パンイチ冒険者ケンイチ

紅月桜

第二話 パンツに誓う(脚本)

パンイチ冒険者ケンイチ

紅月桜

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〇洞窟の深部
  第二話 パンツに誓う
「グンマァアアアッ!!」
ケンイチ「か・・・勝った・・・?」
パンツくん「トロールを倒した! ケンイチはレベル二に上がった!」
「グンマァー!!」
パンツくん「まさか死者ゼロで倒しきるとは・・・ すさまじい強運じゃ」
オータ「オマエ、グンマァの魂、示しタ 認めル、ケンイチ、グンマァの戦士 俺達の仲間」
ケンイチ「仲間・・・」
スノー「トロール・・・倒してくれたんですね ありがとうございます」
オータ「立てるカ?」
スノー「私は何とか・・・ 仲間の二人は・・・気絶状態ですね」
スノー「あの、ごめんなさい! 私達、地上で失礼なこと言って!! 露出狂だとか・・・」
ケンイチ「あ・・・いや」
ケンイチ(ゆきちゃんに見直してもらえた・・・のか?)
スノー「その姿に誇りを持ってるんですね!」
ケンイチ「えっ!? い、いや・・・う、うん」
オータ「俺、トロールの棍棒、腹に受けて耐えタ うふ、うふふふふふふ」
ケンイチ(ケガしたのになんで嬉しそうなの!? マゾなの!?)
スノー「どうしてトロールが一階層にいたのでしょうか?」
オータ「恐らく、何者かの召喚獣」
ケンイチ「他のプレイヤーが召喚したってこと? 誰がそんなことを」
オータ「トロールを調伏できるほどの召喚士は限らレル」
ケンイチ「!! 誰か来る!」
ケンイチ(靴音をわざと響かせてる・・・ 自分の存在を誇示するような奴)
ヴォロディームィル「クソザコの群れはっけーん」
オータ「ヴォロドィームィル・・・!」
ケンイチ(なんて覚えにくい名前だ!)
ケンイチ「し、知り合い?」
オータ「連合のブラックリストで見タ Sランクの召喚士 悪質なプレイヤーキルを重ねた賞金首」
ケンイチ「プレイヤーキラー・・・!」
ヴォロディームィル「ったく、こんなザコ共にやられるなんざ使えねぇトロールだぜ」
ヴォロディームィル「【召喚】――バルログ」
ヴォロディームィル「焼き尽くせ」
スノー「みんな一瞬で黒焦げに・・・! 気絶してた子達まで・・・!」
パンツくん「いかん、いきなり死亡状態じゃ」
ヴォロディームィル「二人も外してんじゃねぇか! 一撃で皆殺しにしろよグズが!」
バルログ「ガウ・・・」
ヴォロディームィル「しかも一番キショいブリーフ太郎が残ってんじゃねぇかよ」
ケンイチ「ブリーフ太郎!?」
ヴォロディームィル(さっきトロールが喰らったパンイチ・ヒップアタック・・・あれでトロールの心が折れた)
ヴォロディームィル(トロールはフィジカルは強いがメンタルは弱い。あれさえなきゃ余裕で勝てたのによ)
ヴォロディームィル「骨まで灰にしろ!!」
ニュクス「初心者狩りとは感心しないな」
スノー「ニュクス君!」
ケンイチ(ゆきちゃんの知り合い? このスカした態度は・・・シンか!?)
ヴォロディームィル「邪魔すんなニュクス 運営は別にプレイヤーキルを禁じちゃねぇぜ?」
ニュクス「推奨もしていないだろう トップランカーともあろう者が低レベル冒険者を狩って何の意味がある」
ヴォロディームィル「道端の雑草を踏むのに理由がいるか?ここはダンジョンだぜ?戦いたくねぇザコは部屋にこもって千羽鶴でも折ってろよ」
ニュクス「・・・君の首を連合に納品すれば金貨何枚だったか」
ヴォロディームィル「おいおい、俺様とテメェがこんなとこで殺り合うってか?そりゃもったいねぇだろ? 頂上決戦の舞台は、」
ニュクス「もちろん七階層だ」
ヴォロディームィル「わかってんじゃねぇか 楽しみにしてるぜ」
ケンイチ(た、助かった・・・?)
スノー「ニュクス君・・・みんなが」
ニュクス「君もひどいケガだ ――【治癒】」
スノー「ありがとう」
ニュクス「さて君は・・・その恰好は何だ? ふざけてるのか?」
ケンイチ「そういうわけでは・・・」
ニュクス「まぁいい 他人の趣味にとやかく言う気はない」
ケンイチ(趣味じゃない・・・)
ニュクス「――【治癒】」
ケンイチ「あ・・・ありがとう・・・」
ニュクス「他の者は即死か・・・ いや、一人だけまだ瀕死状態だ」
ニュクス「――【治癒】」
オータ「助かっタ、恩に着ル」
ニュクス「いや、責任の一端は僕にもある」
ニュクス「僕はこれから下の階層へ向かう。君達は地上に戻って態勢を立て直したほうがいい。 縁があればまた会おう」
スノー「ニュクス君・・・かっこいいなぁ」
ケンイチ「ニュクス、絶対倒す!」
パンツくん「命の恩人じゃぞ?」
オータ「グンマァの戦士達の無念、晴らス 俺とケンイチ、必ずヴォロドィームィル、討ち取ル」
ケンイチ(え!?俺も!?)
オータ「この斧に誓ウ」
スノー「私もみんなの仇をとる・・・ この杖に誓って!」
ケンイチ(ゆきちゃんまで!?)
ケンイチ「じゃ、じゃあ俺は・・・」
ケンイチ「パンツに誓う!」

