令和JK、勇者の無念晴らします

せんぶり

おふぇんしぶ僧侶!の巻(脚本)

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〇黒
  前回までのあらすじ

〇森の中
  (鼻)血の転移魔法陣によって、五十年前に勇者が死んだ世界へと転移したJKノリコ

〇草原の一軒家
  現世へ帰還するカギを握る大賢者の封印を解くべく、魔王討伐に乗り出したノリコは、僧侶シズエの元を訪ねるが
  そこに現れたのは、五十年前と変わらぬ姿のシズエだった──

〇荒野の城壁
  一方、巻き添え転移を喰らった男子高校生ハヤトは、破邪屠(ハヤト)として魔王軍に迎え入れられるが
  用心深い魔王の腹心、ドクターMから魔族の証明を迫られていた──

〇荒野の城壁
ドクターM「破邪屠殿が本当に魔神様の遣いかどうか、確認したいだけなのです」
ドクターM「ここより彼方に聳え立つ女神像・・・・・・」
ドクターM「あの忌々しい平和のシンボルを、破壊魔法で木端微塵にしていただきましょう」
ハヤト(これはマズい事になったぞ・・・・・・!)
ドクターM「ふふふ、その証明が果たせなかった時は・・・・・・」
ドクターM「『疑わしきは即血祭り』の掟に則り、彼らのエサになっていただくっ!」
ハヤト「エッ!」
魔王「案ずるな破邪屠 魔神の遣いであるソナタの、ありのままの力を見せてくれればよい」
ハヤト(いや、ありのままの力を見せたら、エサにされちゃうのよっ!)
ドクターM「それでは、始めて頂きましょうか?」
ハヤト(魔法だなんてそんな非現実的な事・・・・・・)
ハヤト(いや待てよ──)
ハヤト(そうだ、現に異世界に飛ばされるっていう、非現実的な事が起こってるんだ! 念じれば、もしかしたら魔法だって・・・・・・)
ハヤト(こうなったら、一か八か・・・・・・)
ドクターM「むっ!?」
魔王「呪文の詠唱に入るのだな?」
ハヤト(もう、こういうのは雰囲気だろう! えーい、ままよっ!)
  なむみょうほうれんげきょう・・・・・・!
  げつかぁすいもくきんどう・・・・・・!
  さいんこさいんたんじぇんとぅおぅ・・・・・・!
ドクターM(き、聞いた事がないぞ、こんな呪文!?)

〇草原の一軒家

〇草原の一軒家
ノリコ「ど、どういう事なの!?」
ヒイロ「お、俺にも分からんっ!」
ノリコ(五十年前とほぼ姿形が変わってないなんて・・・・・・そんな事、あり得る!?)
ノリコ「あ、あのぅ・・・・・・失礼ですが、お歳は・・・・・・?」
ヒイロ「お、おい──」
???「あーっ! 魔女がいるぞぉっ!」
ナマイキッズA「早く村から出て行け~!」
ナマイキッズB「そうだ、そうだ~!」
ノリコ「え、どういう事!?」
ナマイキッズA「コイツは悪い魔女なんだっ!」
ナマイキッズA「何十年も、ずーっと変わらない姿でいるなんて、悪い魔女にきまってるさっ!」
ナマイキッズB「そうだ、そうだ~!」
ナマイキッズA「日照りや疫病も、きっとこの魔女の仕業なんだよ!」
ナマイキッズA「早く村から出てけーっ!」
ノリコ「あ、危ないっ!」
僧侶シズエ「礼儀のなってないガキンチョどもめ」
僧侶シズエ「ちょっと躾が必要だわな・・・・・・!」
「えっ!?」

〇荒野の城壁
  生麦生米生卵・・・・・・!
  赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ・・・・・・!
  あの竹薮に竹立てかけ──
ドクターM「さっきから長いわっ!!」
ドクターM「いい加減、魔法を発動させないと、頭からガブリじゃぞ!!」
ハヤト(ぐぅっ! ここまでかぁ~・・・・・・!!)

〇草原の一軒家
僧侶シズエ「さぁ、悪い子にお仕置きの時間だよ」
ノリコ「シ、シズエさん、落ち着いてっ!」
ノリコ「ほ、ほらっ、アンタたち謝りなさいっ!」
「ご、ごめんなさ~い!」
ノリコ「魔女じゃないわよね!? 美魔女よね!? ねっ!?」
「そうです~!!」
僧侶シズエ「いまさら遅い♪」
「ひぃぃぃぃ~~~っ!!」

〇荒野の城壁
ドクターM「さぁ、どうした?」
ドクターM「早く魔法を発動したらどうなんじゃ!?」
ドクターM「それとも出来ないのですかなぁ!?」
ドクターM「出来ないのなら・・・・・・」
ドクターM「首から上が無くなりますぞぉ~~~っ!!」
  東京特許許可局・・・・・・
ハヤト「バス・ガス・爆発ーーーっ!!」

