エターナル・ヘリックス

糸本もとい

第3話「土地」(脚本)

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〇車内
  翌日、正午
東郷雄太「すみません、千葉さん」
千葉雅文「なにがだい?」
東郷雄太「いや、運転させてしまって」
千葉雅文「ああ、それか。気にしないでくれ」
千葉雅文「私は自分以外が運転する車は苦手なんだ。言ってなかったかな」
東郷雄太「そうだったんですか。それで、いつも運転を」
千葉雅文「ああ、乗り物は自分で運転するに限る」
千葉雅文「さて、そろそろ到着だ」
東郷雄太「俺を呼び出すのは構いませんが、千葉さんを呼び出すなんて・・・」
東郷雄太「遠野さんも、なにを考えているのか」
千葉雅文「まあ、たまにはいいさ。あの件について、だろうしね」
東郷雄太「宮成の件ですか」
千葉雅文「ああ、憑坐については憑坐で解決したいんだろう」
東郷雄太「まさか、千葉さんに指示するつもりじゃ」
千葉雅文「その可能性もあるだろうな」
東郷雄太「新皇の憑坐である千葉さんに、なにかをさせようなんて、おこがましいです」
千葉雅文「それを言ったら、彼も高祖宣帝の憑坐だよ」
東郷雄太「しかし・・・」
千葉雅文「まあ、話は聞いてやろうじゃないか」
千葉雅文「螺旋機関の意向も無視はできないことだし」
千葉雅文「もとより、この地で好き勝手をさせる気はないのでね」
東郷雄太「はい。東京、いえ、東国は、千葉さんが治める地です」

〇東京全景

〇施設の展望台
遠野篤志「御足労をおかけしました」
千葉雅文「いえ。たまには、この関東平野を眺望するのも悪くないですよ」
遠野篤志「そう言っていただけると助かります」
遠野篤志「千葉さんにお願いするには、この場所がふさわしいかと思いまして」
千葉雅文「私に、なにをさせたいのですか?」
遠野篤志「単刀直入に申します。宮成の処理です」
千葉雅文「私に?」
遠野篤志「はい。千葉さんと東郷さんにお願いしたく・・・」
東郷雄太「あの男の処理は、遠野さんの管轄では?」
遠野篤志「その通りです。しかし、この地では、私の手に余ります」
東郷雄太「いくらでも手はあるでしょう」
東郷雄太「そのために遠野さんは警察にいるのでは?」
遠野篤志「そうです。なので、私には自由な裁量はない」
千葉雅文「機関の意向で自由に動けないと言いたいのですか?」
遠野篤志「はい。機関は今回の件を、実験の一つと捉えています」
千葉雅文「それは、彼の国の意向ですか?」
遠野篤志「はい。私は、国民への被害が出る前に、早々に事を処理したいのです」
千葉雅文「それで、私と東郷くんですか」
遠野篤志「はい。この土地に生きる命のために、ご助力願いたいのです」
千葉雅文「私が断りづらい言い回しですね」
千葉雅文「いいでしょう。彼の処理は、私と東郷くんで行ないましょう」
千葉雅文「東郷くん、いいかな?」
東郷雄太「千葉さんがそう仰るなら・・・」
遠野篤志「ありがとうございます」
千葉雅文「ただ、私たちは、あなた方の指揮下に入るつもりはありませんよ?」
遠野篤志「もちろんです。処理の方法などについてはお任せします」
千葉雅文「結構。では、処理の後の諸々はお任せしましょう」

〇広い公園
  同日、夜。代々木公園
オジマンディアス「この辺でいいだろう」
オジマンディアス「この距離では、お互い霊圧で認識しているのだ。姿を見せるがいい」
千葉雅文「わざわざ、私たちに都合のいい場所まで移動してくれた理由を聞いても?」
オジマンディアス「ふんっ。余は寛大なのだ。向ってくる者があれば相手はしてやる」
千葉雅文「もう一つ訊きたい。螺旋機関との繋がりについて」
オジマンディアス「策士もどきの連中がどうしたというのだ」
千葉雅文「あなたは自らの行動が螺旋機関に利用されているとは思わないのか?」
オジマンディアス「逆だな。余は、利用できるものは利用する」
東郷雄太「どうりで情報が筒抜けなわけだ」
オジマンディアス「余を前にして、臆さずに前に出るか」
オジマンディアス「良い。その胆力に免じて、余が直々に手を下そう」
オジマンディアス「この地に根差す者よ。存分に、その力を発揮してみよ」
源為朝「俺の攻撃を受けても、その大口を叩けるか試してみよう」
平将門「この地の霊脈は幾重にも我らのもの」
平将門「神格の座に列した我らにとって、土地がどれほど重要かを教えてやろう」
源為朝「弓張月!」
オジマンディアス「ラムセウム・テモノス!」
源為朝「喰らえ!」

次のエピソード:第4話「分裂」

コメント

  • 戦闘シーンなどの演出、すごく参考になります。
    新たなキャラが登場するたびに「ここから来たか!」とワクワクします。

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