絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード11(脚本)

絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

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〇海辺の街
  出会いは不思議
  例えばその人が生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  エピソード11
  ──そして機は熟した──
  日真島

〇田舎の学校
  日真島高校

〇教室
  2年1組
  数学の授業
梨田先生「いいな!問題解けるまで帰れないぞ。 この前教えた因数分解の公式を思い出せ!」
  生徒たちのざわめき
梨田先生「聞こえてるか栗山!特にお前に言ってるんだぞ!」
栗山貴理子(ヤバい・・・ロックオンされてる)
栗山貴理子(この世界から数学なんて無くなればいいのに)

〇教室
  2年2組
  英語授業
橋本先生「感嘆文について、whatとhowをどう使い分けるかの例文になります。この2つの形はとても重要ですので覚えておくようにね」
長峰春奈(感嘆文?・・・何にも簡単じゃないし)
長峰春奈(さっぱりわからん)
長峰春奈(終わった──!)

〇学校の下駄箱
長峰春奈(何してるのよ貴理子)
栗山貴理子「春奈お待たせ。数学攻撃からようやく脱出。ただいま帰還しました!」
長峰春奈「もう!貴理子はいっつも遅いんだから!急いで帰るよ」
栗山貴理子「急がなくても大丈夫だよ。典ちゃんより先に着くから」

〇高速道路

〇車内
中島拓哉「ABABテレビでの収録は久しぶりだよ」
前田美里「宮本君に頼んで番組に参加させてもらったの」
前田美里「彼に会ったらちゃんと挨拶しなさいよ」
中島拓哉「了解」

〇大企業のオフィスビル
  ABABテレビ局

〇コンサートの控室
  ABABテレビ局 控え室
宮本大志「今日の収録は期待してるよ拓哉」
  宮本大志
  ABABテレビ局 プロデューサー
中島拓哉「はい」
宮本大志「それにしても拓哉。マネージャ―で最強スペックを手にしましたね。お手柔らかにお願いしますよ前田さん」
前田美里「宮本君こそ久しく見ないうちに紳士になったわよ。人間って変われるんだね」
宮本大志「ほら!早速いじめる」
前田美里「褒めてるのよ」
宮本大志「前田さん・・・少し2人で話せる?」
前田美里「えっ?いいわよ」

〇施設の休憩スペース
前田美里「どうしたの?」
宮本大志「あのさ」
宮本大志「拓哉だけど今度バラエティー挑戦してみない?無理なら諦めるけど・・・」
前田美里「・・・」
前田美里「私からも是非お願いしたいわ」
宮本大志「いいの?意外だな」
前田美里「今後は何でもやらせるつもりよ」
前田美里「彼にはもっと成長してほしいからね」
宮本大志「了解」
前田美里「それでどんな企画を予定してるの?」
宮本大志「一週間ほど田舎暮しをさせてみようかと」
前田美里「田舎暮し?」
宮本大志「芸能人の日頃見れない表情が人気でスポンサーもつきやすいからね」
宮本大志「まだ思案してる最中だから、企画の骨格は定まってないけど」
宮本大志「前田さんも企画でいい意見があったら連絡してよ」
前田美里「了解」

