魔法少女ハルノの挑戦

武智城太郎

第六話 魔法決戦(1)突入!(脚本)

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武智城太郎

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〇綺麗な一戸建て
  木曜日の早朝──

〇可愛い部屋
天羽春乃「う~ん、もう食べられない・・・」
ラック「おい、寝ぼけるな!! もう時間だぞ!!」
ラック「姉妹を助けに行くんだろ!!」
天羽春乃「あ、そうだった!!」
ラック「今日は平日だからな。まずは通学用の身代わりを出すんだ」
天羽春乃「うん、わかった」
天羽春乃「パーリル マクテク ポーナパルト♡ 分身よ、登場してー!!」
ラック「分身の春乃。今回も頼んだぞ」
天羽春乃「うん、まかせて♪」
天羽春乃「完璧なコピーを作る魔法なのに、どうしていつも本物よりバカっぽい感じになっちゃうんだろ?」
天羽春乃「身代わりだって、学校の友達にバレちゃわないかな?」
ラック「心配するな。おれでも見分けがつかん」

〇原っぱ

〇霧の立ち込める森

〇森の中の沼
天羽春乃「やるぞ! ゼッタイに弥生ちゃんと千尋ちゃんを助け出すぞーっ!!」
ラック「その意気だ、春乃」
天羽春乃「でもあのトンネルはどこにあるの? キョロキョロ」
ラック「魔法の力で探すんだ。必ず見える」
天羽春乃「あっ!!」
ラック「もう見つけたか?」
天羽春乃「今日は木曜だから、『天使の魔法少女ララミット』がある日だった!!」
天羽春乃「今日が最終回なのに!!」
ラック「おい、それどころじゃないだろ。 それに毎週録画もしてるだろ」
天羽春乃「う、うん」
天羽春乃「あ、ほんとに見つけた!!」

〇村に続くトンネル
ラック「気をつけろ。おれたちが姉妹を助けに来ることは、むこうもわかってるはずだ」
ラック「とうぜん、罠を仕掛けて待ち構えてるぞ」
ラック「トンネルをくぐったとたん、攻撃魔法をしかけられるかもしれん」
ラック「春乃は魔女の姿を目にしたら、速攻で”正義の鉄槌”を発動しろ」
天羽春乃「うん、わかってる。準備オーケーだよ」
ラック「よし、行くぞ!!」

〇白

〇立派な洋館
天羽春乃「うおぉぉ・・・! 魔法少女ハルノ、見参!!」
天羽春乃「あれ!?」

〇養護施設の庭
天羽春乃「・・・誰もいないね」
ラック「油断するな。隠れて見張ってるはずだ」
ラック「明日の生贄の儀式に備えて、もう寝てる可能性もあるか・・・」
天羽春乃「どうするの?」
ラック「かまわん。姉妹のところへ向かおう。地下牢だったな」
  春乃たちは、屋敷の正面ドアから玄関ホールに入る。

〇洋館の玄関ホール
天羽春乃「わ~~っ!! お城みたい!」
ラック「まだ誰も現れん。不気味だな」
天羽春乃「とにかく弥生ちゃんたちをさがそう!!」

〇洋館の廊下
ラック「地下牢はたぶんこっちだな。地下室特有のよどんだ空気の匂いがする」

〇地下室への扉
ラック「ここか」

〇地下に続く階段
天羽春乃「お~い!! 弥生ちゃ~ん!!」
ラック「バカッ!! 大声を出すな。見つかるだろ」
天羽春乃「でも誰もいないよ」

〇薄暗い廊下
天羽春乃「どう、ラックちゃん?」
ラック「あの娘の匂い! この先だ!!」
天羽春乃「ほんとに!?」

〇留置所
天羽春乃「弥生ちゃん!!」
天羽春乃「二人とも、だいじょうぶ! 助けに来たよ!」

〇刑務所の牢屋
岩崎弥生「天羽さん!!」
岩崎弥生「どうやってここまで!? あの犯人の女の人は大丈夫なんですか!?」
岩崎千尋「弥生おねえちゃん、このおねえちゃん誰?」

〇留置所
天羽春乃「千尋ちゃん、初めまして! すぐに魔法で開けてあげるからね!」
天羽春乃「パーリル マクテク ポーナパルト♡ 牢屋のカギよ──」
  そこへ、俊敏な黒い影が乱入してくる。
ノワール「ガルルルルルッ・・・!!」
ラック「ワン公! やっぱりディアナの使い魔だったか」
  ラックは、魔犬ノワールの牙を間一髪でかわす。
ラック「春乃、伏せろ!!」
  春乃の首めがけて振られた大鎌が、空を切り裂く。
インプのジョー「チッ!」
天羽春乃「なにあれ!? 虫歯菌の人!?」
ラック「下級悪魔のインプだ。あの女、使い魔を二匹も飼ってるのか!」
天羽春乃「やっ!!」
  こんどは春乃の胸をかすり、オーバーオールの布一枚を切り裂く。
ラック「春乃!!」
ノワール「ガルルルルルッ!!」
ラック「春乃!! 広い場所へ出るんだ!!」
  そう叫ぶと、ラックは階段にむかって駆けだす。
  ノワールもすぐに猛追する。
天羽春乃「うん、わかった!!」
天羽春乃「出来たらだけど・・・」

〇養護施設の庭
  ラックとノワールが、続けざまに前庭に飛び出してくる。
ラック「ワン公め、ここでケリをつけてやる!!」
ノワール「グルルーーッ!!!!」
ラック「この、ノロマが!!」
  そして、ついに──
  ラックが喉笛を食いちぎり、絶命させる。
ラック「ゼイゼイ・・・軽い相手だったぜ」
アヤメ「その割には、半死半生に見えますけど」
アヤメ「2ラウンド目は、わたくしがお相手しましょう」

〇洋館の廊下
天羽春乃「ヒイヒイ・・・!!」
天羽春乃「エ~ン・・・この人、ずっと追いかけてくる!」
インプのジョー「ニガサナイ。シネ!!」
天羽春乃「ひぇ~~!!」
天羽春乃(もうダメだ。体力が・・・ 次はよけられない)
  春乃はとっさに魔法のステッキを取り出し、大鎌の刃を受け止める。
天羽春乃「パーリル マクテク ポーナパルト♡ カワイイ動物になれー!!」
天羽春乃「あ、コアラになった! カワイイー♡」
ディアナ「こっちよ、春乃」
天羽春乃「この声は・・・ディアナさん!!」

〇黒
  つづく
  次回予告
  
  第七話 魔法決戦(2)魔女の秘密
  またみてね!

次のエピソード:第七話 魔法決戦(2)魔女の秘密

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