虹架かるセカイは愉快に歌う

宇野木真帆

18話:襲来(脚本)

虹架かるセカイは愉快に歌う

宇野木真帆

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〇空
  ─12月24日─
  ─午後4時30分─
  夕焼け雲の向こうから
  飛行機の群れ

〇けもの道
威流 緋雨(ついにヘリまで来たか)
威流 緋雨(ここを火の海にでもするのか?)
威流 緋雨(ちがう!! 山頂と麓から挟み撃ちにするんだ!!)
威流 緋雨(下るか?残るか?上るか? どれだ・・・)

〇林道
  ─12月24日・午後6時─
栗木田 真衣「や、やった。 看板がある・・・」
栗木田 真衣(あれ?何か貼ってある?)
栗木田 真衣「う~ん。よく分からないけど、×の所へ行けばいいのかな?」
栗木田 真衣「じゃぁ!!ここ!!」

〇林道
  ─栗木田より1時間遅れて下山─
威流 緋雨(看板があるな・・・)
威流 緋雨(何か貼ってある?)
威流 緋雨(教会が手配したのか? それともダミー?)
威流 緋雨(分からん。 ただ、あいつが選ぶとしたら・・・)
威流 緋雨「左上の、ここだな」

〇教会の中
  ─12月24日・午後9時─
栗木田 真衣「や・・・っと・・・」
栗木田 真衣「ついたぁぁぁぁぁぁぁぁ」
栗木田 真衣「あぁぁぁぁぁぁ、もう、一歩も、動けん・・・」
栗木田 真衣「・・・」

〇荒廃した教室
  ─12月24日・午後11時─
威流 緋雨「も、う・・・」
威流 緋雨(あるけない・・・)
威流 緋雨(警察の誰とも遭遇しなかった。 やっぱりあの地図は教会が・・・)
威流 緋雨(栗木田も、あの地図を、見つけたことを、祈るしか・・・)
威流 緋雨「・・・」

〇教会の中
  ─12月25日・午前3時─
栗木田 真衣「ねおちか~ めっちゃ歩いたもんね」
栗木田 真衣(今、何時だろ)
栗木田 真衣(つくわけないか・・・)
栗木田 真衣(つーか、お腹すいた)
栗木田 真衣(明日まで逃げ切れって、いってたけど)
栗木田 真衣(明るくなって、それからまた暗くなって・・・だよね)
栗木田 真衣(お腹もたない。 ずっとここには、いられないな・・・)
栗木田 真衣(ていうか、キリストさいりんだっけ?)
栗木田 真衣(よくわかんないな)
栗木田 真衣(戦争、この国でも始まっちゃったんだよね? そっちの方がよっぽど・・・)
栗木田 真衣(ママ、パパ、みんな、大丈夫かな・・・)

〇荒廃した教室
  ─12月25日・午前6時00分─
威流 緋雨(足音・・・?)
威流 緋雨(逆側の扉から逃げよう)
国ノ影「おい!?あれ!!」
国ノ影「2階に人影だ!!確認しろ!!」

〇けもの道
  ─12月25日・午前6時30分─
威流 緋雨(廃校舎の裏が、山道に繋がっていて、助かった・・・)
威流 緋雨(この暗さも味方してくれている。 が、もう空が白んできているな・・・)
威流 緋雨(ここが見つかったということは、栗木田が身を潜めている所も・・・)
威流 緋雨(いやいや。 あの地図を見つけているか分からない)
国ノ影「おい!!こっちだ!!」
国ノ影「足跡か!?辿っていくぞ!!」
威流 緋雨(まずい。 このままでは捕まる・・・)
威流 緋雨(栗木田は本当に大丈夫か・・・!!?)

〇山道
威流 緋雨「ここで別れるぞ!?」
栗木田 真衣「い、いっしょじゃ・・・」

〇けもの道
威流 緋雨(栗木田と別れるべきではなかったか!?)
威流 緋雨(ダメだ。俺たちが一緒にいると、世界はもっとマズいことに・・・)
  もう一度、だけ・・・
威流 緋雨(何を考えてる!? 今あいつの所へ行ったら!! 全てが無駄になる!!)
威流 緋雨(とにかく今は、逃げ切ることを・・・)
  もし、運命なんてものが、
  本当にあったとして・・・
威流 緋雨(そうだ!!だからこそ!!)
威流 緋雨「俺達は今日を越えて!! 運命の向こう側へ行くんだ!!」
  きゃー!!

〇男の子の一人部屋
栗木田 真衣「ひっさに相談して良かった!」
栗木田 真衣「ありがとね!」

〇けもの道
威流 緋雨(くそっ!!)
国ノ影「あっちから足音が!!」
国ノ影「了解!!向かいます!!」

〇田園風景
威流 緋雨(大丈夫だ。 仮に俺と栗木田が一緒にいたとしても)
威流 緋雨(あいつがいなければ、キリストは再臨しない)
威流 緋雨(そう。栗木田の無事を確認したら、またすぐに離れればいい)

〇綺麗な教会
  ─12月25日・午前6時40分─
威流 緋雨(左上の×地点!ここだ!!)
国乃景「ねみ~」
国乃景「で、その後は?」
国ノ影「はっ!!現在も・・・」
威流 緋雨(囲まれてる!? 栗木田はもう捕まって!!?)
国ノ影「そうだ!!追い詰めろ!!」
威流 緋雨「なんで!?あんたがここに!?」
威流 楓「やつ当たりしないで~」
国乃景「ようやく罠にかかってくれたね」
国乃景「ここで張っていて良かったよ」
威流 楓「さて、罠にかかったのは、どっちかな」
国乃景「諦めろ」
国乃景「教会の周りは警察の包囲網だ。 お前たちが彼女と接触する機会はもうない」
威流 緋雨「降参だ」
国乃景「そうだ。それが正しい選択だ」
威流 緋雨「正しい選択、をしたと思った。 でも、それら、ぜんぶが・・・」
威流 楓「ね♪ひどい世界でしょ?」
威流 楓「もう終わりにしちゃおう」
威流 緋雨「あぁ。もううんざりだ」
威流 緋雨「強行突破だぁぁぁーーーー!!!!」
国乃景「なめるなよ!!」
国ノ影「動きがあったぞ!? 捕らえろー!!」
国乃景「バカやろう!!邪魔だ!!」
国乃景「くそつ!!」

次のエピソード:19話:Timeless memory

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