JKだけど、Hな漫画描いてもいいですか?

穂橋吾郎

第五話 JKだけど、レジェンドに会ってもいいですか?(脚本)

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穂橋吾郎

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〇幻想空間
花木真奈央「うっ、うっ、ううう・・・」
???「ヘイガール、何を泣いているんだい!」
花木真奈央「え、誰ですか」
エロ神様「はっはっはっ、エロ神様だよ!」
花木真奈央「エロ神様!」
エロ神様「花木真奈央、情けないぜ。一度否定されたぐらいでメソメソと」
花木真奈央「軽い一回ではないです。渋井編集長は憧れだったから。認められたくて」
エロ神様「それじゃあ、そんなクライベビーにこれをあげよう」
花木真奈央「こ、これは『ブルー・ブルマー』。私がエロ漫画に目覚めるきっかけになった一冊」
エロ神様「そう、あの時の君はただ純粋にエロに打ちのめされていたはずだ」
エロ神様「そこにあったのは、んっはぁ、興奮のみ」
エロ神様「余計なものはナッシング!」
花木真奈央「ただ、純粋な興奮のみ・・・」
エロ神様「イエス。花木真奈央、描くんだ。ただ己のパッションに従って!」
花木真奈央「エロ神様・・・」
花木真奈央「あ、待ってください、もう行ってしまうのですか」
エロ神様「はっはっはっ、撮影さ」
花木真奈央「撮影? ああ、エロ神様が18禁の暖簾の向こうへ帰っていく・・・!」

〇古いアパートの一室
花木真奈央「エロ神様!」
???「エ、エロ神様?」
花木真奈央「いない・・・。あれ。ここは・・・?」
???「お、おはようー」
花木真奈央「・・・・・・」
???「・・・・・・」
花木真奈央「きゃーーーー!」
???「待って、待って! 怪しいもんじゃないから、落ち着いて!」
花木真奈央「あなた、誰ですか! なんで私こんなところに!」
???「待って、僕にもわからないんだ。帰ってきたら君が寝てて」
花木真奈央「だって、私、中学館で渋井編集長に会って、そこで気を失って・・・」
???「え、渋井編集長。いまそう言ったよね。君、編集長とはどういう関係?」
花木真奈央「編集長は、私の漫画を読んで前屈みになる予定の方」
花木真奈央「倒すべき相手。いや、むしろたたせるべき相手」
???「えっとー、要するに君もエロ漫画家ってこと?」
花木真奈央「まだ名乗れるほどではありませんが・・・」
花木真奈央「もしかして、あなたも?」
???「一応ね。まらすけって名前で描いてて」
まらすけ「いや、知らないよね」
花木真奈央「まらすけ・・・」
花木真奈央「え、まらすけ先生!?」
鹿嶋紳助「おー、真奈央、目ぇ覚めたか」
花木真奈央「鹿嶋さん、一体どういうことですか!」
まらすけ「おい鹿嶋、一体どういうことだ」
花木真奈央「どうして私が、まらすけ先生の家にいるんですか!」
鹿嶋紳助「なんや真奈央、まらさんのこと知っとるんか」
花木真奈央「当たり前です。まらすけ先生は伝説の傑作『ブルー・ブルマー』の作者。 知らないわけないじゃないですか!」
鹿嶋紳助「そら好都合や。お前は今日からまらさんの弟子になる」
花木真奈央「ええ!」
まらすけ「いやいや何の話だ、きいてないぞ!」
まらすけ「てか勝手に僕の部屋に入ったな!」
鹿嶋紳助「強くドア引いたら開きましたわ」
まらすけ「玄関の鍵を壊したのは君か!」
鹿嶋紳助「まらさん、こいつは花木真奈央。今年の青天新人賞獲った子です」
まらすけ「青天の新人賞・・・」
鹿嶋紳助「でもご存じ、渋井編集長は男にしか描かせん主義です」
鹿嶋紳助「花木が連載とるには、もっとレベルアップが必要なんす」
花木真奈央「まらすけ先生、お願いします。私、もっとエロい漫画が描きたいんです」
花木真奈央「先生みたいに、誰かを覚醒させるような・・・」
まらすけ「帰れ、僕は指導なんてしない」
花木真奈央「え」
まらすけ「鹿嶋、これは犯罪だぞ。次やったら本気で訴えるからな!」
鹿嶋紳助「了解です、また来ますわ」
まらすけ「二度とくるな!」

〇古いアパート
鹿嶋紳助「ワイはまらすけ先生の担当やねん。真奈央の作品初めて読んだ時、あの人と同じ匂いがすると思った」
鹿嶋紳助「せやから、真奈央が習うならまらすけ先生しかおらんと思った」
花木真奈央「鹿嶋さん、先に帰ってください。私は弟子にしてもらえるまでここを動きませんから」
鹿嶋紳助「明日からにしとけや。もう十時過ぎや。母ちゃん父ちゃんに怒られるで」
花木真奈央「え、十時! まずい。すみません鹿嶋さん、先に帰ります。また明日頼みにきます」
鹿嶋紳助「おーい、帰り道わからんやろ」
鹿嶋紳助「って、行ってもうた。ホンマ、騒がしいやつや」
  鹿嶋は部屋の方へと向き直り、ドアをノックした。
鹿嶋紳助「まらすけ先生、また来ます」
鹿嶋紳助「それと渋井編集長から伝言で『もう待てないぞ』とのことです」
鹿嶋紳助「・・・まらさん、ワイは先生の新作早く読みたいっすわ」
鹿嶋紳助「ほな、お休みなさい」

〇古いアパートの一室

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