邪馬台国の女王・卑弥呼に恋する彼女は卑弥呼以上に美しい

鷹志

第12話 邪馬台国の女王・卑弥呼になったあなたは卑弥呼以上に美しい(脚本)

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〇植物園のドーム
  ミス卑弥呼コンテスト本選がいよいよ開幕する・・・
館長「今回予選を勝ち抜き本選に出場する参加者は10組」
館長「これからステージに上がる順番を発表する」
館長「1番目は・・・」
館長「弥生さん!」
真治「1番目!? おいおい・・・」
真治「どうする? よりによって最初だとよ」
弥生「あら、最高の順番じゃない」
真治「本気か? 1番目はプレッシャーもかかるし、審査員も最初は様子見で高い点数をつけないんじゃ・・・」
弥生「そんなの関係ないわ」
弥生「最初に私たちの歌と音楽で観客を圧倒して、誰が一番すごいのかを早めに教えてあげましょ」
真治「・・・そうだよな。お前はそういう女だった」
真治「よし、コンテスト開始と同時に観客の度肝を抜いてやるか」
弥生「その通りよ」
館長「2番目は・・・さん。3番目は・・・」
館長「7番目は・・・」
館長「伊代さん!」
マネージャー「7番目か・・・いい順番だな」
マネージャー「こういう大会では1番目や2番目が優勝することはまずない」
マネージャー「審査員も様子見で点数を抑えるからな」
マネージャー「じゃあ、最後のほうがいいかというと、そうでもない」
マネージャー「後ろにいけばいくほどプレッシャーがかかる。他の人がいい演技をするとあせりも出てくる」
マネージャー「そう考えると、10番中7番目というのはベストな順番だ」
伊代「ぶつぶつと何しょうもないことを語ってるのよ」
マネージャー「しょうもないだと?」
伊代「何番目になろうが、勝つのは私って決まってるのよ」
伊代「出る順番によって私が負けると思う?」
マネージャー「・・・そんなことはありえないな」
伊代「そうでしょ」
伊代「ま、ラッキー7の7番目ってのは悪くないかもね」
館長「8番目は・・・さん」
館長「9番目は・・・」
館長「玲子さん!」
大和「9番目・・・弥生さんや伊代さんより後ですか。プレッシャーがかかりますね」
玲子「そうね」
玲子「でも、順番は関係ないわ」
玲子「私は私の考える卑弥呼様になるだけよ」
大和(玲子さん、もっと興奮して大騒ぎするかと思ったけど・・・ずいぶん落ち着いているな)
館長「そして、最後の10番目は・・・氷見子さん!」
氷見子(ひみこ)「最後か・・・他の参加者に悪いわね」
氷見子(ひみこ)「私が最後に全てを持っていって優勝してしまうなんて・・・」

〇先住民の村
館長「コンテストを開始する前に審査基準について説明しておく」
館長「審査の基準はただひとつ」
館長「我々審査員や観客に「この人こそがまさに卑弥呼!」と思わせた者が優勝じゃ!」
館長「それでは、これよりミス卑弥呼コンテストを開催する!」

〇先住民の村
  1番目 弥生
  真治の演奏に合わせて弥生が歌い始める。
  邪馬台国の女王となった卑弥呼が国を治める決意を示す歌だった。
  卑弥呼となった弥生が、邪馬台国の民・・・観客に向かって歌う。
  その歌声は力強さとやさしさを兼ね備えた美しい歌声だった。
  観客は弥生の歌声と真治が奏でる音楽にすっかり魅了された・・・
  2人の発表が終わる・・・
  2人の歌と演奏に感動した観客から割れんばかりの歓声が起こる。
真治「やったな。お前はこの大舞台で最高の歌を披露した」
弥生「やり切った・・・」
弥生「私は、私の考える卑弥呼を全力で表現した・・・」
玲子「弥生さんの気持ちのこもった歌、すごかった」
玲子「力強くて、美しくて、華麗で・・・最高に素敵だった」
大和「真治さんの演奏も素晴らしかったです」
玲子「弥生さん、真治さん。素敵な歌と音楽、ありがとう!」

