エピソード1 ─遭遇─(脚本)
〇山の中
????「・・・」
????「・・・」
????「聖太(せいた)、何やってるんだよ!」
神城聖太「ご、ごめん。 夜の山道なんて歩かないから・・・」
クラスメート「ったく。 誘った時ノリノリだったくせに」
神城聖太「でも、裏山に噂のテラーマンが本当にいるのかな」
クラスメート「どうだろうなぁ。 まぁネットで見たって書き込みがあったんだから、確かめない手はないぜ?」
神城聖太「まさか僕らの学校の裏山にいるなんてね」
クラスメート「ラッキーだよな!」
クラスメート「ツブヤイターによれば、テラーマンが居たのはこの辺りのはずだけど・・・」
神城聖太「誰もいないね」
クラスメート「やっぱデマだったかぁ~?」
神城聖太「う~ん。 都市伝説の怪人がこんな簡単に見つかるわけないか」
神城聖太「わぁっ!?」
クラスメート「な、なんだよびっくりしたぁ!」
神城聖太「ごめん。 ネズミだった・・・」
クラスメート「驚かせるなよ」
クラスメート「もう帰ろうぜ。 こんな時間に家を抜け出したことが親にバレたら、何を言われるか」
神城聖太「そうだね」
神城聖太「あっ!」
クラスメート「こ、今度は何だよっ!?」
神城聖太「さっき驚いた時にスマホ落としたみたいだ」
クラスメート「おいおい!」
神城聖太「茂みに入っちゃったみたい。 探すの手伝ってよ」
クラスメート「こんな暗い中で見つけるのは無理だって。 また明日、探しにこようぜ!」
神城聖太「そんなぁ!」
クラスメート「俺はもう帰るからな。 テラーマンも見ずに、父ちゃんに怒られるなんてごめんだし!」
神城聖太「あ・・・」
神城聖太「仕方ない。 僕だけで探すか」
神城聖太「・・・」
神城聖太「見つからないなぁ」
神城聖太「どうしよう。 明日まで放置しても大丈夫かな」
神城聖太「ん?」
神城聖太「あ、あれって・・・!?」
????「・・・」
神城聖太「て、て、テラーマン・・・!?」
神城聖太(まさか本当にいるなんて!)
神城聖太「人間の姿じゃない・・・こ、怖い」
神城聖太(あっ。 僕のスマホあんなところに!)
神城聖太「・・・」
神城聖太(あいつを写真に撮れたら、すっごいことになるぞ)
神城聖太(静かに、音をさせないように拾うんだ)
神城聖太(よしっ! 写真アプリを起動させて──)
神城聖太(──やった! 撮れたぞっ)
????「・・・!?」
神城聖太(しまった! み、見つかった・・・!!)
????「・・・」
神城聖太(こ、こっちにくるっ!! すぐに逃げないと!)
神城聖太(噂通りなら、テラーマンに捕まったら生命力を奪われて殺されちゃう!!)
神城聖太「うわああっ!!」
????「レク・テイキヲ・シナハノシ・タワ! ケ・ツチ・オテマ!!」
神城聖太(こ、殺されるっ)
お待ちなさいっ!!
????「その子に手出しはさせません!」
神城聖太「だ、誰っ!?」
????「私が来たからには、もう大丈夫。 少し離れていなさい」
????「マ・サキダ・ノ・モニ・ナ!?」
????「今度は子供の命を奪うつもり? 許しませんよ、テラーマン!」
????「今日こそ、あなたの悪逆をこの刀で裁いてあげます!!」
????「カ・ノイナ・ヤジン・イシ・カオ!? ルス・ヲ・ニナ!!」
????「問答無用!!」
????「ギャッ!!」
????「トドメ!」
????「ちっ。 逃げられましたか」
神城聖太「・・・あ、あの」
????「無事でよかった」
神城聖太「助けてくれてありがとう。 あなたは一体・・・?」
シスター・マーダ「私はシスター・マーダと申します。 奴を──テラーマンを追う者です」
神城聖太「あいつ、本当にテラーマンなんですね」
シスター・マーダ「ええ。奴は危険です。 私は奴を葬るため、秘密修道院より密命を受けてこの国に派遣されたのです」
神城聖太「密命・・・? 秘密修道院? 国に派遣!?」
シスター・マーダ「そして、きみはテラーマンに次の獲物として認識されてしまいました」
シスター・マーダ「奴はきみを狙うことを諦めないでしょう」
神城聖太「えぇっ!? そんな・・・どうして!?」
シスター・マーダ「あれは人の生気を吸い取る悪鬼。 本来ならば、こちらの世界に現れるはずはなかったのですが・・・」
神城聖太「こちらの世界?」
シスター・マーダ「・・・喋り過ぎましたね。 今のは忘れてください」
神城聖太「あいつのこと教えてください! これからも僕を狙ってくるんでしょ!?」
シスター・マーダ「・・・わかりました。 信じられないと思いますが話しましょう」
シスター・マーダ「私はこの世界の人間ではありません。 異世界アガルタ・マルダよりやってきたのです」
神城聖太「異世界・・・!?」
シスター・マーダ「あなたたちがテラーマンと呼ぶ怪人は、アガルタ・マルダから悪意を持って渡来してきた存在です」
シスター・マーダ「奴はこの世界を餌場にする気です。 こちらでは奴を倒す術は少ないですから」
神城聖太「そ、そんな・・・ そんなことが現実にあるなんて・・・」
シスター・マーダ「信じられないのも無理はありません。 この世界とアガルタ・マルダは表裏一体」
シスター・マーダ「本来、あなたたちに存在を知られることのない影の世界なのですから」
神城聖太「はは・・・」
シスター・マーダ「どうしました?」
神城聖太「凄いや! そんな世界があったなんて!!」
シスター・マーダ「他言無用でお願いします」
神城聖太「もちろん! えぇと、シスター・マーダ?」
シスター・マーダ「はい。なんでしょう」
神城聖太「僕はテラーマンに目を付けられたってことなんですよね?」
シスター・マーダ「そうなりますね」
神城聖太「これから僕はどうすれば?」
シスター・マーダ「このまま放ってはおけません。 私があなたを守ります」
神城聖太「そりゃあ心強いや!」
シスター・マーダ「取り急ぎ、この場を離れましょう。 街からも出た方が安全です」
神城聖太「街を・・・そうですか。 じゃあ親に連絡を──」
シスター・マーダ「それはダメです! 奴は携帯の電波を追跡する力があります」
神城聖太「わ、わかりました。 電源切っておかなきゃ・・・!」
シスター・マーダ「ふもとに車があります。 再びテラーマンの襲撃を受ける前に下山して街を出ましょう」
神城聖太「はい!」
シスター・マーダ「・・・」
──to be continued.
最後のシスターを見て、どういうことなのかすごく疑問が残りました!これからどうなるのか、とても展開が気になります。面白かったです。
テラーマンって悪い人(?)じゃなさげですよね。
セリフを逆に読んだ限り。
むしろシスターの方がなにか企んでるような…あのニヤリとしたスチルといい。
最後のシスターのほほえみにぞくっとしました。彼女は本当に信頼すべき存在なのでしょうか? テーラーマンは本当に悪なのでしょうか? そんな疑問を抱きながら、次作を楽しみにしています。