恐怖!オス・メス賭博!の巻(脚本)
〇黒
前回までのあらすじ
〇通学路
登校中、曲がり角で衝突してしまったノリコとハヤト
コリジョンルールは適用されず、無慈悲にも異世界へと転移してしまう
〇森の中
二人の転移を機に、止まっていた50年の時は動き出し
〇荒野の城壁
活気づく魔王軍は、四天王に召集をかける
〇西洋風の部屋
一方、魔王に封印された大賢者の解放を目指すノリコは、魔王軍の資金源である、闇カジノの存在を知る──
〇黒
〇黒
かつて男は、名うての戦士だった
〇謁見の間
情に厚く、周囲から将来を嘱望された
〇西洋の城
男は疑わなかった
自分はいつの日か、選ばれし勇者と共に、魔王を討つと
〇城壁
・・・・・・しかし
〇城壁
待てど暮らせど・・・・・・
〇城壁
いくつ季節を越えても・・・・・・
〇城壁
いつまで経っても・・・・・・
〇城壁
勇者は現れなかった
〇謁見の間
男の中の炎は次第に痩せ細り
〇黒
とうとう、その火種は光を失った
〇黒
それから長い年月が流れ・・・・・・
老い行くなか、男は諦めきれなかった
人生を捧げるに足る仕事を成す事を──
男は求めた!
忘れかけた情熱を!
男は求めた!
身を焦がす興奮を!
燻っていた火種は再び音を立て
男を奮い起こす炎となった
男は、かつて剣を振っていたその手に、己の命運を託し──
〇白
今日も賽を振る!
〇闇カジノ
戦士マッサン「いっけぇーーーっ!!」
戦士マッサン「よっしゃーーーっ!!」
戦士マッサン「今日はツイてるわいっ!」
給料全ツッパ男「チキショーーーッ!!」
臓器を売るしかない男「うう、ウソだ、ウソだ、ウソだぁーーーっ!!」
何もかもが終わった男「あああぁぁぁぁぁ・・・・・・っ!!」
戦士マッサン「へへっ! わりーね、わりーねっ!!」
ディーラー「・・・・・・」
戦士マッサン「カッカッカッ! ガンガン行くぞい!」
〇草原の一軒家
〇西洋風の部屋
ノリコ「えーっ!?」
ノリコ「闇カジノに入り浸ってるって・・・・・・選ばれし戦士がぁ!?」
僧侶シズエ「そっ」
僧侶シズエ「魔王討伐の代わりになる刺激を求めてる内に、抜け出せなくなったんだねぇ・・・・・・ギャンブル地獄から」
ノリコ「あちゃ~・・・・・・」
僧侶シズエ「カジノに入るために必要な合言葉を聞き出せれば、怪しまれずに内部に潜り込めるハズさ」
ノリコ「なるほど!」
ノリコ(ポックリ勇者に、青春こじらせ僧侶 それに、ギャンブル沼戦士・・・・・・)
ノリコ(お、面白くなってきたわねっ・・・・・・!)
