7話:いざ!!遊園地デート!!?(脚本)
〇一人部屋
威流 緋雨「警察が言っていたんだ。 俺達が目醒めると世界に兆候が現れるって」
威流 楓「あ~それね。 おれの時はパンで、君の時はワインってやつでしょ?」
威流 緋雨「でも、それはおかしいんだ。 あんたが目醒めたのは500年前だろ?」
威流 楓「あー・・・」
威流 緋雨「そのパンの話は1700年代。 300年前くらいの話なんだ」
威流 楓「いや、それね、実は」
威流 緋雨「あいつは嘘をついて! 俺達を引き離そうとしているかもしれない!!」
威流 楓「お、怒らないで聞いてほしんだけど・・・」
威流 緋雨「え?」
威流 楓「お、怒らないでってば~」
威流 緋雨「場合によってはあんたと二度と口をきかない」
威流 楓「え、じゃぁ言わない」
威流 楓「もう~すぐ怒る男はモテないよ! これはね!しょうがないことなの~」
威流 楓「永くいると時の感覚なくなるんだってば~!」
威流 楓「夏休みに曜日感覚がなくなるのと一緒だって!」
威流 緋雨「じゃあ、500年前に目醒めたっていうのは」
威流 楓「そのくらいだったかな、って♪」
〇おしゃれなリビングダイニング
ー夏休み・皆で遊びに行く日ー
威流 緋雨(忘れ物はないな)
威流 楓「あれ~? 今日は随分早いね~」
威流 緋雨「出掛けてくる」
威流 楓「どこ行くの?」
威流 緋雨「どこだっていいだろ」
威流 楓「やだ~。ほんと思春期」
威流 緋雨「遊園地だ」
威流 楓「うわ~。こんな暑い中よく行くね」
威流 緋雨「おっさんの発想・・・」
威流 楓「それは聞き捨てならない!!」
威流 楓「おい!待てよ!」
威流 楓「あ~やだやだ」
威流 楓「むきになっちゃった」
威流 楓「生きている人間って、ほんと魅力的だよね」
〇綺麗な港町
シャーロット「ねぇ、見て、マッテオ。 いつ来ても美しい景色ね」
シャーロット「あなたの不治の病が良くなって、他にもたくさんの美しいものを、見に行けたらいいんだけど・・・」
マッテオ「景色よりも美しいのは、シャーロットの方さ」
マッテオ「君はいつだって綺麗だよ」
シャーロット「もう!ほんとに! ヴェネチアの人は調子がいいんだから!」
〇遊園地
岸野 俊介「いやっほー!!サマーバケーション!!」
栗木田 真衣「テンション爆上がりー!!!」
「遊園地!!さいこうー!!」
威流 緋雨(入場前からよくこんな盛り上がれるな)
岸野 俊介「お、パンフあるぞ!?」
栗木田 真衣「どれどれ!?見せて!?」
威流 緋雨「ほんと元気だなお前らは」
栗木田 真衣「だって皆で来られただけで嬉しい!」
威流 緋雨「その田中はもう待ちきれずに入場口向かったぞ」
栗木田 真衣「よっちゃん!早すぎ!」
栗木田 真衣「待ってよー!」
岸野 俊介「ほら!俺達も行くぞー! GO-!!」
威流 緋雨「まったく」
〇遊園地の広場
岸野 俊介(うぉぉぉぉーー!!! 栗ちゃんとデート!! めっちゃテンション上がるー!!)
栗木田 真衣「ねぇ!なに乗る?なに乗る!?」
岸野 俊介「栗ちゃんは何がいい!?」
栗木田 真衣「そりゃぁもちろん!!」
田中 よしこ「なめこスタンプラリーにゃ~!!」
岸野 俊介「な、なめこ!?」
栗木田 真衣「いいね!よっちゃん! スタンプラリーやろうやろう!」
田中 よしこ「スタンプ台!!発見ーーー!!!」
岸野 俊介「あぁ、俺の天使が行ってまう・・・」
岸野 俊介「ぐすん・・・」
威流 緋雨(さすがに可哀想だな。 少しは気を利かせてやるか)
ーワールドトリップ★アミューズメントー
─パンフレット─
威流 緋雨(次のスタンプ台は西洋エリアか)
〇西洋の街並み
栗木田 真衣「へ~! 遊園地にこんな場所があるんだね~!」
田中 よしこ「スタンプ台発見~!!」
栗木田 真衣「あ、待ってー!」
威流 緋雨「ちょっと待て、栗木田」
威流 緋雨「お前も何か乗りたいものあるんだろ?」
栗木田 真衣「え、っと・・・」
威流 緋雨「俺が田中と周るから、お前は岸野と周ってろ」
栗木田 真衣「でも、皆で周った方が」
岸野 俊介「行こうよ!栗ちゃん! せっかく遊園地来たんだから! ジェットコースターとか乗ろうぜ!」
威流 緋雨「後で合流すればいい」
威流 緋雨「田中の姿がもう見えない、俺は行くぞ」
岸野 俊介(ありがとうー!!!ひっさ!! 今日!!俺は!!やってやるぜ!!)
栗木田 真衣「良かったのかな~」
岸野 俊介「大丈夫だって!」
岸野 俊介「さぁ!行こうぜ!」
〇ヨーロッパの街並み
威流 緋雨(西洋エリア。意外と本格的な造りだな・・・)
田中 よしこ「次はっ、次はっ・・・」
威流 緋雨「田中。二人に分かれて周ることになったから」
田中 よしこ「はわっ!」
田中 よしこ「夢中になると、周り見えなくなるねん」
威流 緋雨「それはいい事だろ。 スタンプラリー周ろうぜ」
威流 緋雨(夢中になる事なんて、俺にはもう・・・)
田中 よしこ「そんな事はじめて言われたにゃ~」
田中 よしこ「くりちがひっさには何でも話せるっていうの分かるわ~」
田中 よしこ「私ね、中学に友達いないんよ」
田中 よしこ「今みたいに周り見えなくなって、いつの間にか独りよ」
田中 よしこ「別にそれでもいいんやけど!」
田中 よしこ「くりちが、一緒にいてくれると。 一人よりも楽しい気がするんだ」
田中 よしこ「ひっさもそうなん?」
威流 緋雨「お、俺はそんな事ない!」
田中 よしこ「そうなん。でも、くりちーは、ひっさと一緒にいるの楽しいってね」
威流 緋雨「そ、それは、」
威流 緋雨「お前の方だろ」
威流 緋雨「田中は全部が本音だから良いって、言ってたぞ」
田中 よしこ「くりち~!そうなんかい~!?」
田中 よしこ「あたし!くりちーのとこ戻るよ!」
威流 緋雨「えっ!?」
威流 緋雨「まっ、待て!!」
国乃景「俺は影だ」
警察「忠告を聞かないようであれば、こちらも動かざるをえないぞ」