レッスン1【声】(脚本)
〇空きフロア
ACTORS AI(アクターズアイ)「みなさんこんにちは。 私はこのワークショップの講師を務める、ACTORS AIです」
ACTORS AI(アクターズアイ)「アイさんとお呼びくださいね」
ACTORS AI(アクターズアイ)「それでは参加者の皆さんも自己紹介をお願いします」
ユウイチ「初めまして!ユウイチです! 演技は未経験です。 よろしくお願いします!」
夏美「あ、あの、な、夏美と言います。 演技歴は1年ですが、まだまだ下手っぴで・・・」
夏美「が、頑張りますのでよろしくお願いします・・・」
タダシ「俺の名前はタダシ。 演技歴は3年。 よろしくな」
タダシ「分からないことがあれば何でも聞いてくれ」
ACTORS AI(アクターズアイ)「自己紹介ありがとうございます。 皆さんの演技上達に少しでも役立てるよう、私も頑張りますね」
ACTORS AI(アクターズアイ)「この講座では、演技するうえでのちょっとしたコツをお伝えしていきます」
レッスン1
声の出し方
ACTORS AI(アクターズアイ)「ユウイチさん、演技をしている時と日常会話をしている時、声の出し方は同じだと思いますか?」
ユウイチ「えっ!?」
ユウイチ「えーと・・・やっぱり違うんじゃないでしょうか・・・?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「では何が違うかわかりますか? 夏美さん」
夏美「あ、あの、腹式呼吸を使うとか、滑舌とか、そういう違いでしょうか?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「そうですね。厳密に言うともちろん基本としてそういったことは必要です」
ACTORS AI(アクターズアイ)「でも、ここでお伝えしたいのは「声を飛ばす」という意識です」
タダシ「意識?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「はい」
ACTORS AI(アクターズアイ)「声は前に飛ばす意識をしなければ、相手に届く前に落ちてしまいます」
ACTORS AI(アクターズアイ)「たとえば、挨拶をしても気づかれなかった経験はありませんか?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「あれは、相手に伝えようという意識を持って喋らなければ届かないという良い例です」
夏美「そういえば私も声が小さいってよく言われます」
ACTORS AI(アクターズアイ)「その時、夏美さんは伏し目がちに喋っていませんか?」
夏美「た、たしかにそうだったと思います」
ACTORS AI(アクターズアイ)「伝えたい相手にちゃんと目線を向けるだけでも届き方は違ってきますよ」
夏美「演技だけでなく、日常でも役立ちそうですね! 今度やってみます!」
タダシ「俺は逆に声がデカいって言われるから、このレッスンに関してはクリアだな」
ACTORS AI(アクターズアイ)「ではタダシさんは『距離感が変わらない』と言われたことはありませんか?」
タダシ「うっ・・・」
タダシ「ま、まあ・・・ 演技始めた頃は言われたかな・・・」
ACTORS AI(アクターズアイ)「相手の立ち位置や関係性によっても声の出し方は変わってきます」
ACTORS AI(アクターズアイ)「まずは『声を飛ばす相手との距離と向き、シチュエーションをきちんとイメージする』ということが大切です」
ACTORS AI(アクターズアイ)「よく『声を張る』と言いますが、それだけでは伝わらないものもあります」
ACTORS AI(アクターズアイ)「たとえば先程言った距離感や感情なんかがそうですね」
ユウイチ「あ、あの、発声も滑舌もまだやり方がよく分からないんですが、僕でも出来ますか?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「もちろんですよ」
ACTORS AI(アクターズアイ)「発声や滑舌練習はいわば筋トレと同じです。自分を磨くために必要な日々の努力ですね」
ACTORS AI(アクターズアイ)「鍛えられた筋肉は一朝一夕で手に入れられるものではありませんが、毎日30分続けるのと週に1度2時間のジムに通うのでは」
ACTORS AI(アクターズアイ)「1年後の成果にかなり差が出ます」
ACTORS AI(アクターズアイ)「ユウイチさんは始めたばかりなので、発声や滑舌の練習をぜひ毎日少しずつでもやってみて下さいね」
ACTORS AI(アクターズアイ)「きっと半年後には今同じスタートラインに立ってる方よりずっと安定した『声』を手に入れられると思いますよ」
ユウイチ「はい!頑張ります!」
ACTORS AI(アクターズアイ)「役者にとって『声』は楽器のようなものです」
ACTORS AI(アクターズアイ)「手入れされてなければどんなに高い楽器も良い音は出ません」
ACTORS AI(アクターズアイ)「そして先ほど言った声の出し方のコツは楽器における演奏者の技術です」
ACTORS AI(アクターズアイ)「今誰とどこで話しているのか、登場人物はどんな気持ちで話しているのか、相手は自分の役にとってどんな人物なのか」
ACTORS AI(アクターズアイ)「それをイメージするだけで、声から受け取る印象が変わってきます」
ACTORS AI(アクターズアイ)「とても急いでいる状況なのにリラックスした話し方をしていたら違和感を感じますよね?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「また、遠くにいる相手に話しかけてるのに目の前にいる相手と変わらない距離感で話していたらおかしいですよね?」
ACTORS AI(アクターズアイ)「優れた発声とそれを操る技術を身につければ、役者として1歩も2歩もレベルアップできますよ」
ACTORS AI(アクターズアイ)「もちろん、安定した発声が出来るようになれば日常生活における自信にも繋がりますので」
ACTORS AI(アクターズアイ)「ぜひ『声を相手に伝える』ということを意識して、普段の生活でも会話してみてください」
ユウイチ「演技の勉強って稽古場でやるものだと思ってたけど、生活の中でも学べることってあるんですね」
ACTORS AI(アクターズアイ)「はい。 むしろ、どれだけ意識して日常生活を過ごすかが役者にとっては大切です」
ACTORS AI(アクターズアイ)「その中で演技に必要な『気づき』をどれだけ多く得られるか・・・」
ACTORS AI(アクターズアイ)「それが『優れた俳優』への道を左右する最も大切なポイントです」
タダシ「なるほど」
ACTORS AI(アクターズアイ)「通学・通勤中の電車の中、食事中、歩いている時、いついかなる場合でもふとした瞬間に『気づき』を得られることがあります」
ACTORS AI(アクターズアイ)「それを引き出しとして演技に生かせられるように頑張っていきましょう」
「はい!!」
ACTORS AI(アクターズアイ)「それでは皆さん、レッスン2でまたお会いしましょう。 ありがとうございました」
日常生活を意識して過ごして必要な「気づき」を得ることは、役者に限らず全ての職業に言えることだなあ、と感じました。勉強になります。アイ先生はAIみたいですが、この先こういう風景も日常化する日が来るかも知れませんね。
わたしは演技をする者ではないですが、演技をしない人にとっても参考になる話だなと思いました。
日常生活を送る上でも、多少の演技って必要なときがあるなと思いました。
なんだか勉強になりました。
「声を前に出す」っていうのは、普段の生活でも使えそうですね。
会話でだれてきそうな時に使わせていただきます!