魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

第4章 予兆(脚本)

魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

今すぐ読む

魔道士は虹色の夢を見る
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇豪華な部屋
キープレート学園長「いまだ手がかりはなし・・・か」
キープレート学園長「イリデッセンスの目覚めは近い・・・」
「夜分に失礼いたします、学園長 バーバラです」
キープレート学園長「・・・入りなさい」
バーバラ先生「失礼いたします 調査結果の報告に参りました」
キープレート学園長「・・・進捗は?」
バーバラ先生「思わしくないようです」
キープレート学園長「そうですか」
キープレート学園長「引き続き任務にあたるよう伝えなさい」
バーバラ先生「はい もうひとつお耳に入れたいことが」
バーバラ先生「プレーン東部調査隊の一員が 仮面の戦士を目撃したようです」
キープレート学園長「なんですって!?」
バーバラ先生「風精術で北西へ飛んでいったそうです」
キープレート学園長「・・・わかりました ヴィオラくんたちは今どこに?」
バーバラ先生「プレナイトにいるようです」
キープレート学園長「至急プレナイトに伝令を派遣なさい 内容は・・・」

〇西洋の街並み
  ──翌朝
シグバート・フォン・ブラッドショット「ヴィオラ 昨日おまえを誘拐したのは仮面の戦士か?」
ヴィオラ・コーディエ「ううん ただの盗賊2人組だったよ」
ヴィオラ・コーディエ「あたしとミモザを間違えてさらったんだって身代金目当てで」
ミモザ・クラリティ「身代金・・・ですか?」
ノエル・エンジェライト「・・・そうでしたか なんにせよ用心しなければなりません」
ヴィオラ・コーディエ「あ!」
ヴィオラ・コーディエ「剣なくしたままだった どうしよ・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・オレが買ってやる」
ヴィオラ・コーディエ「マジで!? ありがとシグバート!」
研究員「失礼いたします 特別試験の受験生ですね?」
研究員「わたしは学園の研究員です 学園長より伝言を言付かって参りました」
シグバート・フォン・ブラッドショット「学園長から?」
ノエル・エンジェライト「シグバートさん、ヴィオラさん ここはぼくとミモザさんが話を聞きます」
ノエル・エンジェライト「貴方がたは市場へ急ぐべきです 武器屋の店主は今日の昼から鉱石採取に出ると言っていましたから」
ヴィオラ・コーディエ「マジで!?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「わかった ミモザ、ノエル、任せたぞ」
ノエル・エンジェライト「それで学園長はなんと」
研究員「実は・・・」

〇西洋の市場

〇西洋の街並み
ノエル・エンジェライト「・・・わかりました 仲間にも伝えておきましょう」
研究員「学園長はきみたちの身を案じておられました」
研究員「わたしはもう行きます どうか気をつけて」
ミモザ・クラリティ「シグバート様がおっしゃっていた仮面の戦士、ですね・・・」
ノエル・エンジェライト「ええ 現在はスペサルトにいるようですね」
ノエル・エンジェライト「それよりミモザさん 先ほどの話ですが」
ノエル・エンジェライト「ヴィオラさんを誘拐した盗賊は、おそらく街中でぼくたちを尾行していた人物でしょう」
ノエル・エンジェライト「ヴィオラさんがひとりになるのを待っていたのだと思われます」
ミモザ・クラリティ「ええ・・・ ノエル様のおっしゃるとおり、放置すべきではなかったのですね」
ミモザ・クラリティ「申し訳ありません わたしが余計なことを申さなければ・・・」
ノエル・エンジェライト「いえ 捨て置くことを了承したのはぼくですから」
ノエル・エンジェライト「それに、人間関係を考慮しなかったぼくにも原因があります」
ノエル・エンジェライト「ですがミモザさん ヴィオラさんが誘拐された要因は貴方の振る舞いにもあります」
ミモザ・クラリティ「ノエル様、それはどういう・・・」
ヴィオラ・コーディエ「お待たせー!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「学園長の伝言はなんだったのだ?」
ノエル・エンジェライト「仮面の戦士がスペサルト方面にいるため、そちらへは行くなとのことでした」
ヴィオラ・コーディエ「そうなんだ じゃ、次の目的地はブラッドショットの王都ブラッディ・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・でいいんだよな?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・そうだ」
ノエル・エンジェライト「ブラッディ行きのポータルはプレナイトの南東ですね」
ヴィオラ・コーディエ「じゃ、しゅっぱーつ!」
ミモザ・クラリティ「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザ? どうかした?」
ミモザ・クラリティ「ごめんなさい! すぐ行きます・・・」

