最終話 あなたの隣で(脚本)
〇女性の部屋
◆あらすじ◆
目覚めためぐり。
夢の中の出来事は記憶になかったが
何かに急きたてられるように
ゲームをする。
上水流 めぐり「まずはタイサイから!」
〇中規模マンション
〇女性の部屋
上水流 めぐり「くぅ、ツンデレ義弟かわいい! 子どもの頃から温めてきた初恋が 実ってよかったねぇえ!」
上水流 めぐり「はー、ピュアピュアだった♪ 義弟可愛い。 つい徹夜で攻略しちゃったよ」
上水流 めぐり「これが人気投票一位の実力、 タイサイ恐ろしい子!」
上水流 めぐり「ひと眠りしたら、 次はおっとりマイペースのユーヅツだ!」
〇中規模マンション
〇女性の部屋
上水流 めぐり「くぁああ~っ! ユーヅツ!! おとなしそうに見えて、 これまでで一番えっちだったかも!」
上水流 めぐり「シナリオもそうだけど、 声優さんの熱演でエロさ10倍増し!!」
上水流 めぐり「いいんですか、これCERO Bで!」
上水流 めぐり「ギリギリを狙って来たのかな? ダークホースだよ、ユーヅツ!」
上水流 めぐり「よし、また仮眠をとって、 次はメルク王子ルートにGO!」
〇中規模マンション
〇女性の部屋
上水流 めぐり「なんか これまでとは別視点の物語だったな。 ま、隣国の王子だからね」
上水流 めぐり「いや、自分とこも十分大変なのに、 隣国助けてる場合じゃないよ メルクニキ!」
上水流 めぐり「それなのに助けちゃうのが、 メルク兄貴なんだなぁ」
上水流 めぐり「ふぁ、ねむ・・・。 ちょっとだけ寝よう。 アラームをセットして・・・」
〇中規模マンション
〇女性の部屋
上水流 めぐり「さて、いよいよ 俺様簒奪王ヒナツルート」
上水流 めぐり「正直あまり好きなタイプじゃないけどね。 他のキャラと仲良くなりすぎないように 気をつけなきゃ」
上水流 めぐり「無理に攻略しなくてもいい気がするけど。 でも・・・」
上水流 めぐり(なぜか急き立てられる。 心がざわざわする・・・)
上水流 めぐり(彼のエンディングを 絶対に見なきゃいけない気がする)
上水流 めぐり「よし・・・!」
〇けもの道
【ヒナツ】
無事か、チヨミお嬢様!
【チヨミ】
ヒナツ・・・!
【盗賊】
このガキ!!
【ヒナツ】
来いよ! お嬢様は渡さねぇ!
〇女性の部屋
上水流 めぐり「このシーンは何度見てもいいよね。 ショタナツ良き♪」
上水流 めぐり「この頃のままならよかったのに」
〇謁見の間
【ヒナツ】
ソウビが言うのだ。
今のままでは臣下も俺を侮ると。
女の尻に敷かれている王で
あってはならないと、な。
【ヒナツ】
まぁ、そういうわけだ。
荷がまとまり次第、離宮へ移れ。
従者も好きに連れて行っていいぞ。
【チヨミ】
・・・っ
ヒナツのばかっ!!
〇女性の部屋
上水流 めぐり「このわからずや俺様野郎!! 選択肢に「殴る」を実装して!! 「殴る」ボタンをよこせ!」
〇大樹の下
【チヨミ】
ヒナツと、戦いたくないなぁ・・・
あんな戦の神の化身のようなヒナツと
刃を交わすなんて・・・。
【チヨミ】
ううん、そうじゃない。
私、今もヒナツが好きなんだ。
〇女性の部屋
上水流 めぐり「自分でプレイしといてなんだけど・・・」
上水流 めぐり「チヨミ、悪いこと言わないから 他のにしときな! タイサイとかさ」
上水流 めぐり「単体推しならテンセイだけど、 カプ推しだとタイサイ×チヨミだな」
上水流 めぐり「ヒナツはないかも」
〇謁見の間
【チヨミ】
ヒナツ、一番伝えたい言葉を
私はまだ言ってない!
【ヒナツ】
うるさい!
お前の口から出てくるのは、いつも
俺を否定する言葉ばかりだ!
【チヨミ】
聞いてヒナツ、私は・・・!
