#6. 告白(脚本)
〇空
〇英国風の部屋
ルカ「さっきのニコラさんの言葉、 妙に引っかかるな・・・」
アンジェロ「ただの負け惜しみなのでは?」
サラ「大丈夫、 ニコラさんは口は悪いところがあるけど、 本当は悪い人ではないわ」
ルカ「だといいけど・・・」
ルカ「あの瞬間、 彼のサラへの気持ちが 憎しみに変わったように感じたのだか・・・」
ジョバンニ「まあ、 警戒するに越した事は無いだろう・・・」
ジョバンニ「だが 怪我人には休養が必要だ。 アンジェロも良さそうではあるが、何なら診察してやってもいいぞ」
アンジェロ「気づいてたのか!?」
ジョバンニ「医者を舐めるな 私を誰だと思っておる!?」
アンジェロ「いや・・・ 解剖されそうなので遠慮しておくよ・・・」
ジョバンニ「それは残念だな・・・」
〇空
〇レンガ造りの家
国民「あの家にまだ ヴァンパイア疑惑のヤツらがいるらしいぞ」
国民「国外追放になったのに まだ潜んでいるなんて」
ニコラ「皆騙されるな、 ヤツらは優しい顔をして 悪魔の囁きをするのだ」
ニコラ「隣人のフリをして 近くに潜むのだ」
ニコラ「今こそ、 その火を放とう!!」
ニコラ「ヴァンパイアを追放せよ」
「ヴァンパイアを追放せよ」
〇空
ルカ「そうはさせない!」
〇レンガ造りの家
アンジェロ「国民を煽動して火を着けようとはな・・・」
ニコラ「お前たちっ!?」
ルカ「約束を破り滞在している事は まずお詫びします」
アンジェロ「重傷の怪我人が一緒にいて 見過ごす事が出来ずにいた」
ルカ「落ち着きましたら 必ずしこの国を出ますので・・・」
ニコラ「騙されるかっ!? 今すぐ出て行くんだ」
ニコラ「ヴァンパイアを追放せよ」
「ヴァンパイアを追放せよ」
ニコラ「うわあぁーーーっ!! 水を撒きよった」
ルカ「あなたはサラの事を 愛してたのではないですか!?」
ニコラ「愛だと!? 憎しみの間違いではないのか!?」
ルカ「だとしても、 一度婚約者だと思った相手だ」
ルカ「傷付けるような事はするなっ!」
ニコラ「お前に私の気持ちなど 分かるものかっ!!」
ニコラ「クソッ、 ビショビショではないか!! 退散だっ!」
ルカ「今回は これでひとまず大丈夫か・・・」
アンジェロ「今回はな・・・」
〇英国風の部屋
サラ「ルカ、ごめんなさい 私のせいでニコラさんが・・・」
ルカ「起きてたのか!? サラのせいでは・・・ 元凶はむしろ俺たちだ」
ルカ「それに、俺たちはずっと こんな風に生きて来たんだよ」
サラ「えっ!?」
ルカ「裏切られたり、争い事が絶えない 毎日だった」
サラ「でも、あなたたちは私の事を信じてくれたわ・・・」
ルカ「それは、 サラだからだよ」
サラ「!!」
ルカ「まだ夜は明けない。 もう少し休んだ方がいい」
サラ「ルカ・・・」
サラ「出て行くなんて言わないでっ!!」
ルカ「えっ!?」
サラ「私はあなたと離れたくない」
ルカ「!!」
ルカ「ごめんサラ、 俺たちと一緒にいる限り危険が付きまとう。 君は傷が良くなったら家に帰るんだ」
ルカ「俺たちは この国を出なければならない」
サラ「だったら・・・」
サラ「私があなたに付いて行くわっ」
ルカ「一時の衝動で 物事を決めてはいけないよ 君は今、心も体も弱くなっているんだ」
ルカ「俺たちに付いて来るという事は、 これからもっと辛くて悲しい事ばかりが起きるかもしれないんだ」
ルカ「守りきれない事だってあるかもしれない」
ルカ「君は、君のいるべき場所がある」
サラ「ルカ・・・」
サラ「好きよ」
サラ「生まれて初めての気持ちだわ・・・」
ルカ「サラ・・・」
ルカ「それは、 俺と誰かの面影を重ねているせいじゃないのかい?」
ルカ「・・・っ!!」
サラ「ルシウスお兄様のことね・・・」
サラ「ルカとお兄様は 似てなどいないわ・・・」
サラ「あの絵のお兄様は 確かに少しルカに似ているところがあるわ 金の髪に目の色に・・・」
サラ「でも私はお兄様の色んな姿や表情も見て来たし、 ルカの色んな顔もどんどん知って行ったわ」
サラ「お兄様はお兄様。 ルカとはぜんぜん別の人だわ」
ルカ「!!」
ルカ「それでもごめん」
ルカ「君の気持ちには 答えられない・・・」
サラ「分かったわ・・・」
サラ「我が儘を言ってごめんなさい・・・」
ルカ「サラ ありがとう」
ルカ「おやすみ・・・」
サラ「おやすみなさい・・・」
〇宇宙空間
ルカ(素直に君を抱きしめられたら、 どんなに幸せなんだろう・・・)
ルカ(君の事を大切に思うからこそ 連れて行く事なんて出来ないんだ・・・)