第5話『ウンピース』(脚本)
〇大きな木のある校舎
〇教室の教壇
神道七海(しんどう ななみ)「とーみなーがくーん♪」
富永 薫(とみなが かおる)「神道さん──」
神道七海(しんどう ななみ)「持ってきたよ~♪」
富永 薫(とみなが かおる)「あれ?原稿?」
神道七海(しんどう ななみ)「雑誌から切り取って保管してるんだ」
富永 薫(とみなが かおる)「へぇ~! じゃあ早速読ませていただきます」
神道七海(しんどう ななみ)「どうぞどうぞ~」
富永 薫(とみなが かおる)「楽しみだなぁ~」
富永 薫(とみなが かおる)(昼休みにゆっくり読もっと──)
そして昼休み──
〇黒背景
・・・
・・・・・・
富永 薫(とみなが かおる)「こ・・・これは・・・」
〇大きな木のある校舎
富永 薫(とみなが かおる)「さ、今日はジャプンの発売日だから急いで帰らなきゃ」
〇本屋
富永 薫(とみなが かおる)(ん~!本屋の匂いっていいよなぁ~)
富永 薫(とみなが かおる)(本屋の匂いがする芳香剤・・・ あったら絶対買う!)
「すいません!」
富永 薫(とみなが かおる)(ん、何だ?)
本屋の店員「はい?」
本屋の客「すいません!トイレをお借りしたいのですが・・・」
本屋の店員「大変申し訳ございません。当店にお手洗いはございません──」
本屋の客「ええっ!?」
本屋の客「ウンピーが・・・ ウンピーが漏れそうなんです・・・」
本屋の店員「そう言われましても・・・」
富永 薫(とみなが かおる)(ウンピー・・・)
本屋の店員「近くにコンビニがありますので、 そちらへ行かれては・・・」
本屋の客「『コンビニをトイレ代わりに使わない』 それが私のポリシーでして・・・」
本屋の客「んぐぅ・・・だ・・・第2波の ウンピーが・・・」
本屋の店員「第2波と言われましても・・・」
富永 薫(とみなが かおる)(おじさん・・・漏らしちゃったら ポリシーより大事なモノを失うって)
本屋の客「従業員用のトイレ・・・がありましたら・・・そちらを・・・お借り・・・」
本屋の客「ふっ!むはぁ~!!ウェーブ2の ウンピーがぁぁぁ──」
本屋の店員「ウェーブ2と言われましても・・・」
本屋の店員(糞するの分かってて貸したくないって・・・)
本屋の店員(我慢してるから絶対爆発するじゃん・・・)
本屋の店員(掃除するのは私なのよ──? 嫌ぁ~!!!!)
本屋の客「あの~」
本屋の客「お金、お支払致します・・・ トイレも綺麗にします・・・」
本屋の客「どうか・・・ウンピーを・・・」
本屋の店員(お金!?)
本屋の店員「し・・・しょうがないですね! 今回は特別ですよ」
本屋の客「ありがとうございます」
本屋の客「それではお借りします」
本屋の店員「ラッキー!」
本屋の店員「ウンピーでピース!略して・・・」
本屋の店員「ウンピース!!」
富永 薫(とみなが かおる)(ウンピース・・・)
富永 薫(とみなが かおる)「いや、そんな事よりジャプンを買わないと」
〇本屋
富永 薫(とみなが かおる)「ジャプンGET──・・・あれ?」
富永 薫(とみなが かおる)「何だこの本・・・」
富永 薫(とみなが かおる)「週刊中年シャンプー・・・?」
週刊少年ジャプン──
週刊少年サデーン
週刊少年マジガン
週刊少年チャンピンオ
それらのヤングシリーズ──・・・
富永 薫(とみなが かおる)「漫画雑誌は全部チェックしてたはずなんだけどな」
富永 薫(とみなが かおる)「最近出たやつなのかな?」
富永 薫(とみなが かおる)「ん?」
富永 薫(とみなが かおる)「滝澤君・・・」
富永 薫(とみなが かおる)(アイ食べって、 この雑誌の読み切りだったのか・・・)
富永 薫(とみなが かおる)「買ってみるか」
〇本棚のある部屋
富永 薫(とみなが かおる)「じゃあ早速ジャプンを読む・・・より先に シャンプー読んでみよっかな」
富永 薫(とみなが かおる)(表紙に編集長・・・謎だ・・・ 謎過ぎて──惹かれる)
富永 薫(とみなが かおる)(違うよ!編集長にドキドキしたわけじゃないからね!勘違いしないで)
富永 薫(とみなが かおる)(って、誰に言ってんだ)
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「付録のポスターって編集長だったのか・・・」
富永 薫(とみなが かおる)「じゃあ裏も?」
富永 薫(とみなが かおる)「さっきから同じ顔っ!!」
富永 薫(とみなが かおる)「ってツッコむとこそこじゃないか・・・」
富永 薫(とみなが かおる)「これは誰得のポスターなんだ」
富永 薫(とみなが かおる)「ま、まぁ~それは置いといて」
富永 薫(とみなが かおる)「一体どんな漫画が連載されてるんだろうな」
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「待たせ過ぎだろ!!」
富永 薫(とみなが かおる)「それでも続いてるって事は、根強いファンがいるんだろうな・・・」
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「何で拳を上げた!?」
富永 薫(とみなが かおる)「ってか、顔全然違うじゃん! 途中から帽子被ってるし・・・」
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「片方のアゴの奴が 俺と同じ事言ってるし!!」
富永 薫(とみなが かおる)「片アゴと同意見って何か嫌だなぁ・・・」