〇海辺の街

〇カウンター席
  喫茶クリヤマ
小野寺剛士「最近ここでよく会うな・・・何か訳ありか?」
  小野寺剛士33歳独身。
  彼女いない歴8年。
  日真島の漁師で家族で民宿経営
岩田哲夫「別にいいだろ!お前に迷惑でもかけたか?」
  岩田哲夫33歳独身。
  彼女いない歴7年。
  日真島で両親と農業を営む消防団団長
栗山美香子「こらこら!あなた達同級生でしょ!いい大人なんだから仲良くしなさい!」
栗山貴理子「ただいま」
長峰春奈「おばさんおじゃまします」
栗山美香子「お帰り!典ちゃんはまだ来てないよ」
長峰春奈「こらこら!そこの2人!可愛い女子高生が帰って来たのに挨拶も出来ないの?」
長峰春奈「これが同じ高校のOBかと思うと情けないわ」
栗山貴理子「期待してた人と違ったから仕方ないよね!」
長峰春奈「えっ?何の話?」
栗山貴理子「ほら!お目当ての人登場よ」
倉田典子「ごめんね!遅れちゃった・・・」
長峰春奈(なるほど・・・分かりやすいわ)
倉田典子「あれ!小野ちゃん岩ちゃん」
小野寺剛士「おう!元気か?」
岩田哲夫「典ちゃん偶然だね。仕事終わりにコ―ヒ―が飲みたくなってね」
倉田典子「そうなんだ。お二人ともお勤めご苦労様です」
倉田典子「そうそう!岩ちゃんにこの前もらったブドウね、駄菓子屋のおばちゃんにお裾分けしたらムチャ喜んでたよ!」
倉田典子「岩ちゃんにお礼言っておいてって!」
岩田哲夫「そんなことぐらいでお礼なんて要らないよ!」
岩田哲夫「誰にでも喜んでもらえるだけで俺は幸せだからさ」
小野寺剛士(岩田の野郎!いつの間に?)
倉田典子「小野ちゃんもこの前お刺身ありがとね」
倉田典子「やっぱプロが捌いた刺身は違うね!ここに来てからお魚がムチャ好きになったよ」
小野寺剛士「また典ちゃんに持って来てやるよ!楽しみにしてな」
倉田典子「うんありがと!楽しみにしてる」
岩田哲夫(小野寺の野郎!いつの間に?)
岩田哲夫「俺は今度メロン持って来てやるよ」
小野寺剛士「典ちゃん!何か必要なモノがあったら俺に言いな!何でもそろえてやるから!」
岩田哲夫「典ちゃん!島で迷子になったらすぐ連絡しな!どこでも俺が迎えにいくから」
長峰春奈「いつまで続くの?この猿芝居」
栗山美香子「誰かが止めないと永遠に続きそうね」
栗山貴理子「典ちゃん・・・もうそろそろミ―ティングしようか」
倉田典子「うん」
倉田典子「小野ちゃん岩ちゃんごめん!また今度ね」
小野寺剛士「おう!またな」
岩田哲夫「典ちゃんバイバイ!これより自宅に帰還しま──す」
倉田典子「よし!じゃあ始めよか」

〇海辺の街

〇カウンター席
倉田典子「春奈と貴理子が集めてくれた島の情報は、今後も大いに活用していくね」
長峰春奈「了解」
栗山貴理子「友だちも手伝ってくれるから典ちゃんが上手に編集して」
倉田典子「問題はホ―ムページね・・・」
長峰春奈「まだ停滞中?」
倉田典子「説得はしてるけど・・・」
倉田典子「おっ!来た来た」
長峰春奈「誰?」
倉田典子「君たちに私の友だちを紹介しようと思って呼んだの」
栗山貴理子「んっ?」
山路みゆき「初めまして。山路みゆきです」
長峰春奈「長峰春奈です」
栗山貴理子「栗山貴理子です」
倉田典子「彼女はホ―ムページ作成のスペシャリストだからこれからも宜しくね」
倉田典子「みゆきごめんね。私の説得が不甲斐なくて。ちょうど今ホ―ムページの話をしてたとこよ」
山路みゆき「大丈夫よ典子・・・間もなく許可されるから」
倉田典子「えっ!何か方策でもあるの?」
山路みゆき「えっ?」
山路みゆき「えぇっと・・・ちょっと」
山路みゆき「おまじないしてみたから?」
倉田典子「みゆき凄いわ!ギャグのセンスも抜群ね」
長峰春奈「みゆきさん最高!」
栗山貴理子「最強タッグよ典ちゃんとみゆきさん!この2人ならどんな問題も一発で解決よ」
山路みゆき(ウケた?)
栗山美香子「典ちゃん・・・そろそろ宜しく」
長峰春奈「どうしたのおばさん?」
栗山美香子「典ちゃんと契約したの・・・ ありがたいことに無償でね」
栗山貴理子「はぁ?何を」
栗山美香子「自覚していないあなた達に目覚めてもらおうと思ってね・・・」
栗山美香子「お忙しい中すみませんね山路さん。あなたの事は典ちゃんからお聞きしてます。ご指導宜しくお願いいたします」
山路みゆき「了解です。こちらのお嬢様からも典子と私は最強タッグとお褒めの言葉を頂きましたので、ご要望の問題解決に力を注ぎます」
倉田典子「はい!君たち・・・これからお勉強の時間です」
長峰春奈「はぁ?」
栗山貴理子「えっ?」
倉田典子「君たちの成績は親御様からお聞きしました」
倉田典子「特に英語と数学は目も当てられませんね」
倉田典子「私とみゆきが臨時講師になるので覚悟しなさい!」
長峰春奈「典ちゃんごめん!お母さんから今日は早く帰るように言われてたわ」
倉田典子「春奈・・・嘘はいけませんね」
栗山美香子「春奈ちゃんのお母様からも徹底的にご指導をとお願いされてます」
倉田典子「さてと・・・最強タッグの指導を思う存分堪能してもらおうかしら」
山路みゆき(フフ・・・)