〇教室
朝日ケンイチ(水曜の朝──)
朝日ケンイチ(昨日の激闘を経た俺はこれまでとはひと味違うぜ!)
朝日ケンイチ(なんてことは一切なく、今日もみんなの会話を盗み聞きするのみ ーースキル【聞き耳】発動!)
女子B「わーん、デスペナルティだよぉ」
女子A「四十九日後にはシン君もうクリアしちゃってるよね」
十七夜月シン「さすがにね 五日後にはキーアイテムを獲れると思う」
小枝ゆき「みんなの仇は私がとるよ!」
女子A「まさかシン君のパーティーに入る気!?」
女子B「ずるーい!」
十七夜月シン「申しわけないけど、僕のパーティー「三天」は高レベル揃いだからさすがに厳しいかな」
小枝ゆき「うん・・・そうだよね」
朝日ケンイチ(シンの奴、俺のゆきちゃんをのけ者にするなんて許せん!かといってパーティー組むのも許せんが!)
十七夜月シン「ヴォロドィームィルにも手を出すべきじゃない。トップランカーでないと勝負にならないよ」
小枝ゆき「うん・・・まずはもっと強くなるよ」
十七夜月シン「気をつけてほしい」
十七夜月シン「プレイヤーキラーはヴォロドィームィルだけじゃない」

〇城壁
プレイヤー狩り「うふふ・・・そこのお姉さぁん」
女冒険者「なんだ? 私は先を急いでいる」
プレイヤー狩り「急ぐ必要ないよォ だってお姉さん・・・うふふ ここでボクに殺されるんだからァ」
女冒険者「プレイヤーキルを宣言とはいい度胸だ ――スキル【鑑定】」
女冒険者「なんだ、まだレベル二か 私はレベル三だ 相手が悪かったな」
プレイヤー狩り「ぐふふふ・・・ たしかにゲームアバターはお姉さんのほうが強いよねェ」
プレイヤー狩り「でもそんなの関係ないよぉ? お姉さんは自分からボクに首を差し出すんだからァ」
女冒険者「さっき【鑑定】で見たが、おまえにそんな精神魔法は使えないはずだ」
プレイヤー狩り「精神魔法なんて要らないよォ」
プレイヤー狩り「ゲーム内で勝たなくたってェ、リアルで勝てばいいのさァ」

次のエピソード:第三話 パンチとパンイチは似ている

コメント

  • ああ……グンマァ……

  • ヴォロドィームルが死ぬほど覚えられない名前だと思った瞬間、作中でもツッコミ入って安心しました笑

  • グンマァの戦士のリアルどうなってんだというのが気になりました。

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