第四話 JKだけど、新作描いてもいいですか?(脚本)
〇学校の廊下
花木真奈央「ふう・・・」
鳥居牧子「あああ、会長。物思いに耽っているお姿も素敵だわ。 一体、何を考えていらっしゃるのかしら」
花木真奈央「愛・・・」
鳥居牧子「愛! 会長は、愛についてお考えなのね」
鳥居牧子「あああ、会長、私の会長への愛。いつか届くのかしら」
花木真奈央「愛撫をしながら、そっとブラジャーのホックを外した主人公。恋人の汗ばんだ胸の谷間に・・・」
花木真奈央「んー、ありきたりかな」
???「まーなーおー!」
一ノ瀬綾「ぎゅうっ」
花木真奈央「きゃっ! ちょっと綾、びっくりするじゃない」
一ノ瀬綾「ふふふ、相変わらず真奈央は抱き心地がいいなぁ」
花木真奈央「失礼ね。私より綾の方がふっくらしてるわ」
一ノ瀬綾「ああ、そうか。抱きしめてるあたしがふにふにだから気持ちいいのか。こりゃ盲点」
花木真奈央「少し痩せた方がいいんじゃないの?」
一ノ瀬綾「わかってないなぁ、真奈央は。このふにふにボディが男にはたまらんのよー」
花木真奈央「そんなこと言って。また、悪い男が寄ってくるわよ。あの時みたいに・・・」
一ノ瀬綾「あー。あの日は泣きながら真奈央に話聞いてもらったもんねー」
一ノ瀬綾「あれはホントに救われたなー」
花木真奈央「あれ以降、何かされたりしてない?」
一ノ瀬綾「大丈夫だよ。綾ちゃんは今日も元気元気ですー」
花木真奈央「ほんとに、何もない? また体を求められたり、実は撮影されてて、それで脅されたり」
一ノ瀬綾「無いってー。やたら具体的だなー」
花木真奈央「ほんとに無い?」
一ノ瀬綾「・・・何かあってほしいの?」
花木真奈央「ま、まさか! ただ心配なだけ!」
〇テーブル席
鹿嶋紳助「なんやこのぬっるいエロは!」
花木真奈央「そんなにダメですか・・・」
鹿嶋紳助「こんな温度の温泉あったら湯冷め間違い無しのぬるさや!」
花木真奈央「今回はネタから自分で考えたので」
鹿嶋紳助「練り直しや。ダメなとこに赤入れたるから。ここと、ここと、あとここも」
花木真奈央「あああ、ほとんどのページが真っ赤になっていく」
鹿嶋紳助「ほとんどダメやからや」
花木真奈央「もう一度ゆっくり、エロと人間存在の関係から考え直します」
花木真奈央「そして、より人間の本質に迫るエロを描けるように・・・」
鹿嶋紳助「論文でも書くんか。そんな暇あらへん」
鹿嶋紳助「真奈央、今日から寝るな」
花木真奈央「え」
鹿嶋紳助「編集長に見せる日まで自分を追い込んで追い込んで、トランス状態になれ」
鹿嶋紳助「そして、開眼しろ。それしか手はあらへん!」
花木真奈央「編集長に見せるまで、あと四日あるんですけど・・・」
〇古いアパートの部屋
花木真奈央「ぶつぶつぶつぶつ」
たれ「んー、今日の成果はいまいちだな」
鷲「最近はあまりエロ本も落ちていませんねえ。街が綺麗になったせいでしょうか」
たれ「ちきしょー、そんならおいら達はどこでエロ本拾えばいいってんだ」
たれ「返せー、雨でガビガビのエロ本を返せー!」
花木真奈央「あんたら!」
たれ「す、すいやせん。先生が集中して描いてるってのに・・・」
花木真奈央「エロとは、なんだ?」
鷲「せ、先生?」
シュガー「先生、目の焦点が合ってない・・・」
花木真奈央「エロは性欲か? はたまた、性欲を細分化した一要素に過ぎないのか」
花木真奈央「エロを介さず、人は乳房を定義できるのか」
花木真奈央「生殖行為における超感覚的な愉悦において・・・」
たれ「うおおお、先生、目を覚ましてくれ!」
ビンタッ!!
花木真奈央「痛い!」
花木真奈央「はっ、ここは」
鷲「先生、正気に戻ったんですね。よかった!」
花木真奈央「あんたたち・・・」
花木真奈央「なにしてくれてんの!」
たれ「えええ、どうしてですか?」
花木真奈央「もう少しで向こう側に行けそうだったのに、戻ってきちゃったじゃないの」
シュガー「向こう側、行っちゃだめ・・・」
〇教室
一ノ瀬綾「あれ真奈央、まだ残ってたの?」
花木真奈央「それで、XにYのイチモツを挿入して、それから紫式部は光源氏がロリコンで、あとすいへいりーべぼっきぶね・・・」
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