〇城門の下(ログスポットあり)
  ブラッドショット王国
  王都ブラッディ
ヴィオラ・コーディエ「あっちの大通りのほう、すごい賑やかだな」
ミモザ・クラリティ「聖誕祭の最中ですものね」
ノエル・エンジェライト「これでは学園の研究員を探すのも 一苦労ですね」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「シグバート? なにコソコソしてるんだ?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・ 遭いたくない人物がいるものでな」
ミモザ・クラリティ「それって・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・ああ ノエル、悪いがおまえの後ろに隠れ・・・」
???「シグバート!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「げっ・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「久々に逢った母に対して その反応はなんです!」
ヴィオラ・コーディエ「母!?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・ご無沙汰しております、母上」
ミモザ・クラリティ「オペラ様、お久しぶりです」
オペラ・フォン・ブラッドショット「ミモザ、元気そうでなによりだわ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「けど遠慮せずお母様と呼んでもいいのよ?」
ミモザ・クラリティ「いえ・・・ まだ婚約中の身ですから」
オペラ・フォン・ブラッドショット「シグバートにもね、生意気なことを言ったらガツンと言ってやっていいのよ」
ミモザ・クラリティ「いえ、そんな・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「すげーな・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・そうですね」
オペラ・フォン・ブラッドショット「皆さん、立ち話もなんですから王宮へいらっしゃい おいしいお菓子とお茶を用意しているわ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「いえ、母上 わたしたちは特別試験の・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「シグバート・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「昔は優しい子だったのに・・・ 母様のことなんてもうどうでもいいのね」
シグバート・フォン・ブラッドショット「いえ、そういうわけでは・・・」
ミモザ・クラリティ「シグバート様、オペラ様のお気持ちも考えて差し上げてください」
ヴィオラ・コーディエ「そうだよ! 会えるうちに会わないと、いつか後悔するぞ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「決まりね では行きましょう」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・だから遭いたくなかったんだ・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・大変ですね、貴方も」

〇華やかな広場
オペラ・フォン・ブラッドショット「それでシグバート、この方たちはお友達? 母様に紹介してちょうだい」
シグバート・フォン・ブラッドショット「同級生のヴィオラとノエルです」
ヴィオラ・コーディエ「どうも・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・初めまして」
オペラ・フォン・ブラッドショット「まあ、あなたがヴィオラさん? シグバートが手紙で書いていた子ね」
オペラ・フォン・ブラッドショット「どんなお嬢さんなのかと思ったら、可愛らしい子じゃない」
シグバート・フォン・ブラッドショット「それより母上 わたしたちがブラッディに来ることをご存じだったのですか?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「まるで待ち構え・・・ いえ、お待ちいただいていたようですが」
オペラ・フォン・ブラッドショット「ええ 学園長先生からの伝令でね」
オペラ・フォン・ブラッドショット「おまえが帰ってくると聞いて、城の者たちと朝から準備をしていたのよ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「以前の燕尾服ではもう小さいものね それにミモザのドレスも・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「母上、なんの話をされているのですか?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「今晩は城で夜会を行います」
オペラ・フォン・ブラッドショット「シグバート、ミモザ ふたりにも出席してもらうわ」
ミモザ・クラリティ「夜会ですか? ですが・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「母上、先ほども申し上げましたが わたしたちは特別試験の・・・」
ヴィオラ・コーディエ「いいじゃん、出てくれば? 聞き込みはあたしとノエルがやるからさ」
ヴィオラ・コーディエ「そうだノエル ついでに町でやってる聖誕祭も行こうよ!」
ヴィオラ・コーディエ「祭りって一度行ってみたかったんだよな」
ノエル・エンジェライト「そうですね せっかくの機会ですから」
ミモザ・クラリティ「・・・!」
オペラ・フォン・ブラッドショット「あら、あなたがたもいらっしゃい そのためにいろいろ用意したのですから」
ヴィオラ・コーディエ「え?」
ヴィオラ・コーディエ「けど、王族の礼儀作法なんて知らないし」
オペラ・フォン・ブラッドショット「アザレの加護に感謝するための夜会ですから 格式ばったものではないわ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「息子の学友が来てくださったのですもの おもてなしをさせてちょうだい」
ノエル・エンジェライト「・・・わかりました お心遣い、感謝します」
ヴィオラ・コーディエ「あ、ありがとうございます」
オペラ・フォン・ブラッドショット「決まりね」
オペラ・フォン・ブラッドショット「時間になったら迎えを行かせます それまでは自由に過ごしてくださいね」

