In My Dream 〜 続きは夢で 〜

暁愁

エピソード10(脚本)

In My Dream 〜 続きは夢で 〜

暁愁

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〇女の子の部屋
浅枝まひる「B3!」

〇一戸建て
浅枝まひる「ハァ・・・ハァ・・・」

〇一軒家の玄関扉
  ピーンポーン♪
結城和恵「・・・まひるちゃん」
  まひるを抱きしめる和恵。
浅枝まひる「お母さん。 ないとさんの部屋ってまだ残ってますか?」
結城和恵「ええ。そのままよ」
浅枝まひる「すみません。上がります」

〇白い玄関

〇本棚のある部屋
浅枝まひる「ハァ・・・ハァ・・・B3」
浅枝まひる「どの本かわからないよ・・・」

〇部屋の扉
結城和恵「まひるちゃん? 開けるわよ?」

〇本棚のある部屋
  部屋中が本で散らかっている。
浅枝まひる「これでもない・・・」
  別の本を手に取るまひる。
浅枝まひる「あった!」
結城和恵「何があったの?」
浅枝まひる「お母さん、あったよ! 本当にあったよ!」
結城和恵「そう。よかったわね」

〇古い大学

〇明るい廊下
  走ってやってくるまひる。

〇散らかった研究室
浅枝まひる「康介!」
浅枝まひる「できたよ! 明晰夢!」
京坂康介「おい、まひる。ばか」
根岸辰蔵「これはどういうことだね」
京坂康介「いや、これは、その・・・」
浅枝まひる「失礼します」
  研究室に入るまひる。
根岸辰蔵「誰が入っていいと言った」
浅枝まひる「根岸教授。 私にこの研究、手伝わせてください」
根岸辰蔵「なんだと?」
  握りこぶしを強く握る根岸。
京坂康介「まひる、何馬鹿なこと言ってんだよ。 そんなこと許されるわけ——」
浅枝まひる「康介は黙ってて。 私は根岸教授にお願いしてるの」
根岸辰蔵「駄目だ」
浅枝まひる「私、明晰夢を使って、夢の中でないと、えっと、結城講師と直接話しました」
  京坂を睨みつける根岸。
京坂康介「すみません・・・」
根岸辰蔵「ふん。 たった一度明晰夢に成功したくらいで図に乗るんじゃない」
浅枝まひる「図になんか乗ってません!」
浅枝まひる「私、夢の中で結城講師に頼まれたんです」
  鞄から本を取り出すまひる。
根岸辰蔵「その本は確か」
浅枝まひる「結城講師が根岸教授から借りていたものですよね?」
根岸辰蔵「・・・・・・」
根岸辰蔵「?」
浅枝まひる「私、結城講師に、この本の中にこのメモがあるから根岸教授に渡してくれって頼まれたんです」
京坂康介「ちょっと待てよ」
京坂康介「まひるの夢に出てきた結城さんに、そのメモを現実の根岸教授に渡してくれって頼まれたってこと?」
浅枝まひる「そう」
京坂康介「まひるはこのメモのこと知ってたのか?」
浅枝まひる「知らない」
浅枝まひる「結城講師に昨日の夢の中で教えてもらいました」
京坂康介「そんな馬鹿なことってあるか?」
京坂康介「だって、まひるの夢の中の結城さんが、まひるも知らない現実のことを知ってるってことだろ?」
浅枝まひる「知らないわよそんなこと。 あったものはあったの」
浅枝まひる「それに、本棚の位置まで教えてくれたんだから」
京坂康介「まじかよ・・・こんなの偶然ですよね?」

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