12話:ちょっと!うちの子が帰って来ないんですけど!?(脚本)
〇体育館裏
赤木 里香「もっと手を上げて!!」
「こう!?」
赤木 里香「OK!! ラストターンしっかり!!」
「じゃーん!!!」
赤木 里香「う~ん・・・ どうかしら?」
赤木 里香(文化祭は創作ダンスの依頼が多くて大変だわ)
威流 緋雨「赤木先輩!!」
赤木 里香「あ~!弟くん!!」
赤木 里香「依頼されたダンス、出来ているわよ」
威流 緋雨「ありがとうございます!助かります!!」
威流 緋雨「そしたら早速、女子を呼んできて」
威流 楓「緋雨、そんな時間あるの?」
赤木 里香「威流くん!!いい所に!!」
赤木 里香「ちょうど今、弟くんにダンスを伝授しようと思っていたところなのよ!」
威流 緋雨「いや、それは、女子に」
赤木 里香「何言ってんの!! twinで創ったのよ!?」
赤木 里香「二人まとめて教えるわよ!!」
威流 楓「そうだよ緋雨。 模擬店委員が踊れなくていいの?」
威流 楓「文化祭、成功させるんでしょ?」
威流 緋雨「あーーーー!!!もうっ!!!」
威流 緋雨「背に腹は変えられない!! あいつらの為だ!!」
〇おしゃれなリビングダイニング
─10月14日・文化祭前日─
威流 緋雨「いただきます」
威流 楓「早いね~ 明るくなってきたばかりだけど?」
威流 楓「ってあれ~? 今日も食べてくれてるの♪」
威流 楓「おれのつくった、しちゅー♡」
威流 緋雨「キモい喋り方するな」
威流 楓「緋雨の反応が面白いからいけないんでしょ~」
威流 緋雨「テレビ、観るんだな」
威流 楓「世界情勢は知っておかないとね~ いちおう、虹架かる世界は、おれたちの手の中にあるんだし?」
威流 緋雨「もう行く」
威流 緋雨「少しでも準備を進めておきたい」
威流 楓「あ!そうそう!」
威流 楓「君から言われたモノ! 準備できてるよ!」
威流 緋雨「助かる! いってきます!」
威流 楓「君が楽しそうで何よりだよ」
威流 楓「おれが君の全てを奪ってしまったからね」
〇教室
─朝・HR─
─㊙進捗管理表─
威流 緋雨「うぉぉぉぉぉーーーー!!!! 前田ーーー!!! ぶどうはーーーー!!!?」
1-A(前田)「お、OK!! 今日ばあちゃんちから届く!!」
威流 緋雨「つぎいぃぃぃーーー!!! 教室制作班ーーー!!!」
1-A「あ、はい!! あの!わりと!いい具合で!!」
威流 緋雨「放課後までに仕上げろぉぉぉーー!!!」
1-A「は、はいぃぃぃーーー!!!」
岸野 俊介「なんと!!あの愛田さんが!? 近寄れない!!?」
威流 緋雨「つぎぃぃぃぃーーー!!!」
栗木田 真衣「ひっさ!! もう授業はじまるから!!」
威流 緋雨「くそっ!! 時間がなさすぎる!!」
栗木田 真衣「放課後またがんばろっ!?」
〇教室
─放課後─
威流 緋雨「ダンス部!!! 来いっ!!!」
1-A「は、はいっ!!!」
威流 緋雨「人数足りないぞ!!! どうしたっ!!?」
1-A(ダンス部)「すみません!!! 体調不良で1人早退しまして!!」
威流 緋雨(くそっ、どうする・・・)
威流 緋雨「栗木田!!お前の運動神経ならいける!!」
栗木田 真衣「えぇっと、ダンス・・・?」
威流 緋雨「映研でカメラ回すぞっ!!! 来いっ!!!」
栗木田 真衣「は、はいっ!!!」
〇学校の部室
篠田 祥子「お~弟くん~」
威流 緋雨「すみません!こんな前日の放課後に!!」
篠田 祥子「いまから撮るん? こっちはかまわんけど~」
威流 緋雨「すみません! 宜しくお願いします!」
篠田 祥子「お~け~!まかせとき~!」
〇体育館裏
腰の動きが弱いっ!!!
そこは!クルリン♡ぶどうー♡だろっ!!?
栗木田 真衣(ひぃっ、何この恥ずかしいダンス・・・!?)
「す、すみません!!」
威流 緋雨「お前ら可愛いのが好きなんだろっ!!? もっと可愛くやれっ!!!」
「は、はい!!監督!!」
威流 緋雨「腰の動きはこうだっ!!!」
栗木田 真衣(ひっさが恥を捨てて踊ってる!! よーし!私だって!!)
栗木田!!笑顔!!可愛んだから!!
〇教室
威流 緋雨(お、終わらなかった・・・)
岸野 俊介「お疲れ!ひっさ!!」
岸野 俊介「残りの準備はまた明日やろうぜっ!!」
岸野 俊介「文化祭中に完成!! っていうのもアリだろ!?」
威流 緋雨「わるい。俺はぎりぎりまで残っていく」
威流 緋雨「先に帰っていてくれ」
〇おしゃれなリビングダイニング
威流 楓「ちょっと~! うちの子が帰って来ないんですけど~!」
威流 楓「まさか、文化祭の準備でまだ学校に!?」
〇名門の学校
威流 楓「これが、緋雨と、おれを、隔てる壁っ!!」
威流 楓「先生!! うちの子をちゃんと返してくださいっ!!」
〇教室
─文化祭前日・23時─
威流 緋雨(教室制作が時間切れだ。 あと、60個、作らないとな・・・)
威流 緋雨(1つ作るのに10分として、10時間。 だめだ。全然時間が足りない・・・)
威流 緋雨(危なっ!!? こんな時間に見回りか?)
威流 緋雨「なんで、あんたが!?」
威流 楓「緋雨ー!! やっぱりここにいたんだね!!」
威流 緋雨「悪いけど俺は帰れないぞ」
威流 緋雨「これを、あと、60個作らないといけないからな」
威流 楓「仕方ない。 手伝ってあげよう」
威流 緋雨「そ、それは・・・」
威流 楓「実行委員”長”としてじゃないよ」
威流 楓「君の兄さん、って事でいいんじゃない?」
威流 緋雨「た、助かる。 でもこれは作業が細かいから大変」
威流 楓「ちょっとちょっと~ いつも誰が料理作ってると思ってんの~?」
威流 楓「こんなのちょちょい!ってできちゃうよ♪」
威流 楓「さ、早く終わらせちゃおう」
威流 緋雨「あ、ありがとう」