〇闇カジノ
戦士マッサン「かっかっかっ! 流れが来ておるわいっ! ワシの時代じゃーーーっ!!」
ディーラー「お客様・・・・・・」
戦士マッサン「あん?」
戦士マッサン「今イイ所なんだから、水差すんじゃねぇやいっ!」
ディーラー「大変失礼いたしました」
ディーラー「当カジノの支配人より、ご挨拶をさせて頂ければと・・・・・・お時間は取らせません」
戦士マッサン「支配人じゃと?」
支配人「ようこそ『コッコパレス』へ! お楽しみ頂けてますかな?」
戦士マッサン「見りゃ分かんだろーよ! もう絶好調よっ!」
支配人「さようでございますか・・・・・・」
支配人「実は、特別なお客様にご案内している遊戯がございます」
戦士マッサン「なに?」
支配人「他では味わえない興奮」
支配人「何にも勝る、極上のギャンブル!・・・・・・で、ございます」
戦士マッサン「ゴクリ・・・・・・」
支配人「ご興味がおありですかな?」
〇地下室
戦士マッサン「一体ドコまで降りるんじゃ?」
支配人「コチラでございます・・・・・・」
〇怪しげな祭祀場
戦士マッサン「な、なんじゃココは・・・・・・」
支配人「秘密の地下遊技場でございます」
支配人「この、選ばれし者しか立ち入りを許されない空間で行われているのが・・・・・・」
支配人「至高のギャンブル・・・・・・『オス・メス賭博』!」
戦士マッサン「オ、オス・メス賭博・・・・・・!?」
支配人「さっそく、ご覧に入れましょう!」
〇怪しげな祭祀場
出し子「どちらさんも、よろしゅうござんすか?」
出し子「気張りますっ!!」
支配人「コーーーーッ・・・・・・」
支配人「コケッ・・・・・・!」
支配人「コ、コケッ・・・・・・! ココ、コケッ・・・・・・!!」
支配人「コココッ・・・・・・コケッコケッコケッ!」
支配人「コケコッコーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」
出し子「出ましたッ!!」
出し子「さぁ、張った、張った!!」
「オスッ! オス、オス、オスッ!!」
出し子「さぁ、メスないか、メスッ!!」
「メスッ! メス、メス、メスッ!!」
出し子「オス・メス、コマ揃いましたっ!」
出し子「・・・・・・勝負っ!!」
パカッ
鑑定士「・・・・・・」
鑑定士「オス」
「よっしゃーーーーっ!!」
賭博客「これで念願の『美女と札束風呂』ができるぞーっ!」
賭博客「ワシはこの金を使って、禁断魔法で毛をっ! 毛を生やすぞ、うひょひょーいっ!!」
賭博客「これで上級職への転職料が手に入った! バニーガールになるぞー!!」
支配人「いかがでしたかな?」
支配人「研ぎ澄まされた究極の二択ギャンブル・・・・・・」
支配人「これが、当店が誇る『オス・メス賭博』ッ!!」
戦士マッサン「は、はぁ・・・・・・」
???「イ、イカサマだっ!!」
賭博客「こんなのイカサマに決まってる!」
賭博客「そ、そうだ! 無効だ、無効っ!!」
賭博客「か、金を返せーっ!!」
支配人「おやおや、負け犬の遠吠えですかな?」
支配人「困ったものですねぇ、身分をわきまえてください・・・・・・」
支配人「連れて行けっ!!」
出し子「へへっ、ココであんま体力使うなよ? これから長い、長~い地下労働が待ってるんだからよっ」
負け犬「な、なんだ!? 離せっ!」
負け犬「やめろ! 何をする!?」
「いやだ、離せっ! 行きたくないっ、行きたくないっ・・・・・・!!」
戦士マッサン「・・・・・・」
支配人「さて・・・・・・」
支配人「いかがなさいますか? 伸るか反るかの大勝負・・・・・・」
支配人「求めているのですよね? 最高の興奮を・・・・・・!!」
〇荒野の城壁
ドクターM「召集の狼煙から半日・・・・・・そろそろじゃな」
ハヤト(魔王四天王・・・・・・一体どんな奴らなんだ?)
ドクターM「噂をすれば! 到着したようじゃな、精鋭たちがっ!!」
「・・・・・・」
ハヤト(なるほど、確かに誰も彼も面構えが違う・・・・・・さすが四天王だな──)
ハヤト「って、多い多いっ!!」
ハヤト「四天王だって言ってんのに、なんか続々と集まって来てるぞ!?」
ドクターM「な、なんなんじゃアイツらは!?」
〇荒野の城壁
つづく
ざわざわする恐怖の闇カジノっ…! 圧倒的カオスな四天王(?)たちっ…! この先の展開、まったく予想がつきませんっ…!!