14話:恋はいつだって唐突に♡(脚本)
〇体育館の裏
栗木田 真衣「いーそーげー!! 後夜祭はじまっちゃうー!!!」
岸野 俊介「大盛況で片付け大変だったね!!」
岸野 俊介「あ!あの!栗ちゃん!」
岸野 俊介(文化祭で栗ちゃんとの距離!! 縮まったはず!!)
岸野 俊介(誰だよっ!!?この大事な時にー!!?)
岸野 俊介(ひっさと愛田さんっ!!?)
岸野 俊介「く、栗ちゃん!こっち!!」
愛田 星乃「ご、ごめんね、こんな所まで」
威流 緋雨「ま、まぁ、」
愛田 星乃「あ、あのね、」
愛田 星乃「私、ずっと前から・・・ 威流くんのことが、好きなの」
栗木田 真衣「えーーーっ!!?やっぱりーーー!!?」
岸野 俊介「おおおおーーー!!! まじかぁぁぁーーー!!!」
愛田 星乃「文化祭を一緒に作りあげていくなかで、もっと、威流くんのこと、好きに」
威流 緋雨「悪いけど、それ、嘘だろ?」
愛田 星乃「ど、どうして、そんなこと」
威流 緋雨「だって、お前からは、好意を感じないし」
威流 緋雨「あいつのことが、気に食わなくて、俺に近づいたってとこだろ?」
愛田 星乃「あ、あいつって、誰?」
ほんと!!何なの!?栗木田真衣!!
いい所見せようとして!!
シャシャってくんじゃないわよ!!
愛田 星乃「私の声じゃないわよ!」
威流 緋雨「あんたも随分根回しが上手なようだけど、歩く顔本みたいなやつがいてな・・・」
威流 緋雨「栗木田の悪い噂流していたのも、お前だろ」
愛田 星乃「わ、私をどうするつもり・・・?」
威流 緋雨「別にどうもしない」
威流 緋雨「ただ、」
威流 緋雨「栗木田に構うのは、もうやめろよ」
愛田 星乃「ちょっと可愛いだけのあいつに!! そこまで!?」
愛田 星乃「あんたも栗木田のこと好きなの!?」
威流 緋雨「え、お、俺は、」
威流 緋雨「いや。あいつは、皆がやりたくない事。 率先してやろうとして」
威流 緋雨「たまにアホな所もあるけど、いいヤツだろ」
愛田 星乃「なによ。好意なら、私の方が、」
威流 緋雨「伝える相手、違うだろ」
威流 緋雨「お前の好きな人は、」
愛田 星乃「なによ!私に説教!?」
威流 緋雨「いや、そういうわけでは、」
愛田 星乃「あんたたち仲良し3人組なんてね!!」
愛田 星乃「三角関係になって!! 破綻しちゃえーー!!!」
岸野 俊介「すっっっげえじゃねーかー!!! ひっさーーー!!!!」
栗木田 真衣「証拠をババーン!!って!! かっこよかったーーー!!!」
威流 緋雨「お、お前らっ!!? いつから!!?」
岸野 俊介「さいしょから~!!!」
威流 緋雨「帰る!!!」
「待ってーーー!!!」
〇名門の学校
岸野 俊介「みんなー!!文化祭お疲れーー!!!」
1-A(男子)「おー!!岸野ーー!! 実行委員良かったぞ!!!」
「岸野!!俊介!!」
「俊介!!!岸野!!!!」
「よしっ!!!この後の打ち上げ幹事!! たのんだ!!」
「どこ行く!?頼んだぞ!!岸野!!」
威流 緋雨(岸野には悪いが、俺は帰る)
威流 緋雨(さすがにもう帰りたい。 というか寝たい)
栗木田 真衣「ひっさー! 私も帰るー!」
〇広い公園
栗木田 真衣「疲れてるのにごめんね!」
栗木田 真衣「あの、さっきの、」
栗木田 真衣「隠れて聞いててごめん」
威流 緋雨「その事はもういい」
栗木田 真衣「実はね、ちょうどそのタイミングで、」
栗木田 真衣「きっしーが、告白しようとしてたみたいなの、私に」
栗木田 真衣「はっきりした方がいいのかな?」
栗木田 真衣「でも、それだと、もう今みたいに仲良くできない気がするし!」
〇体育館の裏
愛田 星乃「あんたたち仲良し3人組なんてね!!」
愛田 星乃「三角関係になって!! 破綻しちゃえーー!!!」
〇広い公園
威流 緋雨(それだけは避けなければ・・・)
栗木田 真衣「ねぇ、ひっさは、好きな人っているの?」
栗木田 真衣「あ!いや! 変な意味じゃなくて!」
栗木田 真衣「好きな人と、友達の違いって、 何だろう、って思って・・・」
威流 緋雨「どんな人が好き、とか、ないのか?」
栗木田 真衣「おもしろい。あとは・・・」
栗木田 真衣「頭が良くて・・・ 困った時に頼りになるような~」
威流 緋雨「そんなやつは、クラスにいないのか?」
え~そんな人・・・?
