4妖怪、人間、大迷惑(脚本)
〇城下町
絵から逃げ出した妖怪を捕まえる為外へ出た惣七と縁
本当に 見つかるのかねぇ
惣七「おい縁! お前の描いた妖怪はどこにいるんだよ!」
縁(えにし)「まぁまぁ そう慌てなさんな 夜は永いんだ」
縁(えにし)「ゆっくりいこうよ」
惣七「あのな! お前が描いた妖怪達に遠くへ行かれたら いよいよ探すの大変だぞ!?」
惣七「それをわかってるのか・・・」
五月蠅いぞー!
何時だと思ってんだー!
縁(えにし)「あーあー ほら惣ちゃん、ご近所迷惑だ 少し落ち着きな」
惣七(誰のせいで大声出す羽目になったと思ってんだよ!)
惣七「大体 縁! 自分が描いた絵を忘れるなんて絵師として」
惣七「なんだ? まさか 縁の描いた妖怪が人に悪さを!?」
縁(えにし)「あっちから音がしたよ!」
〇畳敷きの大広間
一方 秀仙堂
兼巻さん「やれやれ、惣七君 一体どこへ行ってしまったんだ」
兼巻さん「とにかく明日もう一度探して・・・」
兼巻さん「ん・・・? 何の音でしょう」
兼巻さん「何かをすり潰すような 擦り合わせるような」
〇畳敷きの大広間
「これじゃ・・・ これじゃよ」
兼巻さん「ひぃ!?」
「やっぱり絵の小豆より」
〇畳敷きの大広間
「ほんもん の小豆がええのぉ~♪」
兼巻さん「うわあぁーーー! デターーーーー!」
〇屋敷の門
惣七「ここから大きな音が聞こえたぞ!」
誰か捕まえてくれー!泥棒ー!
惣七「うんっ? 猫!?」
惣七「猫が本を咥えてる 縁!この猫はお前の描いた妖怪か?」
縁(えにし)「ン~? 覚えてない」
ヤマブキ「ナー!」
惣七「うわわわ! 着物の裾に入ってくんなよ!」
どこかの金持ち「ぜぇハアぜぇハア」
どこかの金持ち「泥棒猫はどこへ行った!」
惣七「泥棒って汚い本を咥えた猫ですか?」
どこかの金持ち「汚い本ではない! あれはこの世に一つ」
どこかの金持ち「絶景崋山(ぜっけい かざん)の 遺作!「六十猫伝」である!」
縁(えにし)「誰?のなんだって?」
惣七「ええええー--- あの天才読本作者(小説家)、崋山先生の!? 遺作ウゥ!?────」
どこかの金持ち「物語こそ完結しているが 挿絵が出来上がらず お蔵入りになった」
どこかの金持ち「世に出回らずして崋山が最後に残した 幻の作品!!!!!!」
縁(えにし)「全く大袈裟だねぇ」
惣七「おいっ 縁!聞こえるぞ!」
どこかの金持ち「そこの者!」
惣七「は、はい!?」
どこかの金持ち「深夜にここへ何用か!? 猫をけしかけたのはお前か?」
惣七「いやいやいや!? 俺はたまたま」
どこかの金持ち「タマだとぉ? やはりお前の猫か!?」
惣七「なんでそうなんの!? 違うっての!」
惣七の着物の中で猫が暴れまわる
惣七「うわっ うわっわ!」
どこかの金持ち「お前、怪しいなぁ 何か知ってるんじゃないのか ならこれならどうだ。取引だ」
どこかの金持ち「私はとんでもなく金持ちだ ここに大判が3000枚ある(約30億!!)」
惣七「さ?ささささささ!さん!ぜん!まい!? うわー-----!このえげつない輝き! 大判小判がザックザク、の大判だ〜!」
惣七(もしここで縁の貧乏が発動しても 少なくとも30両(約300万)は手に入る!)
