第2話 焼き鳥(脚本)
〇海
前回までのあらすじ
研究成果である新種のニワトリの発表のため、インドへ向かった三太郎!
船で航海中、高波に攫われてしまう!
〇海辺
漂着した先は無人島!
食料も水も無い、極限の状態!
でも、目の前のニワトリは貴重なサンプルだから、食べちゃ駄目!
どうする、三太郎!?
生き残れ、三太郎!
頑張れ!三太郎!
〇海辺
三太郎「あちぃ・・・」
ニワトリ「コケェ・・・」
三太郎「このままだと干からびちまう・・・」
三太郎「とにかく、水を飲まねぇと・・・!」
三太郎「でも、どうやって水を確保すれば・・・?」
三太郎「海水は当然ながら飲めないし・・・」
三太郎「水・・・」
三太郎「そうだ、雨水!」
ニワトリ「コケッ!」
三太郎「雨水を貯水すればいいんだ!」
三太郎「ニワトリ!貯水装置を作るぞ!」
ニワトリ「コケッ!コケッ!」
三太郎「必要な材料は・・・」
三太郎「雨水を受ける、屋根となるビニールと」
三太郎「それを支える、木の枝が数本あればいい!」
三太郎「よし、まずは材料集めだ!」
三太郎「ニワトリ、お前はその辺の使えそうな木の枝を集めてきてくれ!」
三太郎「俺は浜辺の漂流物から、ビニールを探してくる!」
ニワトリ「コケーッ!」
〇海辺
三太郎「どこかにないか・・・?」
三太郎「さすがに、ビニールぐらいは流れ着いていておくれよ・・・」
三太郎「あっ!」
三太郎「あった!ビニール!」
三太郎「見たところ破けてないし、いけそうだ!」
三太郎「ニワトリ、そっちはどうだ?」
ニワトリ「コケーッ!」
三太郎「お、いい感じの枝が集まったな!」
三太郎「よし、貯水装置、作るぞ!」
ニワトリ「コケッ!」
〇海辺
ー5時間後
三太郎「やっとできた・・・!」
三太郎「けど・・・」
三太郎「雨、降らねぇ〜・・・」
三太郎「俺はアホなのか・・・?」
三太郎「すぐ降るとは限らんだろうに・・・」
三太郎「サバイバルの経験なんてあるわけないし」
三太郎「トライ&エラーを繰り返す余裕なんて、今の俺にあるのか・・・?」
ニワトリ「コケ!」
三太郎「ニワトリ、もう木の枝は必要ないんだよ」
三太郎「ありがとうな」
ニワトリ「コケ?」
あぁ・・・
腹が減った・・・
木の枝を咥えているコイツを見てると
焼き鳥が食べたくなってきたな・・・
いっそのこと、食べちまうか・・・?
炭火で、タレと一緒に・・・
・・・いやいやいや!
ダメ、ゼッタイ!!!
それにしても・・・
焼き鳥、食べてぇなぁ〜・・・
〇立ち飲み屋
三太郎(くんくん・・・)
三太郎(炭火と油のいい香り・・・)
三太郎(都合よく、焼き鶏屋に来てしまったな!)
三太郎(そしたら、早速・・・)
女将さん「はい、ハツ、おまちどう!」
三太郎(待ってました、ハツ!)
三太郎(ニワトリの心臓!)
三太郎(『焼き鳥は、まず塩から食べる』)
三太郎(定番といわれてる食べ方だが・・・)
三太郎(俺は、タレから食べる!)
三太郎(なぜなら、俺はタレが好きだから!!)
三太郎(塩はあっさり系だとか、そんなもん知らん!)
三太郎「いただきますっ!」
三太郎「くぅ〜〜〜!!!」
三太郎(旨みが、濃すぎるっ!!)
三太郎(まるでニワトリの『命』を丸々食べているような・・・)
三太郎(極上の贅沢感!!!)
三太郎(たまんねぇ〜〜〜!!!)
三太郎(やっぱ塩を振りかけるだけじゃ、ニワトリに失礼だよな!)
三太郎(・・・よし!)
三太郎(お次は、皮!)
女将さん「はい、皮、おまちどう!」
三太郎「うまそ〜〜〜!!!」
三太郎(普通、皮は塩で食べる人が多いらしいが)
三太郎(勿論、俺はタレで食べる!!!)