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「そもそも何でこんな画力で連載出来るの!?」
富永 薫(とみなが かおる)「内容も意味分からないし この雑誌、何か変だぞ・・・」
「もしもし」
富永 薫(とみなが かおる)「山崎君、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
富永は週刊中年シャンプーの事を
山崎に説明した──
山崎「いやぁ~、そんな雑誌知らないよ」
富永 薫(とみなが かおる)「やっぱり山崎君でも知らないんだ」
山崎「自主製作したやつ本屋に置かせてもらってるんじゃない?」
富永 薫(とみなが かおる)「そんな本、置いてくれるようなお店じゃないと思うんだけどなぁ」
山崎「お金払って置かせてもらってるとか 経営者がつくった雑誌だったりね(笑)」
富永 薫(とみなが かおる)(雑誌をつくって店頭に置くか・・・)
富永 薫(とみなが かおる)(神道さんなら出来そうな気が するんだけどな・・・)
富永薫が困惑してる頃──
〇田舎の総合病院
滝澤海斗はおばあちゃんがいる
老人ホームに来ていた──
ここは神道七海の父が経営している
老人ホームである
〇綺麗な一人部屋
滝澤海斗(たきざわ かいと)「おばあちゃ~ん」
おばあちゃん「かいちゃん、また来てくれたんかい」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「ほんとは毎日来たいんだけどね 最近忙しくて・・・」
おばあちゃん「忙しいって事は・・・ 漫画、うまくいっとるんかい?」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「うん!もうすぐ僕の漫画が連載するんだ」
おばあちゃん「かいちゃんは、すごいのぉ~」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「すごくなんかないよ~! ちょっと行き詰まってるし」
おばあちゃん「行き詰まってるって事は、うまくいってる証拠なんじゃないんかい?」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「えっ、そうなの??」
おばあちゃん「それまでがうまくいってる時しか行き詰まらないんじゃないかい?」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「あ~、そうかもしれない」
おばあちゃん「うまくいってない時によく行き詰まると言うがな、行き詰まったと思ったって事は」
おばあちゃん「それまではうまくいっていたんじゃろ? だから行き詰まったら──」
おばあちゃん「それまではうまくいってたんだと自信を持ちなさい・・・なんじゃ」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「そっか──」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「そうだったのか・・・ 元気が出てきたよ!」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「ありがとう、おばあちゃん」
おばあちゃん「うんうん」
〇綺麗な一人部屋
滝澤海斗(たきざわ かいと)「じゃ~そろそろいくね!」
おばあちゃん「またいつでもおいでなのじゃ」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「またね!」
おばあちゃん「ばいば~い!──・・・なのじゃ」
おばあちゃん「ふぅ──」
???「・・・」
???「おいっ! もっとおばあちゃんになりきれよ!」
???「何か言ってる事おかしかったぞ!」
???「ごめんなさい・・・おばあさんがどう話すのか分からなくて」
???「精一杯やってはみたのですが」
???(確かに60歳も上の人がどう話すかなんてわかんねぇよな)
???「ま、まぁ・・・バレねぇように頼むわ」
???「了解致しました」
〇空
〇本棚のある部屋
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「缶コーヒーが筋肉に効くって何?」
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「筋肉のバケモンがきたよ」
ペラッ
富永 薫(とみなが かおる)「缶コーヒーでへばってんじゃん・・・」
週刊中年シャンプーって──
意外と読めるかも?と思い始めた
富永なのであった。
富永 薫(とみなが かおる)「思ってないって!」
富永 薫(とみなが かおる)「って誰に言ってんだか・・・」
コロナ罹患、お疲れ様でした🙇♀️
滝澤くん、自分の身内の声の変化も気付かなかったのか、はたまた少女の声がくりそつ過ぎたのか、すごい気になる展開がうんぴーよりも短かったように感じますのは、コッチザスコッチ様の成せる技でございましょう…
物凄く続きが気になるので、読ませていただきます👍
なんてこった、このままじゃお婆ちゃんが成長してしまう!?
そしてシャンプー、やはり尖った作品にはコアなファンがついてくるのですね…また新たなるファンが1人……
おばあちゃん死んじゃってて謎の少女がなりすまし!?編集長グラビアつきの週間中年シャンプーの衝撃的(!?)すぎる内容にツボりました(笑)