〇城の回廊
ヴィオラ・コーディエ「ここにもいないか・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あ、ノエル ミモザがどこにいるか知ってる?」
ノエル・エンジェライト「先ほど、バルコニーのあたりで見かけました」
ヴィオラ・コーディエ「そっか、ありがと」
ノエル・エンジェライト「ぼくは先に町へ向かいます」
ヴィオラ・コーディエ「ああ じゃ、また後でな」
ヴィオラ・コーディエ「えーっと バルコニーはあっちだっけ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「ヴィオラさん」
ヴィオラ・コーディエ「は、はい?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「今夜の夜会には学園関係者の方々もお呼びしているの お役に立てればよいのだけど」
ヴィオラ・コーディエ「はい・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「それともうひとつ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「息子と仲良くしてくださってありがとう」
ヴィオラ・コーディエ「え・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「ご存じでしょうけど、シグバートは言葉を選ぶのが不得意なの 昔からよく人を傷つけていたわ」
ヴィオラ・コーディエ「・・・・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「シグバートが手紙でミモザ以外の人のことを書いていたから驚いたわ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「あの子にお友だちができたこと 母としてとても嬉しく思います」
ヴィオラ・コーディエ「友だち・・・」
ヴィオラ・コーディエ(ってほど仲よくはない ・・・気がする)
ヴィオラ・コーディエ「あの・・・ シグバートはあたしのこと、なんて書いてたんですか?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「うふふ・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「ヴィオラさん これからも息子とお友だちでいてちょうだいね」
ヴィオラ・コーディエ「あ、はい・・・」

〇城壁
ミモザ・クラリティ「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ(ノエル様がヴィオラ様とふたりで町へ行くことを了承したときの、胸のざわめき・・・)
ミモザ・クラリティ(感じたことのない、この気持ち・・・ これはいったい・・・)
ヴィオラ・コーディエ「おーい! ミモザ!」
ミモザ・クラリティ「・・・!」
ミモザ・クラリティ「・・・ヴィオラ様・・・」
ヴィオラ・コーディエ「夜会まで時間あるから、町の祭り見に行こうと思ってさ」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザも行こ!」
ミモザ・クラリティ「あの、ヴィオラ様・・・」
ヴィオラ・コーディエ「ん?」
ミモザ・クラリティ「その・・・ ノエル様・・・は・・・」
ヴィオラ・コーディエ「ノエルも一緒に来るよ シグバートは城の人たちに捕まってたけど」
ミモザ・クラリティ「そう・・・ なのですか・・・」
ヴィオラ・コーディエ「さ、行こ! ノエルも外で待ってるよ」
ミモザ・クラリティ「はい・・・」

次のエピソード:第5章 近づく足音

成分キーワード

ページTOPへ