三太郎「おっと!?」
三太郎(こいつは予想外の歯ごたえ!)
三太郎(炭火なのに、外はカリッ、中はぷりぷり!)
三太郎(しかも、い〜い感じに脂が乗ってやがる!)
三太郎(憎たらしいぜ、この皮め!)
三太郎(・・・あぁ)
三太郎(やばい)
三太郎(これは、あれだ)
三太郎(あれが欲しくなる・・・)
三太郎(黄金の悪魔・・・!!!)
女将さん「あいよ、ビールおまち!」
三太郎「んっ・・・んっ・・・」
三太郎「っかぁ〜〜〜!!!」
三太郎「たまんねぇ〜〜〜!!!」
三太郎(焼き鳥とビール・・・)
三太郎「ごちそうさまでした・・・!」
女将さん「はいよ、お粗末さん」
女将さん「あんた、良い食べっぷりだね」
三太郎「あ、おかみさん」
三太郎「焼き鳥、すごく美味しかったです!」
女将さん「そりゃぁそうさ」
女将さん「なにせ・・・」
三太郎(ん?この流れ・・・)
三太郎(まさか!)
三太郎「やめろ!俺に名古屋コーチンを見せるなぁ!」
女将さん「ん?何のことだい?」
女将さん「今日の焼き鳥は、アメリカ産のコイツだよ!」
三太郎(なんだ、白色プリマスロックか・・・)
三太郎(よかった・・・)
女将さん「あ、いけない」
女将さん「今日はコイツだった」
三太郎「そんな・・・!?」
三太郎「俺は・・・また・・・」
三太郎「食べちまったのか・・・」
三太郎「ごめんなぁ・・・ニワトリぃ・・・」
〇海辺
三太郎「うぁああああーーー!!!」
ニワトリ「コケーッ!?」
三太郎「よかった、夢か・・・」
ニワトリ「コケ?」
三太郎「あ〜」
三太郎「美味かったなぁ〜」
三太郎「現実世界でも、飯食いてぇなぁ〜・・・」
ニワトリ「コケ!コケッ!」
三太郎「そうだな、まずは水だよな」
三太郎「喉が乾いて死にそうだ・・・」
ニワトリ「コケーッ!コケコケ!」
三太郎「ん?どうしたニワトリ?」
三太郎「あれ、ダンボールの漂着物・・・?」
三太郎「まさか!」
三太郎「み、水だ!!!」
三太郎「ダンボール全部、水じゃねぇか!」
三太郎「やったぞニワトリ!水だ!飲み水だ!」
三太郎「奇跡だ、やった、やったぞー!」
三太郎「かぁ〜〜〜!!!」
三太郎「乾いた身体に染み渡る・・・!」
三太郎「生き返る〜〜〜!!!」
三太郎「ほら、ニワトリ、お前も飲め!」
ニワトリ「コケ!」
ニワトリ「コケッ!コケーッ!」
三太郎「よかったなぁ、ニワトリ!」
三太郎「もしかしたら、非常食とか、そのうち流れ着くかもしれない!」
三太郎「この調子で、なんとしても生き延びるぞ、ニワトリ!」
ニワトリ「コケッ!」
〇取調室
通訳「なるほど、漂着物ですか・・・」
税関職員「オマエ、ウン、イイナ」
ほんと、運が良かったです
通訳「それで、食料も運良く手に入ったと?」
いや、そう甘くはありませんでした
税関職員「ナニ?」
次は食料を確保しようとしたのですが・・・
死に目に遭いました
もう二度と、体験したくありません
あの出来事は、この先ずっと、忘れられないでしょう
にわとり君、賢いし良い子だ😆😆😆
木の枝集めてくれる、めちゃくちゃ優秀なニワトリくん。
もはや相棒……なのに、また夢の中で食べてしまうとは😱
今回もいい感じに唾液腺が刺激されました♡夜だけど何かつまんじゃおうかしら?
ちなみに私も焼き鳥はタレ派です♡
(禁酒解禁してないんです!この回は解禁してから読みたかったぁ〜😭)
コンテスト受賞おめでとうございますー!
お祝いに焼き鳥パーティーを……!