【ヒナツ】
黙れぇえ!!
〇女性の部屋
上水流 めぐり「ぎゃー、ヒナツ強すぎて 全然HP削れない!!」
上水流 めぐり「なんだよ、ダメージ一桁って! 勝てないってこれ!!」
〇謁見の間
【村の老人】
今すぐそこをどいてくれ!
あんたを憎みたくないんだ!
【チヨミ】
・・・・・・。
【チヨミ】
ヒナツ、伝えたかった言葉、言うね。
【ヒナツ】
・・・・・・。
【チヨミ】
昔、盗賊から私を助けてくれたよね。
あの日から、ずっと好きだよ。
【チヨミ】
この命は、この魂は、
あなたがいたから今ここにあるの。
だからね。
【チヨミ】
今度は私が、ヒナツの命を救う番
〇女性の部屋
上水流 めぐり「チヨミ・・・。 そうか、チヨミにとってヒナツは 恋愛の相手という以上に 「恩人」なんだね」
上水流 めぐり「でも、もっと自分を大切にしようよ チヨミ・・・」
上水流 めぐり「うわ、もうこんな時間。 三連休、 がっつりゲームでつぶれちゃったな」
上水流 めぐり「明日から仕事か、やだなぁ・・・」
上水流 めぐり「とりあえずはラストまで見ちゃおう」
〇けもの道
【ソウビ】
はぁ、はぁ、はぁ・・・
【ソウビ】
どうして・・・
どうして私がこんな目に・・・!
【テンセイ】
・・・・・・・・・
【ソウビ】
テンセイ・・・、
お願い、見逃して
【テンセイ】
・・・・・・。
【テンセイ】
ソウビ殿、どうぞこちらへ。
チヨミ殿のご意志です。
貴女の身柄をお預かりします。
〇女性の部屋
上水流 めぐり「えっ?」
上水流 めぐり「これまでだと、ソウビはここで テンセイに殺されていたのに。 展開が違う・・・!」
〇謁見の間
【チヨミ】
ヒナツ、あなたを北の塔に拘束します。
そこで静かに余生を過ごしてください。
【チヨミ】
私も、付き合うから・・・。
【ヒナツ】
・・・・・・。
【ラニ】
チヨミ、本当に私が王に?
こんな未熟な私が国を背負うなんて
荷が重すぎですわ。
【チヨミ】
多くの民が、
ラニ様を女王にと望んだのです。
【ラニ】
チヨミ、側にいてくれませんの?
【チヨミ】
大丈夫です、ラニ様。
ラニ様のことはテンセイ、ユーヅツ、
タイサイがしっかりと支えますから。
【ラニ】
・・・お姉さまは、
どうなってしまわれるの?
【テンセイ】
ご心配なく、ラニ様。
ソウビ殿は、
自分の家で身柄をお預かりします。
【ソウビ】
・・・!
【テンセイ】
かつては婚約者であった間柄に
ございます。
ユリスディの家で
責任持って面倒を見ましょう。
【テンセイ】
幽閉にちょうど良い部屋も
ございますゆえ。
〇女性の部屋
上水流 めぐり「ソウビ、テンセイの家に幽閉されるの!?」
上水流 めぐり「えー、やだなぁ。 もしかしてずっと一緒ってこと?」
上水流 めぐり「テンセイは私のだから、 別の女を家に連れ込まれるのやだなぁ。 やだやだ、やだぁ」
上水流 めぐり「あ、あれ・・・? どうして涙が・・・」
上水流 めぐり「いや、 確かにソウビ連れ込まれるの嫌だけど、 泣くほどじゃ・・・」
どんな形でもいい。
貴女と同じ世界で
寄り添えるなら・・・
上水流 めぐり(なんだろう、今の言葉・・・。 どこかで聞いた気がする・・・)
上水流 めぐり(わからない、でも・・・。 テンセイとソウビが一緒にいるのを 見てると胸が苦しい・・・)
上水流 めぐり(涙が止まらない・・・)
上水流 めぐり(それになぜだろう。 「よかった」って、私思ってる・・・)
上水流 めぐり「・・・・・・」
上水流 めぐり「よし、これで全クリ。 あ~、達成感!」
〇女性の部屋
上水流めぐり(今夜はいい夢が見られそう・・・)
架空の世界と思われているものは、
実在している異世界の可能性もある
上水流めぐり(何だこの声・・・)
上水流めぐり(ま、いっか。 もう眠さ限界・・・)
〇白
〇宮殿の部屋
ソウビ・アーヌルス(ん? ここって・・・)
ソウビ・アーヌルス(王の寝室じゃない!? ちょ、ちょっと待って!?)
