そのイケメンは幸福の鐘を鳴らす

たかぎりょう

第4話 イケメン探偵は幽霊を怖がる(脚本)

そのイケメンは幸福の鐘を鳴らす

たかぎりょう

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〇ラーメン屋のカウンター
如月春香「碧さん、お母様の実家に引っ越すことにしたそうです」
皇伽耶斗「おそらく父親は逮捕されて刑務所に収監されることになるだろうから、それがいいだろうね」
如月春香「時間はかかると思いますが」
如月春香「彼女の傷がいつか癒えるといいですね」
  逮捕されたのは高校教師の高見沢道雄、44歳で
  調べによると高見沢容疑者は、教え子だった複数の生徒とみだらな行為に及び
  その様子を動画に撮影していたとのことです
如月春香「うわっ、最低」
皇伽耶斗「こういう事する教師というのは、もともとそういう人間だったのか」
皇伽耶斗「それとも環境がそうさせたのか、どっちなんだろうね」
如月春香「うーん・・・」
如月春香「私には難しくてわかりませんが、たぶん両方が関係してるんじゃないでしょうか?」
皇伽耶斗「いずれにしても、こういうニュース見るとさ」
皇伽耶斗「僕みたいな人間が教師になるべきなんだってつくづく思うよ」
如月春香「はい?」
皇伽耶斗「イケメンだから生徒にモテモテだろうし」
皇伽耶斗「人格者だから当然尊敬もされるだろ?」
如月春香「それはどうだろう」
皇伽耶斗「さらに理性の塊のような人間だから過ちも犯さない」
如月春香「それ、下心を隠してるようにしか聞こえませんが・・・」
皇伽耶斗「教師になっていれば、こんな食堂で怖い顔した女子大生ではなく」
皇伽耶斗「かわいい女子高生と学校の屋上とかで今頃ランチしてたのになぁ」
如月春香「みなさーん!」
如月春香「ここに最低最悪な男がいまーす!」
如月春香「いますぐ警察を呼んでくださーい!」
皇伽耶斗「おい、やめろ、如月君!」
皇伽耶斗「・・・ったく、冗談だっての」

〇デザイナーズマンション

〇ダイニング(食事なし)
皇伽耶斗「早速ですが、ご依頼の内容をうかがえますか?」
如月春香「その前に、早織さん、あまりこの男は信用しない方がいいですよ」
三島早織「えっ!?」
皇伽耶斗「ちょっ、何を言ってるんだ如月君」
如月春香「こいつは最低な野郎ですから」
三島早織「えっと、どういう事でしょうか・・・」
皇伽耶斗「ああ、気にしないでください」
皇伽耶斗「私のジョークが通じずに膨れてるだけですから」
如月春香「怖い顔した可愛くない助手て悪うございましたね!」
如月春香「こんな奴とっととクビにして、可愛い女子を雇ったらいかがですか?」
皇伽耶斗「すみません、ご依頼の内容をお願いします」
三島早織「え、でも、凄い剣幕ですけど・・・」
皇伽耶斗「大丈夫です、本気じゃありませんから」
如月春香「うぅぅぅ・・・」
三島早織「そうですか?」
三島早織「あのー、始めさせていただいてよろしいでしょうか?」
如月春香「あ、はい、大変失礼いたしました」
三島早織「私、この近くのアパートに1人で住んでいるんですが」
如月春香「そうなんですねー」
三島早織「出るんです・・・」
如月春香「え?」
皇伽耶斗「おお!」
如月春香「ちょ、ビックリさせないでくださいよ!」
皇伽耶斗「やっと対象が人間の案件がきたね、如月君」
如月春香「どういう事?」
皇伽耶斗「早織さん、盗まれるようになったのはいつ頃からですか?」
三島早織「はい?」
皇伽耶斗「ですから、ブラとかですよね?」
三島早織「ブラ?」
如月春香「ちょっと、所長、何言ってるんですか!」
三島早織「すみません、ご質問の意味が・・・」
皇伽耶斗「えっと、下着泥棒が出るんですよね?」
三島早織「ああ! そういうことですか」
三島早織「うふふ・・・」
如月春香「え、そうなんですか?」
三島早織「いえ、違います!」
皇伽耶斗「違うの!?」
三島早織「えっと、出るっていうのは・・・」
三島早織「幽霊です」
皇伽耶斗「ユウレイ・・・」
如月春香「え、幽霊ってあの幽霊ですか?」
皇伽耶斗「どれ? どの幽霊?」
如月春香「何か!?」
皇伽耶斗「いや、何でも」
皇伽耶斗「早織さん、幽霊ってのはどんな感じの・・・」
三島早織「えっと、実際に見たわけじゃないんです」
皇伽耶斗「はあ」
三島早織「2週間くらい前から、夜布団に入ってしばらくすると物音が聞こえるようになって」
皇伽耶斗「はあ」
三島早織「あそこに住んでもう1年以上経ちますが、そんな事今までなかったんです」
皇伽耶斗「はあ」
三島早織「何だろうと思って、勇気を振り絞って耳を澄ませてみると」
皇伽耶斗「はあ・・・」
三島早織「うめき声みたいのが聞こえて」
皇伽耶斗「はあ・・・」
如月春香「・・・」
三島早織「その声が私の名前を呼ぶんです」
三島早織「さおり、さおりって」
皇伽耶斗「うわーーーーーーーっ!」

