綺麗な石

大饗ぬる

エピソード6(脚本)

綺麗な石

大饗ぬる

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〇血しぶき
  そういえば、この石を手に入れてからいろいろなことが起きるようになった気がしてきました。
  最初は気づかない程度に。
  あの綺麗な石は、良いことも悪いことも極端にかなえてくれたんじゃないか、そんな風に思いました。
  綺麗な石に職場がきついと話しかければ小沢さんが事故を起こし、
  夫が酷い、と思えば、
  原因不明の病で倒れさせ、
  そして小泉さんは急性心不全で亡くなってしまうという、
  思いもしないカタチで私の思いは成就されていく・・・
  綺麗な石が引き起こしたのだと考えると、綺麗に見えていた輝きが不気味なものに見てきました。

〇川沿いの原っぱ
  私は思い立つと、近所の河川敷に行きました。
  思い切って綺麗な石を投げ捨てました。
  ぽちゃん
  と、音がして、沈んでいきました。
  河川敷の小さな公園のベンチに座り、呆然と楽しそうに遊ぶ子供たちを見ていました。
  どれくらい経った頃でしょう。
  携帯電話が再び鳴り、恐る恐る電話を取ります。
『私』「もしもし・・・」
病院の人「旦那さんが意識を取り戻しましたよ! 早く来て姿を見せて、安心させてあげてください!!」
『私』「ほ、本当ですか・・・?」
病院の人「本当ですよ! 旦那さんも奥様のことを心待ちにしていますよ!!」
  自分のことのように嬉しそうに話してくれる女性の声があたたかくて、また泣いてしまいました。

〇病室のベッド
『私』「『夫』さん・・・!!」
夫「心配かけたな」
  病衣のままの夫が子供を可愛がるように撫でてくれました。
『私』「どこも痛くない? 大丈夫なの?」
夫「もう元気元気!」
  拳を上げて、健康だとアピールする夫が微笑ましくて、思わず笑ってしまいます。
夫「ん? ・・・なんだこれ」
  夫が握りしめていた拳を私にも見えるように開いてくれます。
  ゆっくりと開かれていく手のひらにあったもの。
  それは──

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