〇草原の一軒家
僧侶シズエ「ほいさぁーっ!!」
「ひえええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!」

〇荒野の城壁
ドクターM「はっはっはっはっ!」
ドクターM「どうやら答えは出たようですなぁっ!」
ドクターM「さぁ、食事の時間じゃ! たんと召し上がれーーーっ!!」
ハヤト「ちょ、待て待て待ってーーーっ!!」
ドクターM「な、なんじゃ!?」
ドクターM「め、女神像が・・・・・・」
魔王「木端微塵だな」

〇草原の一軒家
ノリコ「・・・・・・た、助かった??」
「うわぁぁぁーーーんっ!!」
ヒイロ(わざとハズしたな・・・・・・)
ヒイロ(にしても・・・・・・)
ヒイロ(平和の象徴が粉々だぁ~・・・・・・!!)
ノリコ「こ、これが魔法の威力・・・・・・!?」
ノリコ「ってか、いきなり実力行使って、あの人、本当に慈悲深い僧侶なん!?」
ヒイロ「ま、まぁまぁ、落ち着いて・・・・・・」
ノリコ「なに呑気な事言ってんのよ! 私、死にかけたんだからっ!!」
ノリコ「って、えっ!?」
ノリコ「シズエさんが・・・・・・」
ノリコ「シワシワになってるーーーっ!!」

〇荒野の城壁
ハヤト(一体、何がどうなったんだ・・・・・・!?)
魔王「さすがは破邪屠! 見事だ」
魔王「これで気が済んだな、ドクターM・・・・・・」
ドクターM(ぐむむっ・・・・・・)
ドクターM「は、はい・・・・・・」
ドクターM(むぅ~、まだ完全に認めたわけではないぞ!)
魔王「さて、破邪屠も正式に魔王軍の一員となり、手筈は整った」
魔王「ドクターMよ、魔王四天王の招集を」
魔王「今宵、魔族会議を執り行う」
ドクターM「は、はい!」
ドクターM(四天王の招集! つ、ついに本格的に動きだすぞ! くふふふふっ・・・・・・!!)
ハヤト(なんか、ますます追い詰められていってるような・・・・・・)

〇草原の一軒家

〇西洋風の部屋
ノリコ「──つまり、魔法で姿形を自由自在に・・・・・・」
僧侶シズエ「そゆ事!」
僧侶シズエ「誰かさんのおかげで、青春時代を謳歌できなかったからねぇ・・・・・・」
僧侶シズエ「今でもたまに、あの頃を懐かしんでいるのさ」
ノリコ「そ、そうなんだー」
ノリコ「相当、根に持ってらっしゃるんじゃない?」
僧侶シズエ「それにしても、驚かせて悪かったねぇ ちょいと子供たちにお灸をすえるつもりが、やり過ぎちゃったよ!」
ノリコ「あははははー」
ノリコ(あんま怒らせないようにしよ)
僧侶シズエ「それで? 大賢者様の封印を解くために、魔王に挑むのかい?」
ノリコ「ハイッ! だからお願い、力を貸して!」
僧侶シズエ「ふぅむ・・・・・・」
僧侶シズエ「勝手に死んだ勇者のおかげで、私らの人生設計はメチャクチャになったけど」
僧侶シズエ「ノリちゃんに罪はない」
僧侶シズエ「こんな老いぼれで良ければ、ひと肌脱ごうかねぇ」
ノリコ「ホントに? ありがとうっ」
僧侶シズエ「あぁ そして全てが終わったら、愚かなマヌケ勇者に一発お見舞いしてやるのさ」

〇草原の一軒家

〇西洋風の部屋
ノリコ「──闇カジノ?」
僧侶シズエ「そう、ここから東、ワンクゥの街のどこかにあって、ヤツらの資金源になっているという噂だねぇ・・・・・・」
ノリコ「じゃあ、そこに行けば、魔王に繋がる情報を得られるわね!」
ヒイロ「おいおい簡単に言うなよ 敵の本拠地みたいなモンなんだぞ?」
ノリコ「関係ないわよ! 責任者呼び出して、全部吐かせるのよっ!」
僧侶シズエ「まぁまぁ、ノリちゃん 正面突破は、得策じゃないねぇ」
ノリコ「えー、じゃあどうするのぉ?」
僧侶シズエ「ふぅむ・・・・・・ひとつ、アテがあるにはあるが・・・・・・」

〇ヨーロッパの街並み
  東の街 ワンクゥ

〇建物の裏手
???「『太陽おはよう、コケコッコー』」
???「『腹から声出せ、コッコッコー』」
???「『踏ん張れ、そら出せコケッコー』」
???「『月夜に輝く』」
???「『つるつる』」
???「『たまご肌』」
???「・・・・・・」
???「どうぞお入りください」
???「へへ、今日こそ勝つぞぉー!」

〇ヨーロッパの街並み
  つづく

次のエピソード:恐怖!オス・メス賭博!の巻

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