〇デザイナーズマンション

〇ダイニング(食事なし)
三島早織「大丈夫ですか?」
皇伽耶斗「はい、取り乱して申し訳ありません」
如月春香「それで早織さん、依頼というのは?」
三島早織「ふたつあります」
三島早織「ひとつ目は、不動産屋は事故物件ではないというのですが」
三島早織「それが本当か確かめてほしいです」
如月春香「ふたつ目は?」
三島早織「幽霊の正体を突き止めてほしいです」
三島早織「本当に幽霊なのか、なぜ急に出るようになったのか・・・」
皇伽耶斗「最初のは我々でも調査可能ですが」
皇伽耶斗「後のは管轄外です。除霊師とかに相談する事をお勧めします」
三島早織「はい、本当に幽霊ならそうだと思うんですが・・・」
如月春香「何か気になることでも?」
三島早織「ええ、実は・・・」

〇二階建てアパート

〇女の子の部屋(グッズ無し)
如月春香「・・・ったく、何で私がこんな事しなきゃいけないのよ」
如月春香「私はアルバイトだっつーの」
如月春香「あれ、絶対、幽霊が怖いんだな」
  今日のバイト代、3倍にするから!
如月春香「そこまでして嫌がるんだから」
如月春香(それにしても、依頼者から高額な報酬を取ってるわけでもないのに)
如月春香(何で私を雇えるんだろう?)
如月春香(この間の陸くんの件だって、ほとんど貰ってないし・・・)

〇黒背景
田代勇太「奴には気をつけた方がいいですよ」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
如月春香(ゴミの山の中にあった大金・・・)
如月春香(やっぱり、あれはまともなお金じゃないのかも)
  うううううう
如月春香「え、何の音? 風?」
  うぅぅぅ・・・
如月春香「ぎゃー!!」
如月春香「どうしよう、どうしよう!」
如月春香「いや、落ち着くんだ、如月君!」
如月春香「おばけなんてないさ、おばけなんて嘘さ」
如月春香「ねぼけたひとがみまちがえたのさ」
  さ・・・お・・・り・・・
如月春香(確かに名前呼んでるけど)
如月春香(落ち着いて聞くと、なんかわざとらしい気がする)
如月春香(こっちの方から聞こえる?)
如月春香(ほら、襖開けたら音が大きくなった)
如月春香(ん? 上の方・・・)
如月春香(天井裏っぽいな・・・)
如月春香(持ってきて良かった)
如月春香「失礼しまーす」
如月春香「声の正体は・・・」
如月春香「ん?」
如月春香「あれ、なに!?」

次のエピソード:第5話 イケメン探偵はやる気を出してみる

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