ソウビ・アーヌルス(あれ? なんかいろいろ思い出してきたぞ)
ソウビ・アーヌルス(そうだ、私、夢の中では ガネダンのソウビで、それで・・・)
ソウビ・アーヌルス(私、また ヒナツの愛妾に戻ってる!?)
ソウビ・アーヌルス「どこ!? 今度はどこからやり直しなの!?」
ソウビ・アーヌルス「てか、既にヒナツに 寝室連れ込まれてる!?」
ソウビ・アーヌルス「いやぁああああ!!」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿? いかがなされましたか?」
ソウビ・アーヌルス「テンセイ!? あれ、私・・・」
テンセイ・ユリスディ「・・・・・・」
テンセイ・ユリスディ「メグリ殿?」
ソウビ・アーヌルス「! その名前・・・」
テンセイ・ユリスディ「寝ぼけておいでですかな、メグリ殿」
テンセイ・ユリスディ「おはようございます。 親愛なる女王にして、 我が愛する妻」
ソウビ・アーヌルス「女王・・・?」
ソウビ・アーヌルス「妻ぁ!?」
テンセイ・ユリスディ「ふふ、お忘れですか? それとも別の世界の記憶で 混乱しておいでですか?」
ソウビ・アーヌルス「別の、世界の記憶・・・」
テンセイ・ユリスディ「貴女は大勢の民に望まれて女王となり、 自分を伴侶に選んでくださったのですが」
ソウビ・アーヌルス(言われてみれば、 だんだん思い出してきた・・・)
ソウビ・アーヌルス(ヒナツは北の塔へ幽閉、 チヨミも他の仲間と共に一家臣へ)
ソウビ・アーヌルス(そしてラニは、テンセイの家で 幽閉と言う名で保護されている・・・)
ソウビ・アーヌルス(私は即位して、 テンセイと結婚式を挙げた・・・!)
ソウビ・アーヌルス(え? 結婚式!?)
ソウビ・アーヌルス「夫婦!? 私とテンセイが!? うぼぁあああああ!!」
ソウビ・アーヌルス「無理、死ぬ。召される!! 私ごときが大天使テンセイを 毒牙にかけてしまうとは、 おほぁあぁあああ!!」
ソウビ・アーヌルス「やばい、幸せ!! 待って、 私、前世でどれだけ徳を積んだの!?」
ソウビ・アーヌルス「推しと夫婦とか! あぁああああ!!」
テンセイ・ユリスディ「相変わらずですな、ははは」
テンセイ・ユリスディ「愛していますよ、俺の大切な人」
テンセイ・ユリスディ「自分を大切に想ってくれる存在との邂逅、 それは何という奇跡でありましょう」
テンセイ・ユリスディ「どんな形でも側にいられれば、 そんな願いがまさかこのような 最上の形で叶うとは」
テンセイ・ユリスディ「触れても良いですか、その頬に」
テンセイ・ユリスディ「あぁ、あたたかい・・・、 俺は何という幸せ者だろう」
テンセイ・ユリスディ「愛しい人、 命尽きるまで貴女と共にあることを 許していただけますね?」
『寵姫は正妃に庇護を求む』
◆END◆
面白くて一気に読んでしまいました。
テンセイも素敵ですが、私はユーヅツが好みです(^^)
遅ればせながら、完結おめでとうございます&お疲れ様でした。
乙女ゲーなどまったく知らなかったのに、読まずにはいられない物語でした。読むというよりはゲームをプレイしている様な、或いは実況かリプレイか。兎に角、入りやすかったです。妹にオススメでも聞いてみようかな……❤
最終回見届けさせていただきました、ありがとうございました!素敵な終着点でした。
平行して続いてた、良かった~!!果てしなくお幸せに💕
めぐりがゲームをプレイする感想がリアルすぎましたwww
ガネダン、普通にプレイしてみたいですね。
勿論ボイスありでw(ユーヅツ、どんな風にえっちなんだ!)