選択屋~心の汚れ、落とします~

Akiyu

ひも男(脚本)

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〇公園のベンチ
中野「あー・・・どうしようかなー・・・」
中野「ラーメン屋のバイト、クビになっちまった・・・」
中野「はあ~・・・。またバイト探さないとなあ・・・」
中野「あのロリ、選択屋のバイト代なんて払ってくれないし」
中野「いや、それどころか。たまに現れては俺の部屋で飯食っていくから、収入どころか赤字だよ」
中野「はぁ~・・・」
ひも男「くがー、くがー」
  隣のベンチでは、男が気持ちよさそうに寝ている。
中野(昼間から公園でのんびり昼寝か。良いご身分だねえ)
ひも男「くがー、くがー」
中野(あらら。いびき掻いちゃってるよ)
中野(・・・って、んんっ?)
中野(あっ・・・。選択物が汚れてる・・・)
中野(瑠璃に連絡した方が良いか?)
中野「いや、そんな事よりも俺の次のバイト先を探す方が先だ」
中野「よしっ!!求人誌を貰いに行こう!!」
ひも男「むにゃむにゃ。嫌だあ。働きたくない」
中野「えっ?」
ひも男「誰だよ。俺に働けって言うのは。茜か?」
ひも男「・・・って何だよ。おい、お前。何見てんだよ」
中野「いや、別に・・・」
ひも男「人の事ジロジロ見やがって。金取るぞ」
中野「生憎、俺はたった今、バイトをクビになったばかりでね。取られる程金がないんだ」
ひも男「おっ?お前、金ないのか?」
ひも男「なんだよ、コノヤロー。仲間だな」
中野「ああ?仲間?」
ひも男「今から俺の部屋で飲もうぜ」
中野「はぁ?昼間からか?」
ひも男「いいじゃねえかよ。どうせ無職で暇なんだろ? 付き合えよ」
中野「・・・まあ今日は嫌なことがあった。飲みたい気分ではある」
ひも男「おー、決まりだ。行こうぜ」

〇高層マンションの一室
ひも男「ここだ。まあ入れよ。ゆっくりくつろいでくれ」
中野「へえ。金ないとか言ってるくせに良い部屋住んでるじゃないか」
ひも男「俺の女の部屋だ。好きに使ってくれていい」
中野「お前・・・。ひもなのか?」
ひも男「ん?そうだけど?」
中野「養ってもらってるのか?」
ひも男「そうだけど?」
中野「なんか病気・・・でもしてるのか?」
ひも男「いや、全く。健康体だ。健康だけが取り柄さ」
中野「なんで働かないんだよ」
ひも男「いいじゃん?養ってくれるって言ってんだから」
中野「自分の力でなんとか生きようと思わないのか?」
ひも男「いいんだよ。俺を養うのがあの女の幸せなんだよ」
ひも男「まあそんなことよりも飲もうぜ」
ひも男「無職の男達の出会いに!!乾杯!!」
中野「か、乾杯・・・!!」
中野(ってなんで俺は、こんな男と飲んでるんだ!?)
  それからしばらく男と飲んで話していた。
茜「ただいま」
ひも男「おう、おかえり」
茜「・・・って、誰?」
ひも男「おう、コイツは中野だ。さっき公園で会った。気の良い奴だ」
茜「ちょっと!!誰か分からない人を勝手に人の部屋にあげないでよ」
ひも男「いいじゃねえかよ」
茜「ろくに働きもしないで私の部屋に転がり込んで。オマケに知らない人まで連れ込んで。何なのよ」
中野「あー、すみません。お邪魔ですよね。俺、そろそろ帰りますね」
中野(く、空気悪い。帰ろう・・・)
茜「ちゃんと働いてよ」
ひも男「来月から本気出すよ」
茜「もう・・・。それ先月も聞いたわよ・・・」

〇公園のベンチ
中野「やべえ・・・。昼間から結構飲んでしまった」
中野「俺ってほんとダメ大学生だな・・・」
中野「でかい失敗してしまってバイトもクビにされちゃったし」
中野「はぁ~・・・」
選択屋・瑠璃「今日は良い日です」
中野「うわあああああああ」
中野(ま、また背後を取られた・・・!! なんでこのロリはいつも急に現れるんだ!!)
選択屋・瑠璃「中野さん。今日は何の日だか分かりますか?」
中野「俺がバイトをクビになって無職になった日」
選択屋・瑠璃「中野さんは無職じゃありません。大学生です。そして選択屋アルバイトです」
中野「アルバイトなのに給料なんてもらった事ないんだが・・・」
選択屋・瑠璃「今日は給料日です。銀行振込は面倒臭いので、手渡しです。どうぞ」
中野「おお、結構ある!!」
選択屋・瑠璃「来月もこの調子で頑張ってくださいね」
中野「頑張ります!!」
中野「もうロリなんて言いません!!」
選択屋・瑠璃「言わないでください」
中野「あ、そうだ。それでさ。瑠璃」
選択屋・瑠璃「分かってます。あのひも男を選択したいんですよね」
中野「・・・また心の扉から見てたのか?」
選択屋・瑠璃「はい。バッチリ覗いてました」
選択屋・瑠璃「ラーメン屋のバイトをクビになって、公園で泣いてるところも見てました」
中野「やめろ。心の傷を抉るな」
選択屋・瑠璃「これで選択屋一本でやっていけますね」
中野「そういえば給料ってどんな基準なんだ?時給なのか?」
選択屋・瑠璃「選択した件数でお支払いしますよ。選択すればするほど給料はお支払いします」
中野「まじか!!やる気出てきた!!」
中野「うぉおおおお!!働くぞー!!」
選択屋・瑠璃「では早速、ひも男の部屋に戻りましょう」

〇高層マンションの一室
ひも男「ん?どうした。忘れ物か?」
中野「ああ、とても大事な忘れ物だ」
ひも男「んん?」
中野「瑠璃!!」

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コメント

  • ひも男さんの驚きの選択、極端ですがハッピーエンドになりそうですね。それにしても、中野さんの妄想、瑠璃ちゃんに気持ち悪いとヒかれるレベルのようですが、どんなものか知りたいような知りたくないような、、、

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