どこかの金持ち「情報に応じて お前に やる 猫は どこへ行った?」
惣七「うっ (欲しい!30両~~~!この着物の中でもぞついてる泥棒猫を渡せば少なくとも30両~~!!)」
惣七「ままままってくれ! 見てほしいものが!」
惣七は猫を 捕まえようと 自分の着物に手を突っ込む
惣七「いてっ! 暴れるな!噛むな!」
猫 暴れる 暴れる
縁(えにし)「取引か 渡したら その猫、どうなるんだろうねぇ」
惣七「・・・」
惣七「あの、因みになんだけど 本を猫から取り返したら その猫はどうなるんだ?」
どこかの金持ち「ん? 決まってるだろう」
どこかの金持ち「殺すんだよ」
惣七「・・・ ぇ・・・」
どこかの金持ち「わしは猫は好かん! しかしこの本を手に入れてから うちの庭に猫が入ってくるようになった!」
どこかの金持ち「全く気味が悪い! この本の名! 「六十猫伝」などと!腹立たしい!」
惣七「ちょ、ちょちょ 猫嫌いなのに何でそんな本持ってるんだ? 名前からして猫が活躍する内容なんだろ?」
どこかの金持ち「しらん!読んでない! 読む気もない!」
惣七「なんでだよ!? この国のお殿様だって夢中になる天下の崋山先生だぞ!?」
どこかの金持ち「私は 珍しい物を 友人に披露する為に この本を集めさせたのだ!」
どこかの金持ち「高い金を払ってだ! それが奪われたのだぞ!?」
「・・・」
どこかの金持ち「この悲しみがお前にわかるか!?」
惣七「・・・わからない」
どこかの金持ち「それで! 猫はどうなった!? 早く答えろ!」
惣七「・・・」
惣七「あの林の向こうへ消えた どこへ行ったかは 皆目見当がつかない」
どこかの金持ち「くそー---! どこへ行った!憎き猫め!」
どこかの金持ち「大した情報じゃなかったが 報酬はやる ほらよ貧乏人」
惣七「いくぞ 縁」
縁(えにし)「惣七、あの人30両を置いていったよ」
惣七「・・・いくぞ」
縁(えにし)「・・・」
〇古びた神社
惣七「おい、もう出て来いよ 誰かに突き出したりしないからさ」
惣七「全く、どうして猫が盗みなんか」
縁(えにし)「可愛い猫だね 猫は好きだよ 寒い日に暖を取れる」
縁(えにし)「今は見てるだけで暑苦しいけどね」
ヤマブキ「べーろべーろ」
猫は毛繕いをしている
惣七「なぁ 縁 お前の姿は 俺にしか見えないのか?」
縁(えにし)「アンタにだけ、というわけでは ないがね」
縁(えにし)「別れるんだよ 視えるやつ と 視えないやつ」
縁(えにし)「不思議なもんでね」
惣七(さっきの金持ちには縁が見えてなかったな)
縁(えにし)「で? この子が咥えてる本は どうするんだい?」
惣七「ああそうだ! 崋山先生の幻の遺作!」
惣七「うわー うわー すげー!直筆?生原稿? 読んでみたいなー!」
縁(えにし)「でもその 崋山先生? に返さなきゃいけないだろ?」
惣七「あっ えっと縁 遺作ってのは」
ヤマブキ「カザン は おっ死んだよ 去年の年の暮れに」
縁(えにし)「へぇ そうかい」
惣七「こいつ! 口を聞いたぞ!」
ヤマブキ「黙れ お前だって口くらい聞くだろ禿(はげ)」
惣七「うわー!なにぃ~~~? こいつぅー--!?」
縁(えにし)「アッハッハッハ! 威勢がいいねぇ~」
ヤマブキ「おまえ 貧乏神か」
ヤマブキ「寄るな 貧乏になる」
惣七「おいコラー----! さっきから黙って聞いてりゃ 抜け抜けとーーーー!」
惣七「さっき庇ってやった恩を忘れたのか?」
ヤマブキ「恩? お前 ヤマブキをひっ捕まえようと してだだろ 知ってるぞ」
ヤマブキ「ん、ま、いいけど」
ヤマブキ「イチオー 世話になった、ということにして」
ヤマブキ「礼をしてやるから」
ヤマブキ「ほしけりゃ うちに くれば?」
やれやれ惣七のやつ
折角大金が手に入る好機だったのに
猫に小判ならぬ惣七に大判
ど~せ ろくなことにならないよ
まぁでも 続きはまたのお楽しみ
「本なんかに興味は無い! 自分は人に自慢したいから大金で買い取っただけだ」
ここら辺で惣七がカチンと来てますね。
この後の惣七の方向性に影響がありそうです。
しかしまあ猫が60匹も…
もっとも犬だったら101匹かもしれませんが…
ともあれ
楽しませていただきました。
ありがとうございます。
取れたて野菜は最高よね😍🥗✨
キャラが生き生き躍動してますね🎵
縁みたいな体質だと確かに、縁みたいになるかも~😲✨
妖怪が次々出てくるのかな😱と思っていたら、猫ちゃんでてきた💕口悪いけど可愛い💕活躍楽しみです。