〇海辺の街
  そして
  機は熟した

〇役所のオフィス
  日真島役場
村下幸三「どんなご相談にも応じますので何なりとお申し付け下さい」
高橋修平「今まで数々のご無礼をどうかお許し下さい。今後は倉田さんのご意見は全て尊重致します」
村下幸三「お茶をご用意しました」
倉田典子「ご親切にどうも」
高橋修平「こちらはクッキーです」
倉田典子「村下さんも高橋さんもどうされました?昨日までと雰囲気が全く違いますけど?」
村下幸三「そんなことありませんよ」
高橋修平「昨日と一緒です」
倉田典子「では本当にホ―ムページの件は?」
村下幸三「倉田さんのやりたいように改善して下さい」
倉田典子(みゆきのおまじないの効果?)
山路みゆき(フフ・・・)
倉田典子「それでは早速山路さんが思案したホ―ムページに差し替えて下さい」
村下幸三「了解しました」
高橋修平「早速手配します」
  典子、みゆきに向かってピース
山路みゆき(おめでとう典子)

〇海辺の街

〇女性の部屋
  山路みゆきの自宅

〇漫画家の仕事部屋(物無し)
  渡辺直子の自宅
渡辺直子「あなたからお願いされて嬉しかったわ」
渡辺直子「日真島役場に話は通しておいたから効果あったでしょ?勿論あなたが私の娘だとは言わずにね」
渡辺直子「また何でも私を頼ってね」

〇女性の部屋
山路みゆき「いいえ。これが最初で最後。お母さんには二度と頼まないから」

〇漫画家の仕事部屋(物無し)
渡辺直子「まだ離婚の事が許せない?」

〇女性の部屋
山路みゆき「この日真島、そして小学生だった私とパパを見棄てたときはね」
山路みゆき「でも今はお母さんの事理解してるわ」
山路みゆき「だから必ず政治家として初心を貫いてほしい」

〇漫画家の仕事部屋(物無し)
渡辺直子「言われなくても分かってるよ」
渡辺直子「政治家を反対するパパとは意見が合わず離婚したけど、今でもみゆきと一緒でかけがえのない人」
渡辺直子「いつかはパパに私の行いを認めてほしいから」

〇女性の部屋
山路みゆき「健康には気をつけてよ・・・お母さん」
山路みゆき「じゃあまたね」

〇漫画家の仕事部屋(物無し)
渡辺直子(ごめんねみゆき・・・悲しい思いをさせてしまって)

〇空
  諸事情により家族と離れ暮らす人

〇ホテルの部屋
  友人と離れ仕事をする人

〇店の事務室
  新しい仲間と夢を追う人

〇撮影スタジオのセット
  それぞれの夜が

〇車内
  更けていく
  ──第1章終了──

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