こんなので 漫画描いてる気になってるのか?」
じじい「努力賞の足塚というやつのほうが よっぽどおもしろいじゃないか」
じじい(足塚・・・?)
じじい(足塚おさむの作風に似てる気がするが 気のせいじゃろうか?)
じじい(あいつもう死んでるしのぉ)
金一「約束は約束だ 賞獲ったら開放してくれるんだろ?」
金一「漫画なんてくだらねぇ 俺はエペに命を賭けたいんだよ!」
金一「漫画はそこの漫画好きに 描かせればいいじゃないか」
じじい「バカ野郎!!」
じじい「お前は漫画を描かなければならない」
じじい「その才能があるんだ!! 目を背けるな!!!」
金一「バイオレンスだぜぇ・・・」

〇古いアパートの一室
銀二「じじいは俺に期待なんてしてねぇ」
銀二「本当に期待しているのは・・・ あのクソ兄貴なんだ・・・」
銀二「ずっとそうだ 俺は何一つ兄貴に勝てなかった」
銀二「運動も勉強も漫画も・・・ 俊敏なデブとかマジ気が狂いそうだぜ」
銀二「唯一勝てそうなのは顔だけじゃねぇか」
銀二「隣のあのオッサンが落とした原稿」
銀二「ペンネームは足塚だった」
銀二「じじいが認めた男・・・」
銀二「だから俺は! 絶対に負けられないんだよ!!!」
銀二「クソ兄貴も足塚も! 俺が超えてやる!!」

〇土手
銀二「今回も1日余裕をもって 最高の原稿ができたぜ」
ガキ「たこ焼きバズーカ!!! なんと俺の体が弾だぜぇ!!!」
銀二「あのクソガキ川に突っ込んでやがる」
ガキ「うわーん!! 誰か助けてぇ!!」
銀二「あきれたガキだ」
銀二「原稿が濡れるかもしれないしなぁ・・・ どうしたもんか」
ガキ「何とか自力で上がれたよぉ たこ焼きは不滅だぁ!!」
銀二「へっ何てことなかったな」

〇CDの散乱した部屋
よしお「月例賞、明日が締め切りっすね」
足塚おさむ「もうできたのだろう?」
よしお「二徹したっすからね」
足塚おさむ「俺は三徹したこともある!!」
よしお「そこ張り合わないでください」
足塚おさむ「早めに出すのか?」
よしお「そうしたがいいかなと」
足塚おさむ「じゃ、アイス買ってきてくれ!」
よしお「ワガママになってきましたね」
よしお「どうせ霊体で食べられないくせに」
足塚おさむ「お前の身体を一時的に乗っ取るさ」

〇土手
よしお(風が気持ちいいなぁ)
ガキ「うぇーい!! たこ焼き特攻隊だぜぇ!!!」
よしお「ん?」
よしお(あの子供あのまま突っ込むと 川に落ちちゃうぞ!!)
よしお「原稿が入った封筒が!! 強風で飛ばされていく!」
よしお(子供を助けるか? でも、それだと原稿が川に落ちてしまう!)
よしお「迷ってる暇なんてない!!」
ガキ「やべっ!!!」
ガキ「うわーん!!」
よしお(何とか助けられた)
よしお「キミ、大丈夫かい?」
ガキ「おじさん、ありがとう!!」
よしお「おにいさんだよ、おにいさん ほら、言ってごらん?」
ガキ「おじさんのおかげで 死ななくてすんだよ!」
よしお「・・・」
ガキ「じゃ、ありがとね!」
よしお「気をつけろよ!」
よしお「原稿は・・・」
よしお「流されていったか・・・」
よしお「子供が無事だったからいいか」
銀二「・・・」

〇CDの散乱した部屋
よしお「ただいま」
足塚おさむ「遅い! 俺のアイスは!!」
よしお「・・・」
足塚おさむ「絶対に忘れた顔じゃないか!」
足塚おさむ「俺が・・・俺がどんなに アイスを待ち望んでいたか・・・!」
足塚おさむ「ゲリゲリ君とアイスの木・・・ それにメロンバー!!」
よしお「そんなことより・・・」
足塚おさむ「ん?」
よしお「原稿、川に落としちゃいました」
足塚おさむ「は?」
よしお「まさかこんな結果に・・・」
足塚おさむ「見損なったぞ」
よしお「え?」
足塚おさむ「漫画家にとって大事な原稿を 川に落としただと?」
足塚おさむ「しかも、ヘラヘラと・・・」
足塚おさむ「そんなんだから隣の家のやつにも 軽視されるんだぞ!!」
足塚おさむ「漫画家なんか辞めちまえ!!」
よしお(まだ漫画家ではないけど・・・)
よしお「ちょっと堪えるなぁ・・・」
よしお「しかも10万円賭けてたんだっけ」
よしお(踏んだり蹴ったりだ)

〇CDの散乱した部屋
よしお(結果発表か・・・)
よしお(俺は出せなかったけど結果だけでも)
銀二「よお」
よしお「びっくりした!!」
銀二「この窓最高だな!」
よしお「結果発表すね」
銀二(窓から入るなと言われなくなったな)
よしお(俺は出せなかったけど それは言うまでもないな・・・)
銀二「さっさと結果見ようぜ」
よしお「分かってるって」
よしお「え?」
よしお「何で・・・この結果に・・・!!」
  つづく

次のエピソード:エピソード5

コメント

  • バイオレンスだぜぇ…お兄さんといい、銀二の家族ツッコミ所が多すぎ😂昔の漫画家はよく殴るんですかね?面白かったです!
    ライバルの葛藤とよしおの選択、次回どうなる…?

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