禁忌のハーブティーのように

彩京みゆき

#1. 全身整形『マイコパス』誕生(脚本)

禁忌のハーブティーのように

彩京みゆき

今すぐ読む

禁忌のハーブティーのように
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇ホテルの部屋
麻衣子「ああ、悠希(はるき)さん 夢みたい」
麻衣子「麻衣子って呼んで」
悠希(はるき)「麻衣子」
麻衣子「もっと強く抱きしめて・・・」

〇住宅街の公園
理央(何気ない日常)
理央(当たり前のようにそこにある 幸せな毎日)
ひかり「パパ、ママー」
悠希(はるき)「転ばないようにな、 ひかり」
理央(それが、 ずっと続くものだと思っていた、 あの時までは・・・)

〇綺麗なダイニング
理央(それは、私が『ひかり』を妊娠した ばかりの頃・・・)
理央(高校時代の友人の麻衣子から届いた)
理央(ハーブティー そこには思いがけない成分が入っていた)
理央「レモングラス、ローズマリー・・・ これ妊娠中に禁忌のハーブが入ってるじゃない・・・」
悠希(はるき)「なに? ダメだって事に気づかなかったんじゃない?」
理央「そうよね・・・」
理央(違和感を覚えつつも 私は自分にそう言い聞かせて、 しばらくハーブティーをしまいこんでいた)

〇大学

〇大教室
理央(大学時代の麻衣子は 成績優秀で明るくて、 私に敵うところなんて無かった)
理央「麻衣子 またテストで一位なんて凄いね!」
悠希(はるき)「やっぱすげーな 麻衣子は」
麻衣子「あはは、 そんな事ないよ」
麻衣子「私は理央みたいにかわいくないから それしか取り柄が無くて・・・」
理央「何言ってんの、 麻衣子はかわいいよ」
理央(私は本気で そう思っていた・・・)

〇綺麗なダイニング
ひかり「オギャー オギャー」
理央「はいはい オムツかな?ミルクかな?」
理央(何で泣いてるのよ。 もうワケが分かんない)
理央(でもわたしはこの子の母親なんだ・・・ ひかりは私がいなきゃ生きて行けない)
理央(笑顔、 笑顔・・・)
理央「抱っこしようか」
理央(今日も夫の帰りは遅い)
理央(忙しい毎日の中で いつしか私たち夫婦は 麻衣子の事も忘れがちになっていた)

〇空

〇綺麗なダイニング
理央「おやすみ ひかり」
悠希(はるき)「ただいま」
理央「お帰りなさい」
悠希(はるき)「ひかりは寝たの?」
理央「ついさっきね」
悠希(はるき)「そっか 今日も遅かったからな 風呂沸いてる?」
理央「うん」
  理央は悠希の上着を受け取る
理央(ポケットから女性物のピアス)
理央(まさか、 まさかね)
理央(後から思うと、 それは彼女からの宣戦布告だった)
  【佐藤麻衣子】
  今日は楽しかったです。
  ではまた明日。
理央(夫のスマホから 偶然目にしたメッセージ)
理央(佐藤麻衣子・・・ まさか!?)
  なぜか
  悪い予感がする
理央「パパごめん 偶然メッセージの着信見ちゃった」
理央「佐藤麻衣子って、 あの麻衣子?」
悠希(はるき)「あのって?」
理央「大学時代の麻衣子よ」
悠希(はるき)「ああ・・・ 会社の新人の子なんだ そっか、同姓同名だよな」
理央「同姓同名?」
悠希(はるき)「最近仕事の相談を受けてて それだけだよ」
理央「そう」
理央(ピアスの事は 言い出せずにいた)
理央「こんな時間に? 誰かしら」
理央「はい」
麻衣子「夜分遅く申し訳ありません、 わたくしご主人の同僚の佐藤と申します」
理央「えっ!?」
麻衣子「明日必要な資料をお忘れになっていたので 届けに参りました」
理央「それはわざわざありがとうございます」
理央「良かったら お上がりください」
麻衣子「こんな時間に申し訳ありませんが お話もありますので、 少しだけ」
  麻衣子が
  部屋に入る
悠希(はるき)「え!?佐藤さん 何で!?」
麻衣子「嫌だわ、悠希さん 私の部屋に大事な資料を忘れるだなんて」
悠希(はるき)「ええっ!?」
麻衣子「あははは」
麻衣子「二人ともまだ分からないの? 私よ?」
理央「やっぱり 麻衣子なのね!?」
麻衣子「私、そんなに変わったかしら? 変わったわよね・・・」
悠希(はるき)「嘘だろう!? 顔も全然違うだろ」
麻衣子「全身整形 隠すほどの事じゃないわよね 今時」
麻衣子「私、何でもしたわ 醜い自分を捨てて理想の自分に生まれ変わるために!!」
麻衣子「苦労したわ、 悠希くんの完璧な理想に近づくために」
麻衣子「でもついに私は『完成』したのよ 悠希くんも『綺麗だ』って言ってくれたわ」
麻衣子「優しく愛してくれたわ とても優しくね」
理央「なに・・・ 言ってるの・・・?」
理央「どういう事!?」
悠希(はるき)「ちょっと待って 何かの誤解だからっ!!」
悠希(はるき)「麻衣子だなんて 知らなかったし 本当に相談に乗ってただけなんだ」
悠希(はるき)「ストーカーに追いかけられているって相談で、 たまに家まで送るようになって」
悠希(はるき)「一度だけ部屋に上がって・・・」
麻衣子「愛してくれた」
麻衣子「悠希くん首筋が弱いのね お尻のホクロが好きよ」
理央「!!」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:#2. 花咲く君に復讐を

コメント

  • 麻衣子さんの、学生時代から蓄積した陰鬱とした感情に背筋がゾッとします。。。負の感情がドロドロと渦巻く展開が確定な第一話ですね!

  • こんばんは!向こうは復讐のつもりですが、こちらは見下したつもりはない…すれ違いや勘違いから新たな悲劇や復讐心が芽生えそうですね…!

  • 私も既婚者なので夫の浮気は夫婦の問題でもあると考えてしまうのですが、それは本当に裏切られた経験のある人にしかわからない憎悪感ですね。男と女が存在する以上、この手の問題は消えなさそう。ただ麻衣子のような女にはなりたくないですね。

コメントをもっと見る(6件)

ページTOPへ