ひっさくらいじゃない?
栗木田 真衣「あれ?」
威流 緋雨「どうした?」
今の話って、友達じゃなくて、
好きな人、だったよね・・・?
栗木田 真衣「えええええぇぇぇぇぇーーー!!???」
威流 緋雨「な、なんだ、どうしたんだ!?」
栗木田 真衣(そ、そうだと思ったら、 なんか、なんか!!)
威流 緋雨(変な顔)
栗木田 真衣「駄目だ!ごめん! 先帰るね!!」
威流 緋雨「えっ!?」
威流 緋雨「なんだったんだ?」
〇おしゃれなリビングダイニング
威流 緋雨(腹も空いたが、とにかく今はもう、ベッドへ・・・)
威流 楓「緋雨おかえり~♪」
威流 緋雨「きょ、今日はさすがにやめてくれ! また明日」
威流 楓「え~♡ 明日はおれとそんなことしてくれるの~?」
威流 緋雨「だから!!」
威流 楓「そのとおり。 もう彼が待ちきれないって」
国乃景「どうも」
国乃景「文化祭後に、女子と公園デートとは、なかなかやるな」
威流 楓「何それ!?聞いてない!!」
威流 緋雨「大事な話があるんだろ!? いい大人がこんな時にふざけるな!!」
「ほんと真面目だね~」
国乃景「ま、そのつもりなら話は早い。 君のおかげでもう残業時間だからな」
国乃景「東諸国と西諸国の食糧規制の動きが、とうとう公の場で発表された」
国乃景「従ってこれが最終警告」
国乃景「吾妻緋色君、そのバケモノから今すぐ、離れてくれ」
威流 緋雨「わか」
威流 楓「待って」
威流 楓「ねぇ、どうしておれには、離れろって言わないの?」
国乃景「あんた真面目じゃないだろ」
威流 楓「ひっどいな~。 彼の為ならとっても真面目なのにね~?」
威流 楓「いいよ。おれが離れる」
威流 緋雨「な、なんで」
威流 楓「それでいいでしょ? ○○さん?」
国乃景「いいだろう。猶予は二日。 それまでに全部済ませろよ」
威流 楓「は~い♪」
警察「邪魔したな」
威流 緋雨「あんた、本当にそれでいいのか?」
威流 緋雨「学校、楽しんでたんじゃ・・・」
威流 楓「そう思えるのはね」
威流 楓「君がそう感じているからだよ」
威流 楓「学校、楽しいみたいで何よりだ」
威流 楓「君はそのままで」
威流 緋雨「そ、それじゃぁ、あんたが・・・!」
威流 楓「ちがうよ、緋雨」
威流 楓「ありがとう、はこっち。 君と一緒にいると楽しいことばかりだった」
威流 緋雨「や、やめてくれ! そんな、今生の別れみたいな・・・」
威流 楓「そう!」
威流 緋雨「え?」
威流 楓「また会えるよ、きっと」
威流 楓「忘れたの? おれたちは二人で一人でしょ?」
威流 楓「これ、もってて」
威流 緋雨「キーホルダー、か・・・?」
威流 楓「おれだと思って肌身離さないように」
威流 緋雨「ま、まぁ、最後くらい」
威流 緋雨「ここにつけておけばいいか?」
威流 楓「毎日話しかけてね!」
威流 緋雨「それは断る!!」