エピソード11(脚本)
〇古い大学
〇明るい廊下
勢いよく駆けてくるまひる。
〇散らかった研究室
根岸辰蔵「浅枝君。これを・・・」
浅枝まひる「?」
浅枝まひる「この薬は?」
根岸辰蔵「人がREM睡眠に入った時に減少する、神経伝達物質であるノンアドレナリンとセロトニンを増加させ、ニューロン間の信号を——」
浅枝まひる「えっと・・・」
京坂康介「教授。無理っす。 こいつ、理系脳全くないんで」
根岸辰蔵「ん? そもそも理系脳なんてものはだな——」
京坂康介「まぁまぁ」
京坂康介「これは、簡単に言えば夢の続きを見るための薬だよ」
浅枝まひる「ふーん」
京坂康介「それより、まひるは昨日の夢をできるだけ鮮明に思い出して」
浅枝まひる「それは任せて。 もう、夢日記読みすぎて暗記したわ」
薬を口に入れて水を飲むまひる。
京坂康介「あとは、さっき言った通り——」
浅枝まひる「私は昨日の夢の続きを見る。 そして、明晰夢を成功させて絶対にないとに会う!」
根岸辰蔵「アファメーションの正確なやり方は・・・」
京坂康介「教授。大丈夫っす。 こいつ、恐ろしい程自己暗示できてるんで」
根岸辰蔵「うむ」
京坂康介「まひる、絶対成功するから」
浅枝まひる「うん」
京坂康介「それから、明晰夢に成功したら眼球運動忘れないように」
浅枝まひる「えっと、右、左、右・・・なんだっけ?」
京坂康介「あー、ぐるぐる回すだけでいいよ」
京坂康介「どうせモールス符号なんて覚えらんないだろ」
浅枝まひる「わかった。それならできそう」
浅枝まひる「でも、夢で目を動かせば、本当にこっちの私の目も動くのかな」
京坂康介「それは大丈夫。過去の実験で実証済み」
京坂康介「目の筋肉は夢と連動してるんだ」
浅枝まひる「ふぁーい」
あくびするまひる。
根岸辰蔵「睡眠薬が効いてきたようだな。 では、そろそろ始めよう」
浅枝まひる「おやすみなさーい」
〇散らかった研究室
京坂康介「θ波が発生。睡眠判定とします」
〇店の入口
〇シックなカフェ
若者で溢れる店内。
コーヒーを飲み干すまひる。
浅枝まひる「はぁ」
浅枝まひる「また遅刻か・・・」
浅枝まひる「ん?」
浅枝まひる「・・・猫」
〇シックなカフェ
結城ないと「ごめーん。またやっちゃった」
浅枝まひる「・・・・・・」
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