〇先住民の村
  7番目 伊代
  伊代の演技が始まる。
  伊代は、邪馬台国の女王・壱与(いよ)となって観客に語りかける・・・
伊代「私は邪馬台国の女王・壱与!」
伊代「私が卑弥呼様の後を継いで邪馬台国を治める!」
伊代「私の力で再び邪馬台国を安定させる!」
  その姿は、わずか13歳で女王となり、その幼い外見とは正反対に威厳を持って国を統治する女王・壱与の姿そのものだった
  観客は完全に壱与になりきった伊代の姿から目を離すことができなかった。
伊代「みんな、今日は来てくれてありがとう!」
  今度は一転、伊代が笑顔で観客に微笑み、華麗な舞を披露する
  洗練された動き
  しかし、その表情は明るく元気で
  心から楽しそうに踊る13歳の女の子の姿だった。
  そのあどけなくかわいらしい姿に、観客の目は釘付けになった。
伊代「みんな、壱与ちゃんが一番でしょ?」
  その場にいる観客全員の心をつかんで、伊代の発表は終わる。
  会場には今日一番の大歓声と拍手が響き渡った。
伊代(壱与ちゃん、見ててくれた?)
伊代(私、壱与ちゃんになったの。私の大好きな壱与ちゃんに)
伊代(壱与ちゃん、ありがとう!)
玲子「伊代ちゃんの演技はやっぱりすごかったね」
大和「はい」
玲子「演技だけじゃない。女王・壱与ちゃんを本当に大切に思う気持ちも伝わってきた」
玲子「見ていて心が震えた」
大和「はい、素晴らしかったです」
大和(伊代さんの女王・壱与への想いは本物だった・・・)

〇村の広場
大和「いよいよですね」
玲子「うん」
大和「玲子さん、もっと緊張するか興奮するかと思っていましたけど、けっこう落ち着いてますね」
玲子「うん」
玲子「弥生さん、伊代ちゃん、その他の人たち」
玲子「みんなの発表を見てたらすごくうれしくなってきちゃって」
大和「うれしい?」
玲子「だって、本気で卑弥呼様になりたいっていう人がこんなにたくさんいるんだもん」
玲子「あっ、伊代ちゃんは卑弥呼様じゃなくて壱与ちゃんか」
玲子「そしたら、緊張感や興奮を通り越して、逆に落ち着いてきちゃった」
玲子「私もみんなに負けないように・・・」
玲子「あっ、別にコンテストに勝つとか負けるとかじゃなくて・・・」
玲子「私も「私の憧れの卑弥呼様になろう」ってことだけを考えていたら、落ち着いてきたの」
大和「そうですか」
大和「玲子さん、とてもいい表情をしていますよ」
玲子「・・・」
  「次は9番目の葛城玲子さんです」
玲子「大和くん、行ってくる!」
大和「はい!」

〇先住民の村
  玲子の発表が始まる。
玲子「邪馬台国の民よ!」
玲子「私は邪馬台国の女王・卑弥呼」
玲子「私の使命は皆が豊かに暮らせる国をつくること」
玲子「私には私にしかない力がある」
玲子「日照りのときに雨を降らせることもできる」
玲子「我が国を侵略しようとする敵勢力を追い払うこともできる」
玲子「・・・」
玲子「・・・しかし、私にできないこともたくさんある」
玲子「私一人の力では国を豊かにすることはできない」
玲子「国を・・・邪馬台国を豊かにするには皆の力が必要」
玲子「邪馬台国のために皆の力を貸してほしい」
玲子「皆で一緒に邪馬台国をつくっていきたい!」
玲子「私は邪馬台国の民の皆を・・・」
玲子(そして、私はあなたのことを・・・)
玲子「愛してる!」

〇先住民の村
大和(玲子さんは・・・卑弥呼になった)
大和「・・・」
大和「玲子さん」
大和「邪馬台国の女王・卑弥呼になったあなたは・・・」
大和「卑弥呼以上に美しい・・・」

次のエピソード:第13話 2人の想い、2人のこれから【最終話】

コメント

  • ついに卑弥呼になりましたね!そして大和の気持ちでタイトル回収😆最高です👍
    コンテストの結果、そして恋の行方……色々楽しみ✨そのまま最終話行ってきます!

  • 物語のメインどころの今話、タイトルに繋がる大和くんの大事なセリフも聞けましたね。次はいよいよグランドフィナーレ、コンテストの結果は、そして2人の関係は、楽しみになります!

  • 見事なタイトル回収😆はたして結果は…!?

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